毎日が押し潰されそうな「コピーライター」とかいう仕事。


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はじめに

「自分、明日までに100本行けます!!書かせてください!!」

世の中には「働き方改革」なんてどこ吹く風、というような人間がいる。

トゥモローゲートという会社で、コピーライターとして働く僕も例に漏れずその通りだ。

深夜。誰もいないオフィスで、100枚のA4用紙を前にウンウン唸る。

誰に言われたわけでもなく、納得できる言葉を書き上げるためだ。

明日までに100本のコピーを提出する。自分への取り決めを、入社してから何度しただろうか。

昼間の威勢の割に、僕の頭はとっくのとうにショートしていた。

今、うつろな目でぶつぶつ呟きながらオフィス内を歩き回る姿を誰かに見られたら、何かが憑依しているんだろう、と誤解されてもおかしくない。

というか、コピーライターになって2年半。僕はすっかり、この仕事に取り憑かれてしまっていた。

どうも。小川サトキです。

学生時代は散々社会を舐め散らかし、どこにも内定をもらえず就職留年。

計2年で60社に落ち、命からがらWEB広告会社に就職するも、営業職に嫌気が差し、10ヶ月で「未経験コピーライター」として奇跡的に転職成功。

計画性もへったくれもない人生を過ごしてきたけれど、最終的に、留年してでもなりたかった仕事に就けたのはかなりの幸運だったように思う。(この辺りは全て僕の過去記事で解説しています)

ただ。

「コピーライター」という仕事の本当に辛いところも、コピーライターにならないと気づけなかった。

とりわけ、「ベンチャー企業のコピーライター」という身分には辛いところが山ほどあります。

あれだけ「コピーライターになりたい」と願っていた自分が、何故こんなにヒイヒイ辛い思いをしているのか。

コピーライター志望の方や、コピーライターの同志に伝えたいと思います。

コピーライターのここが辛いよ

辛い点① コピーが「好き」という呪い

コピーライターという仕事は不思議です。

多分、「自分の仕事が好きか?」と聞かれて「はい」と答える人の割合は、全職業の中でもかなり高いランクに位置すると思います。(小川調べ)

それは、コピーライターが「なりづらい」仕事だから。

コピーライターになるには、新卒で広告代理店に内定をもらって数少ない枠を同期と奪い合うか、コピーライター養成講座なんかに通ってから広告制作会社に入り、少しずつ実績を積んでいくかのどちらかがほとんど。

つまり、本気で「コピーが好きだ!」「コピーライターになりたい!」と願いつづけなければ、なかなかなれない仕事なのではないか、と思います(例外アリ)。

だからこそ、どれだけ自分の時間を削ってでも「好きだから」やれてしまう。

そんな楽しい地獄がこの職業には待っているわけです。

冒頭の僕もそう。

誰にも頼まれていないけれど、自分が「書けた」と本気で思うまで何本でも書き続ける。

一案件あたり100本のコピーを書くことはザラ。

「ここの紙束になければ正解はないですね」なんて自信を持って言えるまで、あらゆる可能性を検証する。

そんな「好き」というプレッシャーに悩まされる仕事が、コピーライターなんだと思います。

辛い点② プロジェクトを背負うプレッシャー

コピーライターが背負うプレッシャーはそれ以外にも。

今僕は、企業の活動方針を1行の言葉にする「コンセプト」を書いたり、クライアントの哲学である「ミッション・ビジョン・バリュー」の言語化をしたりしています。

ただ、どんな案件をやるにしても、一つの案件にアサインされるコピーライターは基本的に一人。

つまり、自分が「これだ!」と思えるコピーをお客様への提案日までに出さなければ、その時点でゲームオーバーなわけなのです。

特に「コンセプト」となるコピーは、その後のホームページのデザインや「サイトにどんなコンテンツを載せるのか?」を決める上での全ての軸となる言葉。

その言葉がパッとしなければ、サイト自体もパッとしないものになるし、デザイナーたちの「いいもの作ろう欲」にも影響するわけで(リアルな話)。

「仕方ないからこれで行こう」なんて妥協は絶対に許されないんですね。

コピーの社内提出一発目で「全然方向性違うよね」、二発目で「まだしっくり来ないよね」なんて言われたら、もう迷宮入りです。目の前が真っ暗です。

「言葉を扱う」ということは、「すべてのスタートを担う」ということなのだ、とコピーライターになってから気づきました。

辛い点③ 「賞」があるというプレッシャー

コピーライターには、「TCC(東京コピーライターズクラブ)」や「OCC(大阪コピーライターズクラブ)」みたいに、自分の仕事が同業者に評価される「賞」が存在します。

この賞は、基本的に「コピーライター」を名乗る人間であれば誰でもエントリーできるもの。

つまり、僕のようなベンチャー企業の一社員が、往年の名コピーライターから大手広告代理店の同期までごっちゃになって、肩を並べて競い合えるわけです。

これは大いなる刺激であると同時に、相当なプレッシャーです。

というのも、もし同世代に置いていかれると、その瞬間にそれを肌で感じてしまうから。

今は必死に競っているつもりでも、1年後はどうでしょうか。

2年後は、どんどん同世代が受賞してしまうんじゃないか。

結果が出る、ということは、楽しくて、それでいて残酷です。

この楽しさが、焦りになって、諦めに変わったとしたら。それ以上に怖いことはないと、当事者になってこそ思うのです。

辛い点④ ぶっちゃけ何してるの?と聞かれる

コピーライターという仕事は、ここまでプレッシャーと闘いながらも、「実際何してんの?」と思われてしまうことが往往にしてあります。

なんとなく「言葉に強い人」と思われているからこそ、社内では「〇〇に似たニュアンスの単語を教えて」みたいなChatGPT的質問をされたり、「この文章の見出しのアイデア、パッと出して」なんて軽く言われたり。

ふらっと参加した飲み会では「俺にあだ名つけてよ!」と言われたり、「このチューハイのキャッチコピー考えてよ(笑)」とか無茶振りされたり。

職場においてはともかく、飲み会に関しては「ほないくらでやりましょか?」と僕の心の中で銭ゲバが顔を出しはじめるわけです。

一方で、動画の企画やCMのセリフ、社名のネーミングといった「これ、本当はコピーライターの仕事なんだけどな…」という案件は立候補しないと回ってこなかったりします。

正直、僕自身はコピーライターという肩書きに憧れてはいたけど、いざなってみると「横文字のわけわからん仕事」みたいに思われてるな、と感じることも少なくはありません。

結局、「コピーライターは何が得意なのか?」なんてことは自分でアピールしなければならないし、そうしないと自分のしたい仕事は一生回ってこないのが辛いところですね。

楽しい点

…と、ここまでコピーライターの辛い点を話してきたけれど、しみったれた記事が書きたいわけじゃないんです。

「コピーライター」には、その仕事に取り憑かれるだけの魅力があるわけで。

ぼんやり「コピーライターになりたい」と思っているうちは気づけなかった、当事者だからこそ感じるコピーライターという仕事の魅力をお伝えします。

楽しい点① 言葉で世界を先にぶっ壊せる

もしこの世に新しいものを生みだすとき。

最初にその理想を描くのは、いつだって言葉です。

それは、僕が今やっている仕事も同じ。

「こういう企業になりたい」「こういう製品を作りたい」

クライアントが描く、そんなぼんやりとした未来を、1行の言葉で指し示すのがコピーライターの役割です。

この仕事に就くまで、コピーライターは「言葉が書ける仕事」だと思っていましたが、実際はそうではありません。

コピーライターは、ただ言葉遊びが上手なだけの人間ではない。

戦略を組み立て、今までにない世界を描いて、人々の心を動かす。

現実より一足先に、言葉で世界を塗り替える。

そんな最高の仕事がコピーライターなんだ、とこの仕事に就いてようやく思いました。

楽しい点②お客さんを泣かせる仕事ができる

僕の好きなコピーに、旭化成の「昨日まで世界になかったものを」というものがあります。

表現としても秀逸ですが、本当に心惹かれるのはそのコピーにまつわるエピソード。

そのコピーが発表された際、涙を流した女性社員がいたそうです。

きっとその社員は、辛い瞬間も楽しい瞬間も何とか乗り越えながら毎日働く中で、「自分は何の仕事をしているのか」を改めて深く実感したんだと思います。

自分の書いた言葉がきっかけで、人の心を動かし、前を向いてもらえる。

これほど幸せな仕事が他にあるでしょうか。

僕自身も、あるお客様のコピーを考えてプレゼンに挑んだ際、代表の方に涙を流していただいたことがあります。

先輩と練り上げた渾身の文章で、「お客様を泣かせるような言葉が書きたい」という大学時代からの自分の夢が叶った瞬間でもありました。

他にも、自分の書いたコピーがコーポレートスローガンとして採用され、今では社内で「合言葉」として浸透していると聞きます。

社内の戦略企画部(営業)から「あの言葉、気に入ってもらってるよ」と言われるたびに、結構嬉しかったりするんです。

楽しい点③居酒屋で「コピーライター」と名乗るのをやめられない

これは、苦労してコピーライターになった人の「あるある」かもしれません。

正直、「コピーライターです」と自己紹介する時の響きが良すぎる。

というか、「コピーライターです」と名乗るだけで、飲み屋で多少なりとも興味を持ってもらえるのは、ちょっとしたアドバンテージだと思っています。

「実績もないのに職業だけアピールするのはダサい」とは自覚してます。やめてください、そんなこと言うの。わかってますから。

でも、新しい人と知り合えるのはやはり「肩書きの持つ力」だと感じます。

「コピーライターやってます」というだけで、「俺の友達がそういう人探してたから紹介するよ!」とか結構言われたりします。

だから、僕がアメ村の居酒屋で「コピーライターやってるんすよ(笑)」とか言ってても生暖かい目で見てやってください。

最後に

どうですか?コピーライター。やりたくなりましたか?

これを読んでやりたくなった人はけっこうドMだと思うので、才能あると思っています。

そして、ここまで色々書いてきましたが…僕はコピーライターという職業を愛しています。

色々な仕事を知れるのも好きだし、色々な人と話せるのも好きです。

まあ、なんか、「ようやくコピーライターになれたぞ!」と思った瞬間「AIに置き換えられる職業」の筆頭候補みたいになってますが、それでも人間にやれることがあるうちは、泥臭く頑張っていきたいです。

そして、トゥモローゲートでは未経験からでもコピーライターを募集しています!!

なぜか、普通の企業だと異様に門戸の狭い「コピーライター」職。

もし興味があったら挑戦してみませんか??

そして、一緒に働けることになった暁には、アメ村の居酒屋でドヤ顔しながら「コピーライター」の名刺をバラまきませんか??

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