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クライアントを脱がせてみた。(企業ブランディングの事例です)

「クライアント」と「脱がせる」

くっつけていいワケがない言葉をくっつけてしまいました…。

はじめに、このようなブログの発信を了承してくださったアドカラーズ合同会社様(以後、敬称略)の冨岡社長、ならびに関係者のみなさん、本当にありがとうございます。

アドカラーズ合同会社の企業サイト
冨岡社長のX(旧Twitter)

アドカラーズは、埼玉県さいたま市でリフォーム業を営む会社さん。住宅に加え、飲食店や工場、屋根や外壁塗装など、幅広い案件を手がけられています。今回はそんなアドカラーズのブランディング事例ブログです。

「クライアントを脱がせる」というタイトルは、釣りでも何でもありません。

冨岡社長に、本当に、撮影のために脱いでいただきました。(上半身だけ)

もちろん、脱いでいただいたのには理由があります。その理由とは、アドカラーズ様が求める成果を達成するために、最適な手段だからと判断したからです。

なぜ、脱がせることが最適なのか。求める成果とは何なのか。実際に生まれた成果は…?

不透明。曖昧。ぼったくられる。よくないイメージが染み付いている内装業界だからこそ、「隠さない」ことを伝えたかった。

内装に詳しくないお客様をあせらせて、必要のない工事をすすめる業者さんがいたり。適切な業者さんを見極めるのが難しく、損してしまうお客さんがいたり。内装業界には不透明なことが多く、“ぼったくられる”という嫌な言葉も聞こえてくるような実状がありました。

疑問を感じていた冨岡社長は、“不透明なことはなくす。隠すことをやめる”という経営方針でアドカラーズを立ち上げられました。どんな人が、どんな工事を、どんな進め方で行うのか。そこにどれくらいのお金がかかるのか。全てさらけ出そうという経営方針です。

その最たる例が、お客様にご提示する見積書にアドカラーズの利益まで記載するということ。これは、わかりやすく言えば、「あなたの工事を請け負うことで、私たちはこれくらい儲かりますよ」と宣言するということです。

なぜ、そこまでやるのか。

「何かを隠しながら仕事をしたり、後ろめたい思いを抱えながらお客様と接することは、短期的に見れば儲かるかもしれませんが、長くは続かない。お客さまから信頼されなくなるし、自社のメンバーも疲弊してしまいます。だからこそ僕たちは、何も隠さず全てをさらけだす。そうすれば全員が幸せになれる。綺麗事でもなんでもなく、その方が、長きにわたって価値提供できる会社でいられるはずなんです。」(冨岡社長)

ふつうなら隠したくなることまでさらけ出す。さらけ出すことで、リフォームを切り口にお客さまの根本的な悩みを解決したい。働いてくれるメンバーに余計な負担をかけないようにしたい。そうすることで、長く価値提供できる会社にしていきたい。

「何でそんなことをするんだ」「バカなことをするんじゃないよ」

アドカラーズの方針に対して、業界内から批判的な声があがることもあるそう。1つの会社がさらけ出してしまうと、隠している会社の立場がなくなる…という危機感のような、嫉妬心のようなものを感じる業者様もいるのでしょう。

無論、周りの声にアドカラーズのスタンスが左右されることはありません。不透明。曖昧。ぼったくられる。よくないイメージがある業界で「隠さない」をつらぬくことで、独自の立ち位置を築きつつありました。

そのスタンスを、今まで以上に多くの人に知ってもらいたい。共感してもらいたい。そのためにブランディングに力を入れていきたい。トゥモローゲートがお力添えすることになったのにはそのような背景がありました。

冨岡社長、脱いでください。

アドカラーズの魅力を対外的に伝えていくために、まずは冨岡社長のX(旧Twitter)アカウントを開設し、発信を強化するところからブランディングをスタートしました。

X(旧Twitter)では、発信する目的や目的達成につながるアカウント構築から始めます。“よくないイメージが染み付いている内装業界のイメージを、すこしでも変えていくこと”を目的に定め、なかなか語られない内装工事の裏側や、知って得する内装工事の情報などを中心に、継続的に発信する方針で運用をスタート。

発信を見てくださった方がアカウントページにたどり着いた時、“フォローしたい”と思ってもらえるように、ヘッダー画像には上半身裸(に見える)冨岡社長の写真を使用。「大事な所は隠しません。」というキャッチコピーを添えました。

(冨岡社長のX(旧Twitter) はこちら)

よくある写真を使用して、「全てさらけ出します」のようなストレートなキャッチコピーを添えるだけでも、冨岡社長のスタンスは伝わったかもしれません。

でも、X(旧Twitter)で多くの人にファンになってもらうには、本質的なメッセージをインパクトをもって伝えることがとても重要です。だからこその上半身裸の写真。だからこその「大事なところは隠しません」でした。

「冨岡社長、脱いでください」とご依頼するのはとても勇気がいりました。

でも、意図や目的をしっかりお伝えすると、冨岡社長は快くご了承してくださいました。そのおかげで今までにないほどインパクトのある、それでいて伝えたいことがしっかりと伝わるアカウントが誕生しました。

冨岡社長が継続的に発信した効果として、X(旧Twitter)経由でのべ1億円以上の新規売上を創出。今でも2000人を超えるフォロワーの方々に対して継続的に発信をされており、今後さらなる成果が見込まれています。

次は、社内の組織力を強化したい。そのために、経営理念を記すビジョンマップをつくった。

隠さず全てをさらけ出す。

アドカラーズ不動のスタンスを、冨岡社長だけでなく、メンバー1人ひとりが理解・体現できる状態をつくることで、ブレのない価値提供をしていきたい。そうすることで内装業界のイメージを少しだけでも変えていきたい。

X(旧Twitter) を使った対外的な発信と同時に、自社のスタンスなどを社内に浸透させることが必要だと判断し、ビジョンマップを制作することに。

ビジョンマップとは、会社が目指す未来の実現に向けたロードマップ。目指す未来(長期のゴール)、そのために提供する価値・存在意義、日々の仕事で大切にしている行動基準などを明文化したもの。

【ブログ】ビジョンとは?組織が強くなるビジョンマップの作り方

アドカラーズさんのビジョンマップはこのような仕上がりになりました。

アドカラーズのMISSION(存在意義)

『にごりのない選択を』
「ひと」「金額」「情報」悩みを解決したいのに、誰に頼めばいいのか。どの解決策が最善なのか。不安になりうる要件をすべて洗い出して隠さない。納得を得られる提案をすることで、お客様が最善の選択ができるようにすることが使命。

アドカラーズのVISION(目指すべき姿)

『正直者がバカを見ない世の中に』
「どうすればいいのか分からない」そんな想いをもったお客様に、誠意をもって提案する業者が信頼され続ける。そんな世の中を作ることが私たちのビジョン。

アドカラーズのVALUE(守るべき価値観)

『ハダカの付き合い』
不安を抱かせてしまうようなことはしない。相手のためになる正しいこと、目的のために真っ直ぐに生きれば、相手の信用につながり、共感する仲間も現れる。

全てをさらけ出すというスタンスでサービスを提供したり、仲間を採用し、共に価値提供した先に、どんな未来を実現するのか。アドカラーズらしい表現で、かつ覚えやすい表現で言語化していきました。

冨岡社長はもちろん、他のメンバーの方々も参加するミーティングを合計30時間ほど実施。出てきた言葉や感じたニュアンスを総合し、言語化し、伝わりやすいデザインに載せてビジョンマップを完成させました。

X(旧Twitter)での発信で、認知・共感してくれる人の数(ファン)を増やした。次に、自社のスタンスを言語化して社内に伝えた。次のフェーズは、ブランドコンセプトの設計コーポレートサイトの制作です。

「赤裸々なリフォーム。」というブランドコンセプトを策定し、コーポレートサイトを制作

『赤裸々なリフォーム』
社長も、職人も、原価も。全てお見せします。

ブランドコンセプトとは、企業の魅力や提供する価値を、ターゲットにささるように言い換えた言葉のこと。X(旧Twitter)に使用した「大事なところは隠しません」や、ビジョンマップのMISSION「にごりのない選択を。」に込められた“すべてをさらけ出す”というメッセージを、このようなコンセプトで表現しました。

お客様が求める情報はすべてさらけ出すというスタンス。さらけ出すことでお客様が抱える本質的な悩みを解決する会社であるというメッセージ。それらが伝わるような言葉として、「赤裸々」というキーワードを軸にブランドコンセプトを策定しました。

「赤裸々」を辞書で引いてみると、「包み隠さない」「丸裸」「何もない」という言葉が出てきます。また、「赤」という文字は、赤色以外にも「むき出し」「誠」「真心」という意味が込められています。まさに、アドカラーズにピッタリ。

「赤裸々」の後ろには事業内容である「リフォーム」をつけ、サブコピーと呼ばれる2行目には「社長も、職人も、原価も。全てお見せします。」を使用。アドカラーズの魅力がターゲットに正しく伝わるよう、慎重に言葉を選んでいきました。

リフォームの全てをお見せする『リフォーム徹底解剖』

認知を広げる手段として有効なX(旧Twitter)に比べ、コーポレートサイトはより「詳しく知りたい」と訪れてきてくれた人に対し、会社の概要、事業、実績、人などを深く伝えられるツールです。その一環として企画・制作したコンテンツをいくつかご紹介。1つ目は『リフォーム徹底解剖』です。

多くの人にとって、人生で数回しか経験しないリフォーム工事。知識を深める機会はなかなかありません。そこにつけ込んで利益を得ようとする悪質な業者は数知れず。「知らない」が理由で不当なお金を払ってしまう人は後をたたないのです。

アドカラーズのサイトに訪れてくれた人に、そういったトラブルを未然に回避してもらうため、冨岡社長がお客様視点でリフォームの1から10まで解剖するページを作成しました。

業者への依頼からアフターフォローまで、一連の流れや気をつけるべきポイントなどを細かく解説しています。

【ページ】リフォーム徹底解剖

お悩み解決のためのリフォーム事例紹介『提案実績』

アドカラーズにとって、リフォームは目的ではなく、お客様の悩みを解決するための手段。お客様のご要望を間に受けるのではなく、深掘りすることで本質的な悩みを突き止め、そこに見合ったプランをご提案します。時には「リフォームはしなくていいかもしれません」と伝えることも。

『提案実績』のページでは、アドカラーズがお客様からご相談を受けてから施工するまでの流れを具体的にご紹介しています。加えて、一般的に想定される予算と、実際にアドカラーズが作成したお見積書を、サイト上で比べられるコンテンツを企画。

実績をサイトに掲載するのは、どこの会社様もやっていること。そんな中でどう差別化すべきか。「赤裸々なリフォーム」というコンセプトに沿って、見積もりをはじめとする実績の裏側をあますことなく公開。サイトの目的である“濃いファンになってもらう”の達成を目指しました。

【ページ】提案実績

冨岡社長のすべてをさらけ出す『ハダカの社長紹介』

「誰が」リフォームをしてくれるのかも、業者選定においてはとても重要。その「誰が」を伝えるために、代表挨拶ページにもアドカラーズらしいこだわりをこめました。

全てをさらけ出す会社をひきいる人だからこそ、誰よりも情報をさらけだす。そうすることで、打ち出しているメッセージが魅せかけではないと知ってもらいたい。

そんな狙いで冨岡社長の生い立ちをこれでもかと細かく記載しました。さらけ出すスタンスを表現すると同時に、冨岡龍也という人自体を好きになってもらう(ファンになってもらう)ことを目指しました。

ほかにも「赤裸々なリフォーム」のコンセプトに沿ったコンテンツを多数制作しています。

ブランディングの一環として制作するサイトとは、どういうものなのか。詳しく知りたい方はぜひ、アドカラーズのサイトを覗いてみてください。【サイト】アドカラーズ合同会社

冨岡社長「トゥモローゲートらしくないサイトですね」

サイトのデザインを冨岡社長にお見せしたとき、「トゥモローゲートらしくないサイトですね」という感想をいただきました。期待に応えることができなかった。と、悔しい思いが込み上げそうになりましたが、真意は違ってホッとしたとプロジェクトメンバーは声を揃えます。

「今までにない、尖ったクリエイティブをつくる」というスタンスを、僕たちはとても大事にしています。しかしそれは、「お客様の課題解決につながる」「お客様らしさが表現できる」という前提があってこそ。

アドカラーズの課題やアドカラーズらしさを落とし込んだ上で、尖ったサイトを制作した。

すると、弊社の実績にはあまりないタイプに仕上がった。だからこそ冨岡社長は「トゥモローゲートらしくない」とおっしゃったのだと思います。

【最後に】

ブランディングは何かをつくって終わりではありません。これからも、アドカラーズがさらなる発展を遂げられるよう、弊社一同尽力していきたいと思います。あらためて、今回はブログの配信をご了承いただきありがとうございました。「脱いでください」なんて無茶なお願い、すみません。そして、本当にありがとうございました。

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