
お昼の時間、私はとある社員の席に向かった。
小澤さん、今日のランチ「麻辣湯」食べにいきません?
まーらーたん…?何ですかそれ?

ええええええ!知らないですか!?
めちゃくちゃ流行ってるんですよ。
麻辣湯?
そうです!麻辣湯!
なんで流行ってるんですか?
え、なんで?・・・そりゃ美味しいからでしょ!
いや、絶対なにか理由があるはず。
ブランディング調査や!いきましょう!
(おぉ、急にスイッチ入った…笑)
数十分後、私たちは麻辣湯屋に到着。
ここですか?

平日のお昼やのに、人いっぱいですね!
みんな何を求めて来てるんやろう?
(麻辣湯やと思いますけど、、)
さっそく店内へ。
目の前には大量の具材が並んでいた。
春雨、青梗菜、きくらげ、湯葉、肉団子、エビ団子。
みんな真剣な顔でトングを握っている。
うわぁすごいな、これどうしたらいいの?

ここでトングを取って、好きな具材を選ぶんです!
どれにしようかなぁ〜?
なるほどなぁ、これは流行るわ。

いや、まだ何も食べてないですよ?
食べなくても、分かります。
(なに、その特殊能力)
ほら、周り見てみてください。
野菜だらけの人もいる。
お肉ばかりの人もいる。
真っ赤なスープを選ぶ人もいれば、
辛さゼロの人もいる。
みんなそれぞれの麻辣湯をつくってますね。
そう。同じお店なのに、「同じ麻辣湯を食べている人がいない」ですよね。
小澤さんは、具材を選びながら続けた。
たぶん、正解がないんでしょうね。

正解、ですか?
「おすすめセット」もないし、
「この具材選んでください」みたいなのもない。

でも、それが楽しくないですか?
そうなんですよ。
人って、与えられたものより、「自分で選んだもの」に愛着を持つ。
会社も同じやと思うんですよね。
・・・と言いますと?
「経営理念」は、ある意味“会社から与えられたもの”。
「理念浸透」っていうのは、
いかに社員に自分ごと化させるかやと思うんです。
確かに、“会社から与えられたもの”のままでは、愛着を持てない…。
うちの会社だと「ビジョン達成に必要な行動目標」を
社員全員で話し合って決めるじゃないですか?
それが、一人ひとりが主体的に行動できる環境、
つまり「愛着」に繋がっているんやろうなぁと。
この数分で、よくそこまで考えられましたね…笑
麻辣湯の人気の理由が、ちょっと見えてきたなぁ。
まだまだあるはずや。
数分後、完成した麻辣湯が運ばれてきた。

美味しそう〜!
やばい、入れすぎた、、、だから1800円もしたんかぁ。

レジで計るまで分からなかったですもんね笑
これも上手い戦略ですね。
「これも入れよう」「せっかくやしこれも」って
夢中になっちゃいました。
もし最初から全部値札ついてたら?
たぶん、もっと冷静になりますね。
欲望が先に動くように設計されてるんやろうなぁ。

・・・って、またブランド分析!はやく食べましょう!
麻辣湯が運ばれてきてから10分、2人はようやく食べ始めた。


辛っ!!!
辛いの苦手でしたっけ…?
◯◯◯◯壱でも、カレーに蜂蜜いれるんですよ。
(小学生みたいやな…)
いや、でも美味しいわ。

(どっちやねん笑)
でも、次はもっと上手く作れそうですね…!
・・・リナさん、それですわ!!
???
これが普通のラーメン屋さんやったら、「美味しかった」で終わる。
でも、麻辣湯は「次はもっと上手く作れそう」ってなりますよね。
だからまた来ちゃう?
そう。
みんな何回もリピートして、自分の中での「正解」を探しに来るんですよ。
それに、ブランディングの目線で考えると・・・

あ!!!!
なんですか!!
小澤さんが分析ばっかりするから、
SNS用の写真撮るの忘れてたじゃないですか!!
(僕のせい?なのか…?)
広報失格や、、
そう言いながら、食べかけの写真を撮った。
周りを見ても、みんなスマホを向けている。

リナさん、これもブランディングですわ。
私が写真を撮り忘れたことがですか!?(怒)
いや、違いますよ!!
SNSで見る麻辣湯って、
『この店は創業何年です』
『スパイスを何種類使っています』
なんて投稿してないですよね。
たしかに、
『私の推しカスタム3選』
『ダイエット中の具材の選び方』
みたいな投稿をよく見ます!
そう、全部「自分の体験」を発信してますよね。
理念浸透もおなじ。
言葉を掲げるだけじゃなく「体験」にしていかないといけないんですよ。
(麻辣湯だけでここまで語れるのは、もはや才能かもしれない…)
あっという間に食べ終えた二人。
麻辣湯屋で理念浸透の話をしているのは、おそらく人類初だろう。

美味しかったー!ごちそうさまでした!
僕もなんとか食べれました、、!(ギリギリ)
じゃあ、オフィスに戻りましょうか!
(ようやくブランド分析から解放される汗)

オフィスに戻る道中、小澤はあることに気がついた。
うわぁ、これサウナと似てますね!
サウナ!?
辛いの食べて、汗かいて、外で冷たい風浴びて。
なんか整ってきたわ。。。

やっぱり調査してみると、ただ美味しいだけじゃなかったですね!
そうなんですよ。
でも考えてみると、辛い料理は昔からあるし、健康そうな食事も昔からある。
SNS映えする料理なんて山ほどあるじゃないですか。
たしかに。
じゃあ、麻辣湯だけ何が違うんですか?
うーん…
たぶん、全部入ってるんでしょうね。
ぜんぶ?
・自分だけの正解を探せて、また来たくなる
・健康的だけど、辛さで背徳感がある
・SNSに載せたくなる
・体験そのものがコンテンツになる
ぜんぶ詰め込まれてましたね!
だから流行ったんやと思いますよ。
なるほど!!
じゃあ麻辣湯って、具材が流行ったんじゃなくて、
「体験」が流行ったってことですか?

そうそう!ブランディングも同じなんですよ!
特別な何かを発明することじゃない。
みんなが見落としてる「違い」を見つけて、
それを言葉やデザインや体験にして育てていくこと。
うちに相談いただく企業さんも
「強みなんてありません…」と言われる方が多いですが、
どんな会社でも絶対に魅力はありますもんね!
そう。魅力がないんじゃなくて、
まだ「見つかってないだけ」なんですよ。
麻辣湯がなぜ流行っているのか。
その答えを知りたくて連れ出した。
でも帰る頃には、「ブランディング」の話になっていた。
私たちの職業病だ。
ただ、とても腑に落ちた。
麻辣湯が人気なのは、美味しいからだけではない。
自分だけの正解を探せる体験そのものに、人は夢中になる。
そして、それは理念も同じだと思う。
大切なのは「覚えること」ではなく、
社員一人ひとりが「自分の仕事に置き換えられる状態をつくること」。
私たちが「ビジョンマップ」を大切にしているのも、きっと同じ理由だ。

楽しいランチでした!ありがとうございました!
こちらこそ、楽しいブランド分析でした!
ちょっと水風呂的なのが欲しいんで、コンビニ寄っていいですか?


<今回のブランド調査結果>
「辛い麻辣湯を食べて、外気に触れ、アイスを食べるとサウナと同じ効果を得られる」
※あくまで小澤個人の見解です
田原 莉奈
トゥモローゲート株式会社 広報担当。2022年に会社初の専属広報として入社。各種メディアへのアプローチや取材対応から、キャリア教育プロジェクトの企画運営、自社初の書籍『レベルゼロ』制作のディレクションなど幅広く担当。地上波テレビや全国紙の取材獲得、各種アワードの受賞など実績多数。入社後1年で会社のメディア露出を5倍以上に。
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