BRANDING CASE 02

関西の“すごい会社”を、
どのように世の中に伝えるか。

テレビ局とブランディング会社が、
おなじ問いに向き合った。
関西テレビ放送株式会社×トゥモローゲート
関西テレビ放送株式会社×トゥモローゲート
関西テレビ

クライアント

関西テレビ(ココすご!)

「ココすご!」は、関西テレビが手がける、関西に根づく企業や仕事の魅力を発信するプロジェクトです。知名度や規模だけでは測れない「その会社ならではの強み」や「働く人の想い」に光を当て、関西にはまだまだ“すごい”会社があることを伝え、魅力を通じて関西を元気にしていくことを目指しています。「ココすご!」は企業と若い世代をつなぐ新しい接点として、企業の魅力を知るきっかけを広げているのです。

Profile

石田

石田一洋

関西テレビ放送株式会社
アナウンサー

スポーツ中継を中心にニュース・情報
バラエティ番組など多数担当する中で
新規事業にも注力。
田原莉奈

田原莉奈

トゥモローゲート株式会社
広報発信部 リーダー

トゥモローゲート初の専任広報として
メディアなどへの露出を展開。
会社への愛は誰にも負けない。
PROLOGUE
「独自性の高い会社」という先入観の向こう側に、
対話の入口があった。
トゥモローゲートという会社の名前は、石田さんにとって「突然現れた存在」ではなかった。出会う前から、すでに知っていた。ただしそれは、「一緒に仕事をする会社」としてではなく、どこか距離のある、際立った存在としてだった。
  • 石田
  • セールスやプレゼンの参考として、トゥモローゲートさんのYouTubeを見ていました。研修で教える立場でもあるので、ベンチマークとしてチェックしていたという感じですね。 数ある事例の中でも、強く印象に残っていたのが、八百鮮さんのプロモーションでした。率直に「これは真似できない」と感じました。それと同時に、深くブランディングを考えている会社なので、相談する以上はこちらも準備や方向性をしっかり整理してから話したいと思っていました。
石田さんにとって、その印象をさらに強めたのが、周囲から聞こえてきた評判だった。「トゥモローゲートに頼むと、2000万円くらいかかるらしい」「行ったら売られるから、覚悟して行ったほうがいい」そんな話が、冗談半分、噂半分で広まっていた。
  • 石田
  • 怪しいというより、“勢いのある会社なんだろうな”というイメージが強かったです。ある程度覚悟して打ち合わせに行った記憶があります(笑)
  • 田原
  • SNSの発信や企画も、特徴的な打ち出しが多いので、最初は構えて見られることも多いですね(笑)
尖ったブランドイメージに対して、中途半端な姿勢では受け止めきれない。そんな空気感を石田さんは無意識のうちに感じ取っていた。しかし、実際に代表の西崎と対面したとき、その印象は大きく裏切られた。
  • 石田
  • YouTubeで見ていた印象と全然違いました。前のめりで売り込まれる感じはなくて、すごくフラットで穏やかだったんです。それで一気に壁がなくなりました。
  • 田原
  • 実際にお話しする機会をいただけてよかったです。その時間がなければ、今回のプロジェクトも始まっていなかったと思います。
その場で具体的な依頼や要件を詰めたわけではない。ブランディングをお願いしようという話でもなかった。ただ、「話をしてみたい」「考え方を聞いてみたい」という感覚に近かった。関西を盛り上げる企業を集めたい。仕事や会社の魅力を、もっとわかりやすく伝えたい。そんな思いから生まれつつあった「ココすご!」という構想にとって、「世界一変わった会社」を掲げるトゥモローゲートとパートナーとして組むことは必然だった。
当時に抱えていた課題と期待

当時抱えていた課題と期待

正解をつくるのではなく、
可能性が広がる入口をつくりたかった。

「ココすご!」というプロジェクトは、最初から完成形を決めていたわけではなく、対話を重ねながら少しずつ輪郭をつくっていったプロジェクトだった。 多くの人が仕事や会社を選ぶとき、有名な企業、わかりやすい職業を選択肢にあげる。それ以外の仕事や会社は、存在していても、なかなか選択肢としてあがらない。そんな社会課題と向き合うことから歩みを進めていった。
  • 石田一洋
  • 職業って、実はそんなに知られていないと思うんです。会社も同じで、知っているところの中からしか選べない状況が、ずっと続いている気がしていました。
この課題意識の背景には、アナウンススクールの運営を通じて、若い世代の進路選択に向き合ってきた経験がある。夢を持って何かを目指す人がいる一方で、「そもそも、どんな仕事があるのかわからない」「自分に合う会社を想像できない」ーそんな声を、何度も耳にしてきた。
  • 石田
  • 職業を選ぶって、人生の方向を決める大きなタイミングだと思います。でも、その選択肢自体が見えていない人が、本当に多いんですよね。
少子化が進み、求職者世代の人口が減少していく中で、この問題は個人の悩みにとどまらず、企業の採用や地域の持続性にも直結していくテーマになっていく。 だからこそ、「ココすご!」で目指したのは、特定の企業を持ち上げることや事業の成功事例だけを発信することでもなかった。仕事内容と会社、その両方を切り離さずに伝えること。どんな人が、どんな想いで働いているのかをきちんと見せること。その積み重ねによって「こんな仕事もあるんだ」「こんな会社も選択肢になるんだ」と視野が少しでも広がる入口をつくりたかった。
  • 石田
  • いわゆる求人WEBメディアというより面白い会社を知るための図鑑のようなものをつくりたい、という感覚に近かったです。
一方で、その理想をどう形にするかについては、まだ手探りの状態だった。テレビ局としての発信力はある。 しかし、若い世代の情報接触はテレビだけでは完結しない。YouTubeなどのSNS。どこから、どう届けていくのかは、簡単に答えが出るものではなかった。
  • 田原
  • 最初にお話を伺ったとき、完成された企画を求められているというよりも「一緒に考えながら形にしていきたい」という想いを感じ、自然とワクワクしたのを覚えています。
トゥモローゲート側から見ても「ココすご!」は何かを請け負ってつくるプロジェクトではなく、試行錯誤を前提とした取り組みだった。
  • 田原
  • 「関西を元気にしたい」というビジョンを体現するには、企業規模にとらわれず、本当にすごい企業を認定していく仕組みが必要ではないか、というお話をしました。
やりたいことはある。でも、やり方は決まりきっていない。その不確かな状態ごと受け止め、一緒に考え、修正しながら前に進める相手。それが、当時「ココすご!」がトゥモローゲートに期待していた役割だった。

提案を受けたときの印象と感想

「任せる」ではなく、
一緒に試していける感覚があった。

トゥモローゲートとの対話が進む中で、石田さんが感じていたのは「提案を受けている」という感覚とは、少し違うものだった。何か完成された企画を持ち込まれるわけでも、こうすべきだと正解を示されるわけでもない。むしろ、今ある構想や違和感をどう広げ、どう試していくかを、同じ目線で考えていく時間が続いていた。
  • 石田
  • ブランディングをお願いします、という依頼でもなかったですし、正直まだ中途半端な状態だったと思います。それでも、丁寧に向き合ってくれたのはありがたかったですね。
印象的だったのが、立ち上げ初期の戦略に関する提案。「すごい企業の魅力を世の中に発信していく」という方針は決まっていた一方で、サービスである以上、利益も追求していく必要があった。ただ、トゥモローゲートからはビジョン実現を基盤とした「無償の認定プラン」を提案された。
  • 田原
  • もちろん利益を追求することは重要ですが、目指すビジョンとサービスが乖離してしまうと「ココすご!」の濃いファンは生まれにくいのではないかと感じました。
その提案には、単なる施策の話以上の意味があった。認定プランを入口にすることで、企業が参加するハードルが下がる。同時に、実際に動かす中で見えてくる課題や可能性を、次の一手につなげていく余地が生まれる。
  • 石田
  • ただ「こうしたらいいですよ」と言うだけじゃなくて、企業さんとのつなぎ方や、営業の動き方まで含めて一緒に考えてもらえたのは大きかったです。
提案の中身だけでなく、「途中でも修正していい」「うまくいかなかったらやり直せばいい」という前提で話が進んでいくこと自体が、「ココすご!」にとっては心強かった。
  • 石田
  • 新規事業なので、正直まだ正解なんてわからない。でも、その前提を共有した上で、一緒に試行錯誤してくれる感じがありました。
トゥモローゲートの関わり方は、何かを請け負って終わるものではなく、途中経過も含めて並走するスタンスだった。
  • 田原
  • きれいに整った企画よりも、まずは手応えが得られるところまで一緒にやる。その先で、必要な形にアップデートしていければいいと思っていました。
提案を受けたというより「一緒にやってみよう」という合意が、自然に生まれていた。「ココすご!」とトゥモローゲートの関係は、この段階ですでに発注と受注の関係を超えたものになり始めていた。

プロジェクトを通して得られた変化・成果

小さく始めたからこそ、
“伝わった”という実感が生まれた。

「ココすご!」は、石田さんにとっても新しい挑戦の連続だった。無償の認定プランから始め、まずは動かしてみる。その判断が、結果として「変化」を生み出す土台になっていった。認定企業は少しずつ増え、現在では約100社に。ココすご!の想いに共感してくれる企業も多く、結果的に有償プランでの契約にも繋がっているという。
  • 石田
  • 認定企業の数を増やすことよりも、実際に自社の魅力を社会へ届けるために活用してもらえることを大切にしていました。
そんな中で、石田さんのもとに届いたひとつの報告が、「ココすご!」の手応えを強く感じさせる出来事だった。
  • 石田
  • ちょうどインタビュー当日の朝に連絡が来たんです。「ココすご!」に掲載されている企業を見て、「雰囲気が楽しそうだったから」と応募してくれた方がいて、女性社員の内定が決まったと聞きました。
条件や待遇だけではなく、「会社の空気感」や「仕事の温度」が伝わった結果としての内定。それは「ココすご!」が目指していた理想的な成果だった。この事例が象徴しているのは、「ココすご!」が単なる情報掲載の場ではなく、企業の魅力を“翻訳”する役割を果たし始めているという点だ。
  • 石田
  • まさに、こういう形をつくりたかったんですよね。企業の「すごさ」を、魅力として伝えられる形にできたなと思いました。
発信の手応えは、採用面だけにとどまらない。テレビ局の強みを活かした映像制作、YouTubeやInstagramといったSNSでの発信など、「ココすご!」の表現領域は少しずつ広がり始めている。
  • 田原
  • 最初に想定していた形に固めすぎず、反応を見ながら広げていけているのは、いい流れだと思っています。
さらに、コミュニティ「ココすご!BASE」や新たな動画サービスなど、企業のニーズに合わせてココすご!の領域は広がってきている。 成果が出たから完成、ではない。むしろ、少しずつ手応えが見えてきた今だからこそ、次に何を試すかが問われている。関西テレビとトゥモローゲートの挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。
これからトゥモローゲートに期待すること
答えを決めきらず、
問いを持ち続けながら進んでいくために。
「ココすご!」は、最初から完成された答えを用意し、それを届けるためのプロジェクトではありません。むしろ、行動しながら考え、考えながら形を変えていくことを前提に生まれた取り組みです。だからこそ、プロジェクトが進むにつれて、扱うテーマや表現の方法、関わる企業の在り方も、少しずつ更新されていくものだと考えています。そうした不確かな状態の中で、これからトゥモローゲートさんに期待しているのは、施策や制作を担うパートナーであることにとどまらず、課題と可能性を共に整理し、次の選択肢を探し続けられる存在であることです。完成度の高いアウトプットを出すこと以上に、立ち止まるべきところで立ち止まり、問いを投げ合いながら前に進める関係であることを大切にしたいと考えています。

社会や働き方が大きく変化する中で「ココすご!」が扱うテーマも、企業の見せ方も、これまでと同じではいられません。そのたびに、いま何を伝えるべきなのか、誰にどう届けるべきなのかを問い直す必要が出てくるはずです。そのプロセスを一過性のものにせず、積み重ねとして続けていくためにも、外から答えを与えてくれる存在ではなく、同じ目線で試行錯誤していただけるパートナーが必要だと感じています。「ココすご!」は、これからもトゥモローゲートさんと共に、問いを持ち続けながら、関西にある仕事や会社の魅力を伝える方法を模索し続けていきたいと考えています。完成を目指すのではなく、更新し続けることそのものを価値としながら、同じ歩幅で前に進んでいけたら良いですね。
BRANDING CASE 01
ブランドの芯をつくる約2年6ヶ月。
新たな事業の柱となる
青汁「boco to deco」プロジェクト。