【実録】教育体制が弱みのトゥモローゲートに未経験エンジニアが入社したらどうなるのか

お久しぶりです。
トゥモローゲート意匠制作部のタカウマです。

突然ですが皆さんの会社の教育体制は整っていますか?

完全に主観になりますが、新卒入社でもない限り会社に「研修」と呼ばれるものはありません。ましてや僕たちのようなデザイナーやエンジニアといった技術職となるとほぼ皆無。入社初日から実案件に入るなんてザラにあります。

さて、もうお分かりでしょうが弊社(特に意匠制作部)は教育体制が整っていません

入社初日の新入社員に1日つきっきりでソフトの使い方を教えることもなければ「新入社員研修」なんてスケジュールが入ることもありません。ありがたいことに、それくらいたくさんの実案件を抱えさせていただいています。

そんな中。

なんと最近、弊社のエンジニアとして35歳未経験の男が入社しました。

これは大変です。前代未聞です。

弊社トップエンジニアの西川と緊急対策会議を開き、今後の方針について日夜討論するほどの異常事態でした。

そんな未経験の彼も入社してはや2ヶ月。

忙しいトゥモローゲートでの業務。ここまで一体どういったことをしてきたのでしょうか。今回のブログではそれを振り返っていきたいと思います。

ただただ自社の弱みをさらけ出すだけのブログになってしまいそうですが、自分たちの教育体制強化のためにも、覚悟を決めようと思います。ではいきましょう。

その男、金誠俊

さて今回の主役、金誠俊(キムソンジュン)、通称「コム」(Twitterはこちら)

冒頭でもお伝えした通り35歳にしてプログラミング経験ほぼ0なのにエンジニアとして中途入社した男です。(なのに撮影ではベテランエンジニアみたいな顔してました)

1年ほど前から開発に興味を持ちバックエンド側の勉強をかじってはいましたが、フロントエンドのコーディングスキルはほぼ皆無のままトゥモローゲートに惹かれて入社し、現在はフロント業務に奮闘中ってところです。

そんな彼がどうしてトゥモローゲートに入社を決めたのか?というところが気になる人もいるかもしれませんが、その詳細はまた次回に。「コムさんの自己紹介サラっとすぎるでしょ」というツッコミは受け付けません。本題はそこではありませんから。

今回は、弊社が彼とともに何をしているのかです。

入社前にしたこと

さて、コムのTwitterを見てくださった方ならプロフィール写真から受けるイメージとは裏腹に相当な変態だということはお分かりでしょうが、同時にトゥモローゲートへの熱(というか愛)は入社前から相当なものだったので、なんと内定が決まった時点で「入社してからの課題と目標」を自分で作成して送ってきました。

・1ヶ月目
既存ページの修正やチームでの制作の流れを覚える。コーディングの基礎を固める。
・2-3ヶ月目
HTML&CSS(Sass)でコーディングし、デザインデータのコーディング・配置など問題なくできるようになる。
・4-5ヶ月目
Webページの動きの部分(JavaScript)についてスキルを身につけ、ページ全体を1から10までコーディングできるようになる。
・6ヶ月目
一人でほとんどの作成が可能になり、デザインや動きに対して要件定義・提案ができるようになる。

これはもう期待大ですよね。
「この通りいってくれればマジ最高」と返信したのを覚えています。

実際は案件との兼ね合いもあるので予定通りに行ける可能性は低いです。でも大事なのはそこじゃなく、姿勢の問題。これくらい先を見据えた意気込みで入社してくれるのは素晴らしいこと。何がなんでも入りたい会社がある人はぜひ参考にしてみてください。

入社後にしたこと

ここからが本番です。

冒頭でもお伝えした通り、弊社には丁寧に存分に研修をしている時間は残念ながらありません。基本的には自分で調べて、やってみて、それでも分からなければ聞くというスタンスが今は当たり前になっています。

が、それでも目標達成にはうるさいのがトゥモローゲート。ということでコムにもひと月ごとの課題や目標を設定し、それに対しての期限も設定して取り組んでもらう方針にしました。

ここからは実際に取り組んでもらっている内容を羅列していってみます。

模写コーディング

基本中の基本ですね。

まずは自分で選んだサイトを模写し、再現できるようにしてもらいます。ここでは「ソースを見ないように!」などのルールは設けずに取り組んでもらいました。なぜならソースを見たとしても構造を理解していないとサイトはできないのでソースを見ながら模写することも勉強になるからです。

余談ですが「このサイトのこの動きで」みたいなふわっとした依頼をされても簡単に再現できないんですよね。結局ソースを理解して自分で書かないとサイトは完成しません。なので模写の方法を問う必要はないと判断しました。

模写コーディングを提出してもらう際には、ただURLを投げるだけでなく、

①その会社の企業説明
②1日何時間使って何日でコーディングしたか?
③コーディングで気をつけた事
④今回のコーディングで感じた今後の課題

こういったところもあわせて提出してもらいます。

なかでも①はブランディングを生業にしているトゥモローゲートでは超必須項目。自分がコーディングしている会社が何をやっているのか、どんなことを大切にしている会社なのかを知らずして弊社の基準をクリアするサイトは絶対につくれません。

自社の制作物に対する考え方の部分もしっかりと学んでもらいながら課題を進めてもらいます。

いろんな案件のMTGにひたすら参加

プロジェクトメンバーに入っている、入っていないに関わらずMTGにどんどん入ってもらいました。

これはトゥモローゲートの制作がどのように進んでいくのか、どういうコミュニケーションを通じて制作物が出来上がっていくのかを肌で感じてほしいと思ったからです。

発言を求めたり、発言に対してフィードバックがあるわけでもありません。あくまで自分もこれからこういうプロジェクトチームに入っていくんだという想像をしてもらうことが目的です。

「未経験」「新人」となるとどうしても蚊帳の外のような空気ができてしまいがちですが、トゥモローゲートはそれではいけません。入社まもなくであろうが打ち解けやすい環境はつくるようにします。新卒であろうがインターン生であろうが、そのために大事なMTGに入ってもらうことも多いです。

選考時の面談にも参加

これはコム本人からの希望でした。トゥモローゲートの選考にはどんな人が受けにきているのか、そういう人に対してどんな選考をしているのか、どんな基準で合否を判断しているのかを知りたいとのこと。

企画から提案、制作、納品まで全てを自社でまかなうトゥモローゲートでは、立場関係なく同じ目的意識、判断基準、価値観を持つことが大切です。コムの選考面談参加は一見意味のないように見えますがそうではない。

いいアクションだなと僕は思いました。

いろんなミーティングの議事録のまとめサイトをつくる

今のトゥモローゲートにないものをつくった方が圧倒的にプラスになる

そんな考えから取り組んでもらいました。MTG等の記事録をとり、HTML + CSSでためていき、WordPress化して誰でも使える状態にすることで会社の効率化を目指してもらいます。

HTMLの文書構造やセクション、グループ分けに慣れながら、ひと月が終わるまでに一本の議事録をアップする、というところを目標にしました。

成長するには成功体験が大事です。練習のための練習では意味がありません。そういう意味でも議事録のまとめサイトをつくって会社に貢献することで成長スピードを爆上げしてもらおうと思ったんです。

会社概要などのソースをみて解析する

トゥモローゲートのサイトだけでなく、世の中のサイトがどんなコードで実装されているのかをレポートにまとめ、傾向を知っておくことでコーディングの引き出しを増やす作戦です。

比較した企業の中から共通点や相違点を見つけ、その上でデザインを見て模写コーディングをできるようにするのが狙い。解析する部分を絞った上でいろんなコードに触れると共通点や相違点が明確になり理解しやすくなります。

ちなみに会社概要や募集要項などのテーブル組みは、シンプルが故に人によって組み方が違うので面白いですよ。

案件対応(修正業務)

さて、入社1ヶ月が経ったあたりから少しずつ実案件に入ってもらいます。

といっても新規のサイト制作はまだ難しいので、すでに運用しているサイトの差し替え対応や更新業務から始めてもらいます。サイトによって構造が違うため実装環境をつくるのに手間取っていましたが、だんだんと慣れてきている印象です。

これを見てくれているクライアントの皆さんのサイトの中に、コムが修正したものもあるかもしれません。ひとまず「修正のコム」という異名を目指すと言っていたので今後もどんどん任せていきたいと思ってます。(この作業、受け持ってくれる人がいるって実は結構助かるんですよね)

案件対応(サイト制作)

この頃には入社して1ヶ月半が経っていました。実案件の修正対応をしつつ、入社当初から取り組んでいる模写コーディングもそれなりにスムーズにできるようになってきました。

ここで舞い込んできたのが、とあるサイトの1ページコーディング制作

彼の成長にこれほどうってつけのものはないと思いましたが、タイトなスケジュールだったので、僕自身がコーディングしつつ、同時進行で彼にも挑戦してもらう形で進めることにしました。模擬的に案件をこなすってやつです。

答えのある模写コーディングと違ってイチから作る実案件には答えがありません。答えは自分で作っていかなければいけません。さらには今までと違って期限もかなりタイト。自分の課題や反省点がよりリアルになったと思います。

これからやっていくこと

上記を繰り返しながら実案件にもどんどん入ってもらい、サイト制作にどんどんチャレンジしていく流れになると思います。いわゆるOJTってやつですね。

もしここまで読んでくださった人の中で「自分はこんなことをしたよ」などがあれば彼のツイッターにDMでもリプでもいいので送ってもらえると、彼は飛び跳ねるように喜ぶと思いますのでぜひよろしくお願いします。

エンジニアに必要なもの

3、4ヶ月目以降はほぼOJTだ、なんてことを言いました。

というのも、エンジニアに必要なのは自己研鑽課題解決能力です。どれだけ丁寧な研修があったとしても教えられることといえばここまで書いてきたことくらい。教わったことを実案件で活かすのも、さらに新しいことを学んでいくのも自分次第。エンジニアとして成長するのも自分次第ということです。

自己研鑽

どれだけ業務が忙しくなっても自分に足りないものは何かを考え、足りないものに気がつき、自分で時間を見つけて磨いていける人がエンジニアとして活躍できる人だと思っています。

教育体制が整ってないことへの言い訳ではありませんが、アクティブに自分から動ける人でないとトゥモローゲートでは活躍できません。これはエンジニアに限らずです。

課題解決能力

主観にはなりますが、この課題解決能力は、基礎的な知識や技術と同じレベルで絶対に備えておかなくてはいけない力だと思っています。

わからないことが出てきたとき。きちんと調べてから先輩や上司に聞いていますか?

少なくともGoogleの検索結果2ページ目くらいまで閲覧してみてそれでも分からないことがあれば初めて人に聞く。開発関連の情報に関しては特にそうするべきだと思います。

開発や実装というものは、状況や案件によって対応方法が違うため、どれだけ実績のある人であっても基本的に最初は検索するからです。何も調べずに聞いて、聞かれた先輩が調べて答える。構図としておかしいですよね。

終わりに

後半、すこし話が脱線しましたが、いかがでしたか?

一般的な制作会社ではやっていないようなこともいくつかあったのではないかと思います。

課題にぶち当たった時。自分の力で解決することで成長を目指す。そのためならどこまでも貪欲になれる。この気持ちがあればトゥモローゲートでは活躍できると思います。

とはいえ、それらをしっかりと教えられる教育体制がないのは間違いなく大きな課題。しっかりと受け止めて、しっかりとした環境づくりに取り組んでいかないといけないなとこのブログを書いて改めて思いました。

現在、入社3ヶ月目になる金誠俊(キムソンジュン)、通称コム

入社前に立てた目標に想定通り近づけているのでしょうか。

悔しい思いをすることの方が多いであろう時期を乗り越えて、早く覚醒してくれることを祈りながら、これからもシゴいていきたいと思います。みなさん暖かく見守ってやってください。

そしてこれをみて「自分もやってやる」と気合の入った未経験エンジニアの皆様。ぜひトゥモローゲートの門を叩いてみてください。お待ちしています。

ほなまた。

P.S.
僕がゴリゴリ教育しているように書いていますが実際に課題を与えたりしてくれているのは弊社トップエンジニアの西川です。僕はそこに対して口出ししてるだけです。怒られないうちに白状しておきます。

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