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採用ブランディングの成功事例7選|学生人気の高い企業の採用戦略を紹介

そもそも採用ブランディングとは?

採用ブランディングの前に「ブランディングとは何か?」というところから。僕たちトゥモローゲートは「ブランド=約束」と定義しています。約束の相手が企業であれば企業ブランディング、社員であればインナーブランディング、そして、求職者であれば採用ブランディングです。

魅せかけだけのPRではなく、働く人にとって魅力的な会社づくりをし、それを発信することで実態の伴ったイメージを持ってもらい、入社→活躍までの流れをつくるのが採用ブランディングです。イメージと実態を一致させることで、企業側と求職者側でwin-winな採用を目指していきます。

今回はそんな採用ブランディングについて、学生人気の高い企業の考え方や取り組みを紹介したいと思います。人気企業なんだから何もしなくても人は集まるでしょと思ったら大間違い。参考にしたい取り組みがたくさん見つかったので、ぜひ最後までご覧ください。

採用ブランディングの成功事例①伊藤忠商事「採用のゴールは『入社』ではなく『入社後の活躍』」

日本を代表する総合商社の伊藤忠商事。1858年に大阪で創業され、日本の経済発展と共に成長を遂げてきた、押しも押されぬ大企業です。「就職ブランドランキング」で4年連続1位に輝くなど学生からの人気も国内トップクラス。

事業の対象は資源エネルギー、機械、化学品、食品など、生活に欠かせないものからインフラを支えるものまで、多角的に手がけられています。世界各地に拠点があり、国際貿易や事業開発で世界経済にも貢献しています。

そんな企業が採用に困ることなんてあるのか?と思ってしまいますが、調べてみると「学生が抱くイメージと実態のギャップ」に課題を感じていたことがわかってきました。総合商社という業界特性上、「体育会系」「文系男子」というイメージが根強くあったそうです。

実際はもっと多様な人材が活躍しているため、イメージの転換を図りました。その施策の1つが「属性の違う学生が集まる外部イベントへの出展」です。イメージとは真逆の「理系女子」など、属性別のイベントにあえて出展することで、イメージの転換を図っています。参加人数は限られていますが、イベントをきっかけに口コミが広がっていけば「伊藤忠商事=体育会系文系男子」というイメージを少しずつ緩和できるのではないかという狙いがあるそう。

もう1つ、伊藤忠商事の採用ブランディングの取り組みとして特徴的なのは、「同じ属性の先輩とコミュニケーションを積極的にとるインターンシッププラグラム」です。インターンシップに参加する学生の中には「自分のような人間が本当に活躍できるのか?」という悩みを抱いている人が多いそう。その悩みを緩和するために、学歴やスキルなど、属性の近い先輩社員との対談の時間を、インターンシップのプログラムに盛り込んでいます。

他にも「企業の弱みをはじめとするネガティブ情報」もしっかり伝えるなど、独自の方針を採用活動に盛り込んでいます。これは、一見不利になると思われるかもれませんが、採用活動のゴールを「入社」ではなく「入社後の活躍」においているため、辞退率が高まったとしてもマッチした学生を獲得した方がいいという方針だそうです。

参考:https://www.worksreview.jp/recruitment-activity/20230913-01

採用ブランディングの成功事例②メルカリ「ミスマッチを防ぐオウンドメディア運用」

メルカリは2013年に日本で設立され、2018年に東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)に上場した、フリマアプリ『メルカリ』を運営する会社です。日本におけるオンラインC2C(Consumer to Consumer)市場のリーディングカンパニー的な存在で、日本のみならず世界にも進出しています。

メルカリの採用ブランディング戦略として有名なのは、「入社後のミスマッチ」をなくすために運営している『mercan(メルカン)』というオウンドメディアの存在です。採用ブランディングの推進をミッションに発足した『People Branding(ピープルブランディング)』という社内チームが運営を担っています。

『mercan(メルカン)』のコンセプトは「メルカリの『人』を伝える」。ミッションは「組織の透明性を高める」。

「メルカリで働いている人って、こういう人だよね」と共通のイメージを抱いてもらうことを目指しています。そのためサービスについてや実績についてではなく、「働く人」に徹底的にフォーカスし、記事を配信。メルカンきっかけでの求人応募や入社も数多く、採用を目的としたオウンドメディア運営の代表的な成功事例となっています。

オウンドメディア運営自体も特徴的ですが、運営する組織体制も特徴的です。

採用ブランディングを担う「People Branding」チームは、新卒、中途、グローバル採用、人員計画、総務など複数のチームから構成される「People&Culture」という部署に所属しています。オウンドメディア運営だけでなく、イベント運営やコミュニティづくりなど、採用にまつわるさまざまな企画・運営を担っているんです。

驚異的なスピードで成長する事業を支えるには、採用をはじめとする人員確保や組織形成も猛スピードで進めなければならないと思います。メルカリは、事業の成長スピードについていける組織づくりにも力を入れているからこそ、順調にその影響力を拡大しているのではないかと思います。

参考:https://mercan.mercari.com/articles/2018-10-17-120942/
   https://www.dodadsj.com/content/190226_mercan/
   https://blog.reccoo.com/posts/article622#index_5Z0jOhBF

採用ブランディングの成功事例③日本マクドナルド「ハンバーガー大学」

1971年、藤田田氏により設立された日本マクドナルド。

アメリカのマクドナルドとのフランチャイズ契約を結んだことを起点に日本でも一気に拡大し、ファストフードの王者として今なお君臨しています。ドライブスルー、朝マック、モバイルオーダーなど、ユーザー視点を取り入れた革新的な施策で多くのファンを獲得してきました。

そんな日本マクドナルドには約2,500人の社員と19万人以上ものアルバイトスタッフが所属しています。巨大組織はどのような採用戦略を実施しているのか調べてみると、行き着いたのは「EVP」というキーワードでした。

EVPとはEmployee Value Propositionの略で、和訳すると「企業が従業員へ提供できる価値」。従来は「従業員が企業へどのような価値を提供できるか」を中心とした採用戦略が主流でしたが、日本マクドナルドはその逆で、「企業が従業員へどのような価値を提供できるか」を軸に据えています。さまざまな施策を行なっています。

代表的な取り組みが「ハンバーガー大学」です。

「ハンバーガー大学」とは、全世界のマクドナルドが共通で行う独自の教育制度。生涯活躍するための「リーダーシップ」「チームビルディング」「マネジメント」を中心に学ぶ研修で、常に変化するビジネス環境やお客様のニーズに対する「対応力」を磨き、一流のビジネスパーソンを育成することが目的です。

最新の教育理論に基づいたカリキュラムで、座学だけでなく体験型のアクティビティやディスカッションを通して考えを共有しあい、学びあいながら、ビジネスパーソンとして生き抜く力を育んでいくそう。

それ採用戦略ではなく人事戦略では?と感じた人もいるかもしれません。しかしこれも立派な「採用戦略」だと思います。伊藤忠商事の事例でも紹介しましたが、採用のゴールは「入社」ではなく「入社後の活躍」。と考えた場合、入社後に行う研修も採用戦略と言えるのではないでしょうか。

採用ブランディングの話をすると、ホームページや映像で自社の魅力を「どう見せるか」だけにフォーカスされがちですが、入社後の実態を強化・整備するために行う取り組みも、採用ブランディングのうちの一つです。世界的な大企業は、これを当然のように行なっているということがわかった事例です。

・参考:https://thanks-gift.net/column/engagement/evpemployee-value-proposition/
    https://www.mcdonalds.co.jp/sustainability/people/hamburger_university/

採用ブランディングの成功事例④サイバーエージェント「採用市場を徹底リサーチ」

1998年に藤田晋氏が創業したサイバーエージェント。

日本のIT業界やエンターテイメント業界をけん引する、もはや説明不要の企業ですね。インターネット広告、メディア、エンタメ事業など、ITを軸に多岐にわたる事業を展開しています。就活生人気も高いサイバーエージェントはどのような採用ブランディングを行っているのか。

調べて見えてきたキーワードは「リサーチ」です。

採用市場でサイバーエージェントはどのように見られているのか?就活生から見た自社の印象を、リサーチ会社と連携しながら大規模に調査。客観的・多角的な視点で自社を分析することで、「定量的な数値結果」と「具体的な声」を拾い、より効果的な採用ブランディングを実施しているそうです。

また内定者に対して「どの企業と悩んでいたのか」をヒアリングをすることで、採用における競合他社を洗い出しています。特に名前があがった企業を選抜し、強みや弱み、印象値の違いなどを解析。その結果から汲み取れる真実を考察し、採用戦略に落とし込んでいるそうです。

得たデータを基に、採用広告、説明会、選考フローなどを構築することで、よりターゲットの興味を惹き、共感を得られる採用戦略が成立します。「自社の魅力をどう伝えるか?」に目が行きがちですが、「自社はどう見られているのか?」にもフォーカスすることも、ミスマッチのない採用に必要だということがわかる事例です。

現にサイバーエージェントは多くの学生が「20代で成長できる環境がある」というイメージを抱いていることがわかったため、「十分伝わっているから、もうそこまで全面に打ち出さなくてもいい」と判断して他の魅力を打ち出すなど、リサーチで得たデータを採用戦略に存分に落とし込んでいます。

参考記事: https://blog.reccoo.com/case/case581

採用ブランディングの成功事例⑤エイベックス「泥臭い面もしっかり伝える」

お次も日本のエンタメ業界をけん引する企業の事例です。

エイベックス株式会社は1988年に松浦勝人氏が創業し、「音楽」を中心に日本のエンタメシーンを盛り上げてきました。輸入レコードの卸売販売事業からスタートした同社ですが、今ではデジタルエンターテイメント事業、ライブエンターテイメント事業など、多角的な事業を展開しています。

多角的な事業を展開しているからこその採用ブランディング戦略が特徴的です。

それは、特定のスキルや職種適性よりも「社風にマッチするか」「エンタメ業界・エイベックスという会社で働く理由が、本人のなかで腹落ちしているか」などを重視する選考基準。打ち出している採用メッセージもその基準に沿っている、「モテる人・うごく人・つよい人」というものです。

「モテる人」とは、一緒に仕事をしていて気持ちがいいとか、またこの人に仕事をお願いしたいと思われる人のこと。「うごく人」とは、変化が大きい業界で変化をポジティブに捉え、自発的に動ける人のこと。社風に沿った打ち出しをすることで、入社後のミスマッチ防止を狙っているそうです。3つ目の「つよい人」は特に注目。

業界のイメージ上どうしてもキラキラした面が見えやすいため、「何か楽しそう」「華やかな仕事ができそう」という第一印象を持つ学生さんが多いんだそう。しかし、実際の仕事は当然ながら地道なことや泥臭いことのほうが多い。そのギャップを埋めるため、あえて「つよい人」というワードを発信しています。

ヒット作やムーブメントを作るためには、考え抜く力や行動を貫く力が求められます。実現するためにはさまざまな障壁を突破する必要もあります。キラキラした面だけでなく、ある意味ドロドロした面もしっかりとターゲットに訴求することで、長期にわたって活躍してもらえる確率を高めているというわけですね。

採用ブランディングの成功事例⑥集英社「仕事の面白さをダイレクトに発信」

「週刊少年ジャンプ」「週刊ヤングジャンプ」「りぼん」「マーガレット」など、多数の人気雑誌を出版する集英社。漫画だけでなく小説、実用書、児童書など幅広いジャンルの書籍も出版されており、最近では電子書籍にウェブコミックと、デジタルメディアへの展開にも成功されています。

そんな集英社の採用ブランディング戦略として特徴的なのは、なんといっても、自社が手がけるコンテンツやそれに携わる仕事の魅力をストレートに発信している点です。

「2025年定期採用」と題された採用サイトは、「推しの子」担当編集者のインタビューや、「メンズノンノ」のトレンド牽引力にフォーカスしたインタビュー、さらには「週刊プレイボーイ」編集部の仕事紹介など、あのコンテンツに携われるんだ!と強烈にワクワクできる内容ばかり。

集英社ほどわかりやすく魅力的なコンテンツや仕事内容を持つ会社は、その魅力をダイレクトに発信することが有効な戦略にありうることがわかる事例です。

採用ブランディングの定義の1つに「ミスマッチを防ぐこと」がありますが、その点でも「やりたい仕事」と「できる仕事」のイメージがつきやすい集英社は、採用の成果が上げやすいのではないかと思います。

参考:https://www.shueisha.co.jp/saiyo/

採用ブランディングの成功事例⑦トゥモローゲート「経営理念を軸とした採用戦略」

最後に僕たちトゥモローゲートの取り組みをご紹介します。名だたる企業と比べると、規模も知名度もまだまだな会社ですが、採用ブランディングに関しては自社・他社ともに多くの実績を残してきた自負はあります。ここでは自社における採用ブランディング事例をお伝えしたいと思います。

トゥモローゲートが初めて新卒採用に力を入れたのは2014年でした。「ようこそ、ブラックな企業へ。」というキャッチコピーを軸に採用ブランディングを展開すると、社員3名にもかかわらず7000名ほどのエントリーを集めることができました。

そこで母集団形成のノウハウを得ると、次は採用のミスマッチ防止(=長く活躍してもらえる会社づくり)にも注力。ビジョンやミッションやバリューや中期ビジョン、それらの達成要件や基準まで明文化しました。

【ブログ】経営理念とは何なのか?“会社を変える”理念の作り方やメリットを事例付きで解説

明文化した経営理念に沿って採用戦略を構築し、実行。すると、

すると、より濃い興味を持ってくれている人や、同じ視座で仕事に取り組んでくれる人と出会える確率が飛躍的に高まりました。入社後も経営理念に沿ったコミュニケーションや評価基準、判断基準を活用することで、低い離職率や高いエンゲージメントを実現。そのノウハウをたくさんのお客様にご提供しています。

【サービス】トゥモローゲートの採用ブランディングについて詳しく知る

採用ブランディングの成功事例を分析してみて

急成長している会社や、長くトップランナーとして君臨している会社は、採用への取り組みや熱量も圧倒的だということが見えてきました。だからこそ人が集まるし、成長できるとも言えるのかもしれません。

今回の記事を読んで、採用ブランディングに挑戦してみたいと思った方がいれば、ぜひトゥモローゲートにご相談ください。貴社の採用を変え、会社をさらによくするご提案をさせていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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