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ブランドの意思を一言で伝えるコンセプト設計|企業ブランディング事例

今回のブログでは、ブランディング戦略の一つである「ブランドコンセプト設計」について、実績を紹介しながら掲載していければと考えています。

ブランディングやマーケティングの思考や分析が、企業ブランドのアウトプットに対してどう落とし込まれ、どういった言葉でまとめられ、世の中に送り出されていくのかを解説していきます。

ブランドコンセプトとは何か?

まずはじめに、「ブランドコンセプトとは?」という素朴な疑問から解消していきたいと思います。

トゥモローゲートでは、ブランドづくりの一環として「ブランドコンセプト設計」のご依頼をいただくことも少なくありません。お客様によってブランディングの目的はさまざまですが、大切にしないといけないのが「どんな魅力を打ち出すのかの方向性」を、社内外問わず誰もがズレることなく持つための共通認識です。

それらをわかりやすく一言で言い表したものを、トゥモローゲートでは「コンセプトコピー」として設計しています。

設計したコンセプトをもとに、企業サイトや動画などのコミュニケーション設計などを進めていくことで、言っていること(WHY:企業の想い)とやっていること(HOW/WHAT:企業サイトなど各ツールでのコミュニケーション設計)がブレない確固たるブランディングが完成します。

今回ご依頼いただいたBUDDICA(バディカ)様(以下、敬称略)も、「ブランドコンセプト設計」をご依頼いただいたお客様の一人です。BUDDICAを取り巻く「業界課題」と、それらを解決できる独自の「強み」をどのように紐付け、コンセプトとして落とし込んでいったのか。前段が長くなりましたが、今回はそこをできるだけわかりやすくお伝えできればと思います。

BUDDICAについて

BUDDICAは、四国の香川県を中心に展開する中古車の卸販売会社です。2017年に設立され、現在の社員数は約50人ほど。四国の他に姫路や倉敷、千葉や福岡にも店舗を構えており、今後は大阪に実店舗を開く予定です。(余談ですが、次回僕が自家用車を買い換える時はお願いしようかと企んでいます)

ビジネスモデルとしては、主にオークションで安価に仕入れた車両を、中小規模の中古車業者に販売しているというカタチになります。競合他社としてはビッグモーターやネクステージの大手中古車販売会社が挙げられますが、独自の目利き力やノウハウを活かしながら、対等以上に戦っています。

その理由の一つとして、代表の中野優作さんをはじめ、BUDDICAのほとんどの社員様がビッグモーター出身という点が挙げられ、他の競合他社と比べて戦略や動向においては相当な分析力や競争力を持っているといえます。

「中古車業界をひっくり返す」
企業のビジョンをBUDDICAらしく打ち出す。

報われない業界構造

BUDDICAが目指すのは、「中古車業界の流通をなめらかにし、業界をひっくり返すこと」。弊社にコンセプト設計のご依頼をいただいた時点で明確に固まっていたその目標の裏側には、歪んだ「中古車業界特有の課題」が存在していました。

一般的に、私たち消費者は車に関する知識があまりなく、「購入金額の中のどこで値上げされているのか」「本当にこの費用は必要なのか」などを完全に把握して購入できているという人はほとんどいません。新車/中古車に関わらず、自動車業界では透明性が保証されていない部分も存在するのです。

またその一方で、オークション市場では大手企業が自動車を買い占め、仕入れや経営のノウハウが豊富とは言えない中小規模の業者にあえて高く売りつけたり、または独占するために卸さなかったりという状況もあります。

中小規模の中古車販売店ほど、本当にお客様のためを思ったサービスや運営をしている傾向が多いにも関わらず、自社の売上はもちろんお客様にとっても高い販売価格になってしまう、なんとも報われない構造になっています。

それらの矛盾をつき、流通をなめらかにしていくことが、大手企業の戦略を熟知しているBUDDICAの使命であり目的でもあります。

課題を明確にするより
ブランドの「想い」を明確に

そのため、今回のコンセプト設計には、「社外に対してBUDDICAの積極的な姿勢をより強く打ち出す」という意図と、「社内のメンバーに改めて会社が進むべき方向性を示し、焚き付けていく」という役割がありました。

具体的に「こういった課題を解決する」というわけではないにも関わらずこのタイミングでコンセプト設計が行われたのは、創業時、借金だらけの状態から始まり、5年目で業界のトップになったから今だからこそ、改めて決意表明として社内外にその姿勢を打ち出したいという想いからでした。

当初は、それでも「何か企業としての課題があるのではないか?」と、数時間に及ぶヒアリングを行いました。しかしどんなにお伺いしても、見えてくるのは「類を見ないほどに固まっている企業としての方向性」「そこに対する一貫した行動や実績」「社員の方々が一丸となった社風」であり、そこに組織としての課題はないかのように感じられました。

ではトゥモローゲートにできることは何か。
それは、BUDDICAが進むべき明確な道筋を改めて言語化・設計し、BUDDICAの掲げるビジョンにお力添えすることだと判断しました。

そういった経緯で策定されたのが、次の章で紹介する「CRACTION!!」というコンセプトです。

業界に警鐘を鳴らすブランドコンセプト

図 2

「警鐘を鳴らす」ということわざがあります。
BUDDICAの在り方やビジョンをお伺いしプランニングを進めていくうちに、頭の中にこの言葉が浮かんできたのを覚えています。

「中古車業界はこのままだと危ない」という警告を掲げ続けるBUDDICAのスタンスと、自動車についている警笛を鳴らすアクションをリンクさせ「CRACTION」と名づけました。

法律上、「よほど危機的な状況でない限りクラクションは鳴らすべきではない」と定められています。

【警音器の使用】(道路交通法第54条) ○ 左右の見通しのきかない交差点や見通しのきかない曲がり角等であって、道路標識等により指定された場所等を通行しようとす るとき以外には、危険を防止するためやむを得ないときを除き、警音器を鳴らしてはならない。

クラクションを鳴らすほどの危険が迫っている状況だということを、自動車業界のプロであるBUDDICAがあえてアクションしていくことでよりメッセージ性や重要性がが引き立つ、という効果も狙っています。

BUDDICAの代表である中野社長にも、業界内では好意的に受け入れられていないことを先駆けて行なっていくという観点で、「CRACTION!!」という表現をとても気に入っていただけました。

また、一般的なクラクションのイメージとして、前方に詰まっている車に対して「道を開けろ」というメッセージを送るという意味で使用されているケースも少なくありません。(法律上では禁止されていますが)

この表現は、いま中古車業界を牛耳っている大手企業に対して「そこをどけ!道をあけろ!」という意味も込めることができており、まさにBUDDICAにしか言えないコンセプトになったと自信をもって言えます。

「CRACTION」は存在しない単語…?

ちなみに、「クラクション」という単語は和製英語であり、英語で「CRACTION」という綴りの単語は存在しません。

中古車業界のプロであるBUDDICAが、本来使われない(正しくない)表現を当然のように使用することに対して「あの会社はそんなことも知らないのか」と後ろ指をさされる可能性も懸念しましたが、それを中野さんに話したところ「全く問題ないです!」と、気にしていない様子に驚かされたのを覚えています。

自分たちの本質を伝えるためなら、造語や和製英語といったルールにはとらわれない。そういった姿勢からも、中野さんの気概とカリスマ性を感じられました。中古車業界の常識を塗り替える胆力を持っているからこそ、「実際に使用されている英語かどうか」といった細かい問題なんて気にもとめないくらい些細なことだったのだと思います。

コンセプトにより生み出された効果

今回、受注いただいた「ブランドコンセプト設計」において、トゥモローゲートがお手伝いできるところはここまでになります。

ただし、ブランドコンセプトを定めるだけで、ブランドの目指す方向性がよりわかりやすくキャッチーな形で伝えられるという利点があります。それを継続的にSNSやメディアで発信することで、認知度を向上させることもできるでしょう。

実際、現在のBUDDICA企業サイト内にてミッション・ビジョン・バリューを紹介するページの下部に掲載していただいてもいますので、それほどに重要な言葉として使っていただいてることは間違いありません。

またTwitterでも、スタンスや意思表明をされる際には度々この言葉を使用していただいてもいます。

トゥモローゲートがコンセプトに込めた意図や想いが、しっかりとクライアントとの共通認識として共鳴できているようで、見るたびに誇らしく思いますね。

ブランドコンセプトを設計して、
より統一されたアウトプットを。

今回はBUDDICAの実例をもとに、トゥモローゲートが担うブランドコンセプト設計についてお話しさせていただきましたが、いかがでしたか?

ほとんどのケースでは、ここで策定したコンセプトをもとにアウトプットへと落とし組んでいきます。WEBサイトであれ動画であれ、共通した言葉とトンマナで各ツールを制作していくことで、文字通りブレないブランディングが完成します。

それほどコンセプト設計というフェーズはブランディングの方向性を示すかなり大切な部分を担っており、非常にやりがいのある業務です。逆に言えば、コンセプトのない制作物ではブランディングは完成しないので、前述したようにトゥモローゲートではコンセプト設計なしに制作物を請け負うことはほとんどありません。

また機会があれば、そこからのアウトプットまで繋がる制作実績も紹介していきたいと思いますので、今後とも更新を楽しみにしていただければ嬉しいです。

というところで今日はこの辺で。ご覧いただきありがとうございました。

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