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KPI・KGIとは?その違いから設定方法までわかりやすく解説

トゥモローゲート意匠制作部でコピーライターとして働いている小川です。

今回はビジネスの現場でよく使われる「KPI・KGI」について解説したいと思います。

僕自身、トゥモローゲートに入社するまでは詳しくありませんでしたが、入社後はお客様の課題を解決するためにこのKPI・KGIを意識するようになりました。

その過程で学んだ備忘録をビジネスに携わる方々に向けて発信します。少し長くなりますが、KPI・KGIの全体像が把握できるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

KPI・KGIとは何なのか

KPIとは”Key Performance Indicator”の略で「重要業績評価指標」を指します。

KGIは”Key Goal Indicator”の略で「重要目標達成指標」を指します。

わかりやすく表現するとKGIは「最終的に達成したい目標」で、KPIは「KGIを達成するために達成しなければならない目標」のこと。

つまりKPI・KGIは、最終的に達成したい目標とそれに向けての進捗をわかりやすく示すために用いる指標。なんとなく分かったけど、もっと詳しく!という方がほとんどだと思うので、例を用いて具体例に説明していきます。

KPI・KGIの具体例

僕は「有名なコピーライターになりたい!」という目標を持っています。

この目標をKPI・KGIに落とし込んでいく時にまずやるべきなのは「有名なコピーライター」を数値で定義することです。どうなったら有名と言えるのか?を決めていきます。今回はこんな感じで進めていきましょう。

「『トゥモローゲートの小川さんにキャッチコピーを書いてほしい!』という仕事の依頼が年に10件以上来る」

これがコピーライター・小川にとってのKGI(最終的に達成したい目標)になります。

ではこのKGIを達成するために達成しなければいけない目標(KPI)には何が挙げられるでしょうか。仕事を直接依頼されるために必要なこと…「認知度」と「実績」は必要不可欠ですよね。

この「知名度」と「実績」を数値で定義したものがKPIになります。それぞれこんな感じでいきましょう。

・認知度
→SNSの総フォロワー数100,000人

Googleで『トゥモローゲート 小川』と月5,000回以上検索される

・実績
→「キャッチコピーにまつわる広告アワードを合計10回以上受賞する」
→「コピーライターとして合計10回以上メディアに取り上げられる」

そのKPIを達成するためにはどんなアクションが必要なのか?まで細分化し、言語化できていると、KPI・KGIの達成確率はあがります。下記に仮でアクションまで入力してみました。

“このアクションをすれば達成できるだろう”と誰もが思う項目を入力することが大切です。上記のようなKPI・KGI達成のために必要な項目を図解したものをKPIツリーと呼びます。

KPIを定める上で大切な4つのポイント

先ほどの章で紹介したKPIツリーを埋めていく上で大切とされている4つのポイントをご紹介します。目標達成につながる重要な項目ですから「なんとなく」でKPIツリーを埋めるのはやめてください。

①「KGI達成に必ずつながる」と言い切れるKPIを定めること

KPIとKGIはセットで存在する指標です。たとえ立派なKPIを立てていたとしても、KGI達成につながるものでなければ意味がありません。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、このつながりを徹底するのは簡単ではありません。KPI・KGIの2つを見比べながら「本当に達成につながるのか」を厳しく見極める必要があります。

②KSFをもとにしたKPIを定めること

また新しい言葉が出てきました。KSFとは”Key Success Factor”の略で「重要成功要因」を指します。「KGI達成のために重要な要因は何なのか」を見極め定義することです。

KPIと何が違うの?と思われた方もいるかもしれません。僕も最初はそう思いました。これに関しては図で表現した方が分かりやすいと思うので、下記をご覧ください。

KGIとKPIの間の「知名度」「実績」がKSFにあたります。もしここでKSFを「偏差値」に設定してしまうと、KPIには「全国模試◎位以内」などKGI達成には全くつながらない項目が入ってしまいます。

このようなズレをなくすためにKSF「重要成功要因」を定めることが推奨されています。

③「SMARTモデル」にのっとってKPI・KGIを定める

SMARTモデルとは、KPIの精度を高めるために開発された効果的な「目標の定め方」のこと。

「Specific(具体的)」
「Measurable(計量性)」
「Achievable(達成可能性)」
「Relevant(関連性)」
「Time-bound(期限)」

それぞれの条件を満たしたKPIを定めましょう、というフレームワークのようなものです。1つ1つ具体的に見ていきましょう。

Specific(具体性)

KGIが「有名なコピーライター」でKPIが「すごいコピーライター」だったらどうでしょう。こんなにも抽象的なKPIだと「何がすごいの?」「何が違うの?」という疑問が生まれてしまいます。

「『トゥモローゲートの小川さんにキャッチコピーを書いてほしい!』という仕事の依頼が、年に10件以上来る」と第三者の誰もが判断できるくらい具体的な言葉で定義することがKPIには求められます。

Measurable(計量性)

計量性とは「数字で表せる」ということ。先ほどの具体性とほぼイコールですが、たまに、“確かに具体的だけど、数字で表した方がもっと分かりやすいはず”というKPIを目にします。

「有名なコピーライター」という目標を具体的にすると「個人指名で仕事の依頼が舞い込むコピーライター」と表現できます。これを計量的にすると「年20件以上の仕事が舞い込むコピーライター」などと表現できます。

Achievable(達成可能性)

2022年12月時点でコピーライター歴がまだ1年にも満たない僕が「1年以内に1億円規模のキャッチコピー案件を個人指名で任される」というKPIを立てたとしても、達成可能性は限りなく低いです。

達成すればKGI達成に大きく近づくことは間違いありませんが、未達成の幅があまりにも広いとモチベーションがだがり、KGI達成から遠のいてしまう恐れがあります。壮大な目標も大切ですが、それと同じくらい実現可能性にも目を向けましょう。

Relevant(関連性)

KGI、KSF、KPIの関連性がしっかり担保されているかどうかを見極めることも大切です。

1つのKGIに対しKSF、KPIは複数設定されるケースがほとんど。その全てに関連性があるかどうかを慎重に見極めながらKPIツリーを仕上げていくことで、本質的で効果的な目標を設定できるようになります。

Time-bound(期限)

具体的で、計量的で、達成可能性があり、関連性もあるKPIを立てたら最後は「いつまでに達成するのか?」を明確に決めていきましょう。期限が抜けているとKPI・KGIの質は大きく下がります。

有名なコピーライターになるのは1年後なのか?5年後なのか?10年後なのか?早ければいいという話ではなく、現在地から計算した上での最適なゴール(期限)を設定していきましょう。

どれだけ立派なKPI・KGIを設定しても「いつまでに」がなければダラダラ先延ばしになってしまいます。

2種類のKPIを意識して決める

ここまで「KGI」「KPI」の2つをテーマに解説してきましたが、そのうち「KPI」自体を2つに分ける考え方も存在しています。それが「KRI」「KAI」の2つです。

(どんどん複雑になっていきますが、できる限りシンプルに伝えていきますので、お付き合いください…)

KRIとは”Key Result Indicator”の略で「重要結果指標」を指します。

KAIは”Key Action Indicator”の略で「重要行動指標」を指します。

図の通りKRIは「リピート率」や「購入数」といった直接的な結果を目標とするKPIのこと。一方のKAIは「顧客へのアポイント数」や「商談へたどり着いた数」といった行動量を目標とするKPI、いわばアクションプランのことです(弊社トゥモローゲートでは「アクションプラン」という呼び名を使っています)

この2種類のKPIを使い分けてKPIツリーを組み立てていけばKGIの達成率を高めることができます。どのように使い分けていくのかというと、「KRI→KAI」の順番でKPIツリーを組み立てることです。具体的には、

①『トゥモローゲートの小川さんにキャッチコピーを書いてほしい!』という仕事の依頼が年に10件以上来る(KRI)
②SNSの総フォロワー数100,000人」「Googleで『トゥモローゲート 小川』と月5,000回以上検索される(KRI)
③Twitterで1日30ツイート以上を1年間継続する(KAI)

このような流れ。ここで重要なのは数値結果(KRI)だけを追うのではなく、目標達成のための具体的な行動目標までしっかりと立てることです。

KPI・KGIを定めるメリットデメリット

KPI・KGI定めることでどんなメリットデメリットがあるのか。メリットは容易に想像できますが、逆にデメリットには何なのかみていきましょう。まずはメリットから。

KPI・KGIを定めるメリット

KPI・KGIのメリット①目標達成への道筋が明確になる

KGIという大きな目標と、その達成に欠かせない中間数値KPIを定めることで、達成のために何が足りていないのか、達成まであとどれくらいの成果が必要なのが明確になります。

明確になれば継続すべきことと改善すべきことも明確になります。また、チームで取り組んでいる目標であれば「目標まであと少し!」と声をかけ合うことなどもでき、チームワークの醸成にもつながります。

KPI・KGIのメリット②業務の的確な改善ができる

例えば「レストランの年間売上を5000万円にしたい」というKGIに対し、半年時点で1000万円しか売り上げていなかった場合。

細かいKPIを設定していれば、売り上げが伸びていない理由が「客単価」や「リピート率」といったKRIなのか「SNSを毎日投稿する」「チラシを1日100枚以上配る」といったKAIが足りていないのかを明確にすることができます。

明確になれば改善策も明確になるため、課題解決の可能性を高めることができます。

KPI・KGIを定めるデメリット(注意点)

KPI・KGIのデメリット①ネガティブな行動を引き起こす可能性がある

従業員のネガティブな行動を引き起こしてしまうことがあります。

例えば、お客様との信頼関係が何より大切な仕事で「売上」だけをKGIやKPIに設定してしまった場合。目標達成に目がくらんだ従業員が商品を押し売りしてしまい、リピート率がガクンと下がる…などのリスクも考えられます。

KPI・KGIのデメリット②精度の高いKGI・KPIを設定するには時間がかかる

ここまで読んでいただいた方は薄々感じられていると思います。

KGI・KPIの設定には時間がかかります。自社の事業やフェーズに合っていない項目を設定した場合ネガティブな結果につながりかねないため、時間をかけて慎重に定めていく必要があるんです。

KGI・KPIを定める業務自体に売上は立ちません。そんな中で膨大な時間を費やすには覚悟が必要です。かける時間が中途半端に終わってしまうと逆効果もあり得ます。今やるべきかどうかを慎重に見極める必要があるのです。

KPI・KGIのデメリット③フェーズによってこまめな見直しが必要

KPI・KGIには定期的な見直しが必要です。特にKPIに関しては、目標達成度合いや事業戦略、社内環境の変化などに応じて見直す必要があるため、そこに対応できなければ意味をなさないものになってしまいます。

KPI・KGI運用において大切な3つのポイント

KPI・KGIは「ただ決めればいい」というわけではありません。目標達成につながる本質的な運用をしていく必要があります。ここではその中でも重要なポイントを解説していきます。

KPI・KGI運用ポイント①責任の所在を明確にする

KPI・KGIは複数の項目を設定するケースがほとんどです。そうなると「このKPIは誰が責任を持って達成を目指すのか」を明確することが重要になってきます。

責任の所在地を明確にしておけば、分業制による効率アップ、モチベーションの向上、ブラッシュアップ時の方向性の統一などさまざまなメリットが生まれ、KPI・KGIを達成する可能性を高めることができます。

逆に所在地があいまいだとKPI・KGIの達成に向けて自発的に行動する人が現れにくくなり、せっかく定めたものが形骸化してしまう恐れがあります。

KPI・KGI運用ポイント②進捗を定期的に確認する

どれだけ本質的なKPI・KGIでも達成に向けて前進していなければ意味がありません。1週間に1度もしくは1ヶ月に1度のペースで“現在地”を確認し、進捗を把握していくことが大切です。

KPI・KGI運用ポイント③改善策を練る

進捗を確認した時に想定よりも前進していないことが判明したら、目標と現在地のギャップを埋めるためにはどうすればいいのか?を考え改善策を練りましょう。

アクションの量を増やすのも1つ。アクションの質をブラッシュアップするのも1つ。KPIの内容を見直すのも1つ。最適な改善策を見極め、粘り強く実施していきましょう。

ブランディングにおけるKPI・KGI

KPI・KGIの大枠を理解いただけましたでしょうか?

企業のブランディングをメイン事業とするトゥモローゲートもあらゆるプロジェクトにおいてKPI・KGIを設定しています。数値で測りにくいブランディングという領域ですが、Webサイトであれば「サイト経由のお問い合わせ◯件」、動画であれば「youtubeの再生回数◎回」などKPI・KGIを定めることは可能です。

KPI・KGIを駆使することで目標達成ヘの道のりが明確になり、目標達成の可能性を引き上げることができます。この記事が読んでいただいた方の目標達成をサポートする役割を担ってくれればこれほど嬉しいことはありません。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。KPI・KGIも駆使した企業ブランディングにご興味のある方は、まずはトゥモローゲートの事業ページを覗いてみてください。

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