こんにちは。ブラックな社長、西崎です。
さて、最近企業のSNS参入が盛んになってきてますが、みなさんの会社はうまくSNSを活用してますか?うちの会社が本格的にSNSをはじめたのが約2年半前なんですが、当時は今ほど企業が発信をする時代ではなかったです。この1年くらいでかなり増えた感覚です。(2021年4月時点)
いろんな会社の社長や人事がTwitterで発信したり、Youtubeで動画を公開したりと本当に増えてきましたよね。SNS運用が拡大する理由を、各種SNSをかなり使い倒してきた西崎がお伝えすると「メリットがデカい」ここに尽きるかと。
<SNS運用の3つの大きなメリット>
・顧客からの問い合わせが増える
・優秀な人材が採用できる
・会社の理念が社員に伝わる
ざっとまとめると大きなポイントはこの3つです。加えて、スピードの速いSNSを運用しはじめると決断が早くなったり、新しいものを取り入れる風土が生まれたりと、かなりメリットが山盛りです。
うちも過去にはうん千万単位の営業費や採用費をかけて広告運用してました。がしかし、SNSで発信をはじめてから採用費はほぼ0円になりましたし、新規のお客様も8割以上がSNSで知っていただいたお客様です。さらにSNSを運用するといろいろな情報や人に触れることになり社員が育ちます。そんなこんなでいいこと尽くしのSNSブランディングですが、「そう言われてもなにからやっていいのかわかんねえよ!」というひとも多いかと。
今回は、この2年半けっこう本気でSNSと向き合ってきたトゥモローゲートが、どうやってSNS運用を成功させたのかという点についてまとめていきます。実際に全社員で運用してみてわかったデメリットについてもお伝えしようと思うので、「これからSNSブランディングをはじめてみよう!」と考えている会社の参考になれば嬉しいです。
INDEX
まずはじめに、誰がやるか問題なんですが、いろんなことを試したり、さまざまな企業の運用を見てきてわかったこと。それは「まずは社長がやれ」です。SNSを使って情報発信をするうえで、一番訴求力があるのが会社のトップ、つまり社長です。会社の想いを一番持っている人間で、かつ創業社長なんかでいうと社歴も一番長いのが社長。当然、会社のことを伝えやすいのは社長という結論になるわけです。見る側の立場にたってみても、会社のことを会社の代表が発信する言葉に一番説得力が生まれるのは言うまでもないですよね。
おなじタイミングでおなじ発信をしても会社のトップが発信する言葉には大きな力が宿ります。ありのままの情報を発信してくれる社員の情報もめちゃくちゃ貴重な発信なんですが、まずは社長が率先して自社のことを発信し、それを見た社員が「俺もやってみよう!」と追随してはじめてくれるやり方が成功している多くの企業の方程式に感じます。
では「どんなSNSを運用すればいいのか?」悩みませんか?業種業態やターゲット、目指すゴールによって運用プラットフォームは変わると思いますが、企業、特にBtoBサービスを提供する会社におすすめなのがTwitterです。140文字という限られた文字数の中で情報発信ができる手軽さと、価値観や思想でつながるという点で、実業との親和性の高さが魅力です。
現在企業が運用を検討するSNSとして、
Twitter、Instagram、Youtube、Tiktokこの辺りが検討対象になるかと。
自分はこれらすべてを試してみました。その実体験として、BtoBビジネスをしている会社が手軽で運用しやすく成果を得やすいのがTwitter、BtoCビジネス(飲食店や美容室など)をしている会社で、顧客に対して目に見える商品やサービスを提供する会社はInstagramがおすすめです。利用ユーザー層が幅広く、圧倒的な利用時間と認知度を高めるSNSとして強力なのがYoutubeですが、動画の撮影から編集とかなりの労力がかかります。まずは手軽に文字だけではじめられるTwitterの運用を強くおすすめします。
一番失敗してしまうやり方が「会社の宣伝をする」だけの情報発信です。
「こんな新商品が出たのでぜひ買ってください」
「人材を募集してるのでぜひご応募を」
この情報はただの宣伝であり、見ているユーザーにとって大きな価値を与えません。注意しなければいけないのは価値ある情報を発信すること。そういう意味で会社のトップというのは大きなアドバンテージがあります。企業経営を行う中でほかの人が体験していないような成功体験や失敗体験、ビジネスにおける良し悪しを数多く体験していることでしょう。それでも「何を発信していいのかわからない」そんな人も多いかと思います。
発信をする時に意識しているのが感情の琴線に触れる体験を発信するです。
仕事をしていると、
「こういうの嬉しかったなあ」
「こんなサービスを受けて感動したなあ」
「こんなことされたら嫌だなあ悲しいなあ」
といった感情が揺れ動く場面に多く遭遇します。その体験を切り抜いて発信するだけで、何を呟いたら言いんだろうと迷うことから解放されます。その際に必ず自分の考えやポリシーや体験から学んだことを自分の言葉で追記するを意識して発信してみてください。ただあったことを書くだけではただの感想です。その体験を通じて得られたことや気づいたことをあなたの声でプラスすることで、ほかのひとにとっての価値ある情報となるわけです。
そろそろ発信したくなってきましたか?
でもまだまだ準備しないといけないことがあります。それは「目的を決める」こと。これはSNSブランディングに限らず、なにやるにしても目的が定まっていないと、何のために発信するのか、この発信を通じて何を実現したいのか、が曖昧になってしまいます。大きく決めて欲しいことは3つ。
①何のためにやるのか?
②誰に対してやるのか?
③どんな成果を期待するのか?
ここが定まらないと発信内容がブレたり、一貫性のないアカウントになってしまうんですよね。運用する前には必ずこの目的を決めてから発信したほうがいいです。「そう言われても何をどう決めればいいかわからない?」そんなひともいますよね。安心してください。そんなみなさんにご活用いただけるTwitterスタートアップシートを下記にご用意しました。作成例も載っているので、この流れに従って情報を埋めていけば自分が誰に対して何を発信するのかを具体化していけるはずです。
そもそもトゥモローゲートがSNSを運用する目的は「情熱大陸に出演する」という中期ビジョンの設定ゴールをクリアするためにスタートしました。このゴールをクリアするには、まずは世の中のひとにうちのことを知ってもらわないといけないし、変な会社が大阪にあるという認知を広めないといけない。そのためには会社のことを知ってもらえるSNSで発信しようという結論にいたったわけです。
「とりあえずやってみる」はとてもいいことですし、自分自身もそんな感覚に使い形でスタートしたんですが、成果を最短で得るためには目的を定めてはじめたほうがいいなと思いこのスタートアップシートを作成しました。自分の使いやすいようにカスタマイズしてぜひ活用してみてください。
さてさて、なんとなくSNSについて理解が深まってきたでしょうか?
「さっそく社員にも声かけてやってもらおう!」となりたいところなんですが、自分の経験からこの「やらせる」って行為はかなり難しいです。よく考えてみてください。これやりなさい、あれやりなさいと言われてやることってなかなかワクワクすることができないですよね。SNSも同じで「今日から毎日ツイートをしなさい」「ノルマは1日5ツイートね」と伝えたところで、最初の一週間くらいはやってくれますが、一か月後には半分が辞め、3か月後には誰もやってないという事態に陥ります。
全社単位でSNS運用するうえで考えなければいけないことがこの「どうすればやりたくなるか?」です。人間好きなものや楽しいことは継続することができる。じゃあ会社としてどうすれば本人たちが自分からやりたくなるかを考えることが楽しみながら企業運用するために必要不可欠じゃないかと思います。ちなみに、うちの会社ではSNSでバズったら休みになるバズ休という社内制度を設けたり、SNSで発信するだけで別途手当てが出るSNS手当など、自分からやってみようとなるためのさまざまな背策を随時更新しています。
たまにSNSの発信は業務じゃないから業務時間外にやれ、仕事中にSNSはやるなという会社があったりします。これまでの経験から、これでは全社発信はなかなか成立しません。そもそもSNSでの発信は業務じゃないという考え方を捨てた方がいい。ちなみにトゥモローゲートでは新規売上の8割がSNSでの認知によるもの、採用も8割以上がTwitterからの採用です。これは業務以外のなにものでもありません。
ちなみに自分も社員も発信する内容に制限は一切ありません。仕事のことを発信しても、プライベートのことを発信してもなんでもOKにしてます。先の記事では「価値ある情報発信」とありましたが、これは自分がSNSでの目的を達成するために意識していることで、社員はそれぞれ自分の目的に応じた発信を実施しています。そんな中でも稀に人間性を知ってもらうために、たまにプライベートなことやどうでもいいことをツイートするようにもしています。
この「好き勝手やらせる」っていうのは大事なことです。こういうツイートをしてとお願いするとどうしてもやらせる仕事になってしまう。だからあまり制限を設けずに運用することが楽しみながら運用するコツでもあるんですよね。そんなうちの運用方法にも一つだけ絶対に破ってはいけないルールが存在します。
それが「特定の個人を傷つけない」です。
これがSNS発信において会社が定めている唯一のルール。世間に想いや思想を発信していくと、こちらの意図が正確には伝わらず批判的なコメントや、自分自身の人格を含めて攻撃してくる人が必ず現れます。もしかしたら、誰かに対して頭にきたり、腹が立ったりで、物を申したくなることもあるかもしれない。ただうちの会社では、理不尽な要求に対してはっきりとNOは伝えますが、特定の個人に対して傷つけたり攻撃することを明確に禁止しています。考え方なんて人ぞれぞれ。世の中に対して怒りをぶつけることはあっても、特定の個人を傷つけることはやめようぜという思想に基づいてルールです。
ここまではSNS運用のメリット、つまりいいところしかお伝えしてませんでしたが、デメリットまで伝えたうえで運用を検討した方がいいのでまとめていきます。2年半運用してきた中で「デメリットは?」と聞かれて思いつく限りのデメリットを並べてみます。
<SNS運用のデメリットまとめ>
・とにかく時間がかかる
・周りから見られる意識が必要になる
・コストがかかる(特にYoutube)
・炎上のリスクが発生する
・アンチが発生する
・意図しない形で情報が伝わることがある
ざっとあげるとこのあたりになります。一番大きなハードルになるのが「時間」です。手軽なTwitterでさえ、導入初期はかなり本気でやっていたため、一日5時間以上は使っていたと思いますし、Youtubeなんかになると1本の動画を作るだけで数日工数の時間が必要になります。
正直、それ以外のデメリットはそんなに大した問題ではないです。自分たちのポリシーに乗っ取って、想いのある発信をしている限り、誰かに何を言われようと堂々と発信していけばいいし、まともな経営者がまともな発信をしていれば早々炎上することなんてありません。コストがかかると言っても、TwitterやInstagramはほぼ必要なく、うちのYoutube運用で月額50万円前後です。(編集から撮影まで自前でやれればこのコスト以下でももちろん運用できます)
世間で言われてるような、会社の存続を脅かすような大きなトラブルや問題になることは、何度も言いますがまともに経営していればなかなか起こりえないことなので、あまり心配せずに取り組んでみて欲しいなと思います。
最後に企業のSNS運用において成功するために最も大切なことをお伝えします。
どこまで行っても運用の成功するかしなかのカギはここに尽きるかと。多くの会社がSNSで発信しようと挑戦しては、結局やらなくなり消えていきます。だからこそ続けられるということが成功には必要不可欠なわけです。頭ではわかっていてもこの継続ってやつがSNS運用において最大の壁になってくるんですよね。
自分は2018年10月からTwitterを、2020年1月からYoutube運用を本格的にスタートしました。実は意外と最近なんですよ。ありがたいことに「御社はSNSの運用が上手いですね!」と褒めていただくことがあるんですが、運用当初は本当に鳴かず飛ばず。なにを呟いても基本的に0いいねで、たまに来るリプライは仲のいい知り合いかただの悪口。そんな時代が必ず誰しもあるわけです。
我慢に我慢を積み重ねて、雨の日も槍の日も発信を続けた結果、Twitterフォロワーは10.8万人、Youtubeチャンネル登録者は16.2万人とたくさんのひとに応援していただけるアカウントとなりました。これは西崎一人のフォロワー数で、全社員での総フォロワー数を合計すると60万人以上。自分一人でここまで来ることは絶対に無理でしたし、全社員で取り組んだ成果としてこのような状態を作れたわけです。(2023年8月時点)
楽しみながらやるっていうのが大前提にはなるんですが、一方で反応が得られるまで、特に社長は自分に課したタスクだと思って、毎日決めたことをやり続けるという強い意志も必要です。SNSでは生の情報を発信できるというのが大きな武器になります。ただの広告では伝わらない会社の温度がダイレクトに伝えられます。これは会社にとってもユーザーにとっても大きなメリットです。この記事をきっかけに「うちの会社もSNSで発信してみよう!」そんな会社が一つでも生まれてくれれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
※YouTubeでTwitterについて詳しく解説してます。ぜひ参考にしてみてください。