「それじゃいい会社とは言えない」と言われたことが悔しくて新サービスをつくりました

突然ですが、経営者のみなさんに聞いてみたいことがある。「自分の悔しかった原体験が新たなサービスを創りだした経験はないだろうか?」という質問だ。

僕は大学4回生の時に就活がきっかけで起業しようと決めた。泣いても笑っても人生は一度きり。「好きなことを、好きなやつと、好きなようにやりたい。」言葉は悪いが、当時の起業の理由なんて本当にこれくらいのものだった。もちろんそんな起業家ばかりではないこともわかっている。ただ自分はそうだったという話である。

世の中のためとか、誰かのためとか、当時の未熟な自分にあるはずもなく、「研修できる?」と言われたら「できます!」と答え、「面接官やれる?」と聞かれたら「やれます!」と答えていた。お客さんから言われたことはなんでもやる、まさに何でも屋からのスタートだ。

目の前のことをこなしていくだけで手いっぱいの毎日。それでも、ここまで自分たちのできることを少しずつ少しずつ拡げながら事業を拡大してきた。そんな僕たちが、2024年の6月に世の中の企業課題に一石を投じたいとの想いで新たなサービスを世にリリースすることにした。

想いの宿る新サービスが生まれた原動力、
それが「悔しさ」だ。

新規事業を立ち上げたいという会社は多いと思う。今回は社員数50名にも満たない小さな中小企業が、なぜどのように新サービスを立ち上げたのかという経緯をまとめてみようと思う。

新サービス立ち上げまでの悔しかった原体験

僕のビジネス人生は、新卒で人材コンサルティング会社に入社し、コンサルタントとして1社1社の採用課題に向き合うという仕事から始まった。27歳で会社を退職し独立するわけだが、その後も前職時代のからの流れで、顧客の経営課題を解決するために、ブランドクリエイティブという領域で属人的なビジネスモデルを展開してきた。

顧客の悩みを聞きながら、二人三脚で解決に結びつけていくという人のスキルや経験に依存する仕事は面白かった。直接的に成果や感謝を目の当たりにできることにやりがいもあった。一方で、自分たちの事業の在り方には常に課題も感じていた。

「自分たちが時間的に対応できる範囲でしか価値提供ができない」
「人に依存するビジネスだけでは生産性の向上に限界がある」

より多くの企業や人の背中を押す存在であるためには、今のサービスだけでは範囲が狭いと感じていたし、他社と差別化された自分たちらしいオモシロイ会社を創るためには、さらに生産性を高めてワクワクに投資できる経営体制が必要であることは言うまでもなかった。

10年前に失敗した初めての新規事業開発

知らない人も多いと思うが、実はトゥモローゲートは2014年に一度新規事業の開発に着手をしている。創業から4年目、社員わずか3人の頃だ。今でもクリエイティブ部門の役員として活躍してくれている池田を採用したタイミングで、デザイン制作の受託事業が軌道に乗りはじめた直後のことだった。

今もそうだが、企業が欲しい人材を採用する時の選択肢としての筆頭に挙がるのは求人広告や人材紹介である。広告予算を潤沢に使える会社には「いい人材」が集まり、そうでない会社は採用に苦戦する。サービスとして事業を展開する以上、投資の多い企業にリターンが集まるという構図は当たり前のことであるが、求職者視点からするとそこが大きな課題であり伸びしろだと感じた。

広告投資が多いか少ないかよりも、「いい会社」に「いい人材」が集まる仕組みのほうがさらに価値があるように感じたわけだ。この想いを実現する新たな採用媒体を開発しよう、初の新規事業開発へ着手することになるのだが、結果はものの半年ほどで中断することになる。実績も技術もないわずか社員3名の会社に、新規事業を開発し続けるだけの資金的な余裕も、プロジェクトをまとめるだけの技量もあるはずがなかったのだ。

それじゃ「いい会社」なんて言えるわけないよ

自社サービス開発に失敗してから6年後の2020年。ブランディング事業が軌道に乗りはじめ、社員数が30名ほどまでに増えてきたころに、もう一度新規事業機開発に取り組むチャンスが巡ってきた。

ある有名な起業家がこれから社会に大きなインパクトを残す社会貢献性の高い事業に、ファンドを立ち上げ数十億円規模で出資をするというものだった。資金面はもちろん、発案してくれた経営者の知名度や事業成果の実績など、そのすべてが魅力的だった。「過去に力不足で悔しい想いをした新規事業を動かすチャンスだ」、そう直感した僕はすぐに応募することを決めた。

社員たちの知恵と力を借りながらなんとか書類選考を通過し、最終選考まで進むことができた。選考会場ではメディアでしか見たことがない有名な起業家に「いい会社」に「いい人材」が集まるサービスをプレゼンさせてもらった。詳細は割愛するが、簡単に言うと「クチコミサイトと求人サイトを組み合わせた採用マッチングサービス」だった。

その時にもらったフィードバックが、
「クチコミなんかでいい会社なんて言えるわけないよ」である。

当時のクチコミサイトの主な書き込みは、既存社員ではなく退職した社員だった。辞めた社員を中心に書かれた会社の評価にどれだけの信ぴょう性があるのか?ということを問われたのである。当時の僕はそこに明確な答えを提示することができずに、結果出資の話はそこで立ち消えとなった。明確な答えを持てなかった自分自身がとても悔しかった。

悔しい、から生まれた「B-SCORE(ビースコア)」

プレゼンを終えて会社に戻ってからすぐに役員ミーティングを実施した。出資には至らなかったが、せっかく得られた貴重な体験だ。ここで学んだものを生かさないのはもったいない。僕たちはすぐに「いい会社」とは何かを定義することに取り組んだ。

難しかったのが、「いい会社」の定義というのは人によって異なるという点だ。ある人からすると、仕事が大変でもやりがいのある職場を求める人もいれば、定時に終わり仕事もプライベートも充実させられる会社をいい会社と呼ぶ人もいるだろう。

同じ頃、トゥモローゲートでも自社の実態を知るために、社員満足度調査や社員適正テストなど社員が感じる「会社の今」を把握することに取り組んでいた。それらのサーベイやテストは、「社員が求めるもの」に対して「企業が提供しているもの」の差分を数値化するというものがほとんどだった。

社員が無記名で答えているものなので、その結果は会社の現状を把握するのにとても適していた。なんとなく肌で感じていた社員の声を、数値として吸い上げることができることは、とても意味のあるものだった。一方で、「もっとこんな会社でありたいな」という想いも強くなったのも事実だった。

社員が求めることを満たすだけがいい会社じゃない。
会社のビジョンと社員のビジョンがリンクし、
ビジョンに向かった経営判断を体現している会社こそいい会社ではないか?

この視点から生まれたのが、トゥモローゲートの定義する「いい会社」であり、明確な経営理念があり、そこに社員たちが共感し、会社としてどれだけ理念に向けたアクションができているかを数値化するサービス「B-SCORE」の誕生である。

悔しさから生まれたB-SCORE(ビースコア)

B-SCOREは、一言で伝えると「ビジョンに向かったアクション」を数値化するサービスである。

トゥモローゲートが定義するブランドとは、「顧客や求職者、社員を中心とした自社のステークホルダーにどんな価値を約束するのか?」であり、期待されている価値を約束し続けること、信頼という名の体験を積み重ねることがファンを創り、ブランドになるという考え方である。

<詳しくはこちらのブログにまとめてます>
ブランディングとは?中小企業がすぐやるべきブランドづくりのやり方

もちろん、この経営理念には、誰かに迷惑をかけず、世の中に前向きな価値を生み出す、という前提の上で成立するものだ。目的が明確であり、その目的を社員と共有し、目的に沿った手段を実行できる組織は面白いし強い。

この考えのもと、ビジョンに向かった組織づくりを体現している会社のスコアが高くなるというサービスだ。

どんなことができるサービスなの?

B-SCOREは、社員に対して101項目の設問に回答してもらうことで、顧客や求職者、社員とのブランド力(信頼や絆)を数値化するサービスである。一般的な社員満足度調査やエンゲージメントサーベイと異なり、まずは会社の方針を、マスター設定者(通常は会社代表者や経営陣など)がB-SCOREの設問に回答する形で設定する。


企業気質は柔軟か?厳格か?
成果に必要なアクションは量か?質か?
求める人材はスペシャリストか?ゼネラリストか?

正しい正しくないではなく、会社として「どう在りたいか」をマスター設定者が定めることで、会社の理念と社員の価値観の差分も含めて計測していく。社員が回答する101項目には、企業の実態や顧客との関係性、採用応募者の数や辞退や退職の状況など、あらゆる角度から企業の実態を知るための質問に答えてもらう。

従来の「社員が求めるもの」に「会社が応える」という状態ではスコアが伸びず、そこに「経営理念」という一軸が加わることで、ビジョンに向かうアクションであるかどうかを判定していく仕組みとなっている。

費用はどのくらいかかるの?

B-SCOREの費用感についてだが、現時点では、

①トライアルプラン(無料プラン)
②スタンダードプラン(有料プラン)

の2つのプランが存在する。初めて利用する企業でも費用をかけることなく無料でお試しできるのがトライアルプランである。一部に機能の制限はあるが、企業単位で一度だけお試しでサーベイを受験することができる。

有料のスタンダードプランは、社員数によって月の利用金額が決定する月額課金プランとなる。

社員数9名までならスタートアッププランとして月額555円で利用が可能となり、社員数が50名の企業であれば、30名~99名枠での利用となり、月額6万円で利用することが可能だ。(1名当たりの費用ではなく組織単位での月額費用)

現在のベータ版では開発途中のお試し利用となり、本来有料のスタンダードプランを無料で利用することが可能となっている。会社のブランド力を計測してみたいという企業は今のタイミングでぜひ一度試してみて欲しい。

B-SCOREベータ版(無料)の利用はこちらから

悔しさを知るために、挑戦して失敗しよう。

ここまで新サービスが生まれるまでの過程や実現したいことについてまとめてきた。

ここまでの経緯を伝えることで、僕たちのサービスについても知って欲しかったし、新サービスが生まれるまでの過程が、これから新規事業を立ち上げようとする企業に少しでも参考になることがあれば嬉しい。

僕たちの新サービス誕生のきっかけは、
「悔しさ」だった。

振り返れば、この悔しさは挑戦から生まれたものだし、もっと言えば挑戦して失敗したことで生まれたものだ。これは新規事業の立ち上げに限らず、企業の成長や人の成長などにも当てはまるものではないだろうか。

ビジョンに向かう組織が増えればもっとビジネスは面白くなる。B-SCOREはこれからも挑戦と失敗、沢山の悔しさを経験しながら、より良いサービスに向けて変化していきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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