
企業のリニューアルやリブランディングを任されると、最初に迷うのは「どこに頼むか」ですよね。制作会社か、ブランディング会社か。
よく分別されることもありますが、“ブランディング=上流で高価・高尚”、“制作=ビジュアルがメイン・安価”という考えは、正直なところ実態に伴っていない面があります。ここから学べるのは、優劣ではなく「目的の違い」ということです。
想いや信念をまとめ言語化する力と、形にして運用まで進める力。どちらも必要で、どちらを優先的に考えるのかは「いまの自社の状態」で決めるのがいちばん早い。
これが、トゥモローゲートで私たちが辿り着いた答えです。
正直に言うと、私たちも昔は迷いました。土台から言葉を整えるブランディングの力も、ビジュアルを整え表現するデザインの力も、どちらも必要だからです。
たどり着いた結論はシンプル。優劣ではなく「目的」と「着手の順番」です。
<この記事で理解できること>
・役割の違い(ブランディング=意思統一と基盤設計/制作=ビジュアル表現と運用)
・どちらを先に依頼するかの判断基準
・依頼後に発注担当者がやるべき最小アクション
制作会社とブランディング会社の役割
両者は優劣ではなく“重心”が違います。
ブランディングは「何を・誰に・どんな言葉で」を固める役割。デザイン制作はその固めた意思や約束を“体験”と“運用”にアウトプットする役割。この二つの違いがわかるといまのフェーズに合わせた選択が可能です。どちらか一方だけを過信すると、手戻りが増えやすいことにもなり得ます。
ブランディング会社
理念・強み・約束を言語化し、社内外の合意を作る専門家。
制作会社
レイアウト・導線・実装・デザインシステムまで束ね、印象と使いやすさを作る専門家。
① ブランディング会社の特徴|理念から一貫して形にするパートナー
「価格以外の理由で選ばれたい」「社内の言葉がバラバラ」。そんなモヤモヤは、デザインだけでは紐解きにくい。遠回りに見えても、先に“言葉の合意・約束”を作ると、その後は静かに速く進む、これがブランディングの実感です。トゥモローゲートでは、その合意を「A3一枚の“ビジョンマップ”」にまとめ、横展開の土台にします。作り方やメリットは他の記事でも詳しく公開されています。
ブランディング会社を選ぶメリット
・目的・ターゲット・約束・トーン・やらないことまで言語化(合意が基準になる)
・設計 → 言葉 → デザインまで一貫性が担保され、点施策が線でつながる
・採用・広報・営業の横串効果が出て、中長期の成果につながる
よくある課題
・応募は来るが定着しない/ミスマッチが多い
・競合が増え、差別化の理由が曖昧
・部署ごとにメッセージがズレ、決裁に時間がかかる
・価格以外の理由で選ばれたい

② 制作会社の特徴|ビジュアル表現と運用に強いパートナー
「まず動かしたい」「形にして反応を見たい」。そんな場面で頼れるのが制作会社です。良いデザインは“キレイ”だけではなく、読める・伝わる・更新しやすいを満たし、短期の指標(CVR・滞在・直帰)に直結します。採用なら、社員紹介ページや応募導線の作り込みが特に効きます。
制作会社を選ぶメリット
・印象・可読性・導線・速度の改善で短期の成果が見えやすい
・媒体規格や最新トレンドへの対応でスピードと再現性がある
・デザインシステム/運用ガイドで“壊れにくい運用”へ(長期の更新コストを抑制)
こんな課題がある会社にオススメ
・理念や思想は明確だが、デザインツールの古さが目立つ
・募集期・展示会など短期で成果物が必要
・その場限りのツールを使っていて、更新や他への展開がしづらい

企業課題別で考える依頼先の選び方
短期だけ/長期だけを追うと、どこかで息切れします。課題に合わせて、順番を考えながら取り組みを進めてみましょう。
課題1:応募は来るが定着しない
先に採用の“約束”と選考基準を言語化 → サイト/求人票/面接資料を一貫化。“入社後の活躍”を見据えて設計。
課題2:製品は良いのに知名度が伸びない
価値の言語化と“やらないこと”の線引き → 主接点の導線・計測を再設計し、指名検索や自然流入の土台を作る。
課題3:短期間で印象を高めたい
制作先行でビジュアル・可読性・速度を底上げ → 反応を見ながら言葉を微修正。社員紹介ページの充実は採用では強い。
ブランディングを先行すると、言葉の合意を先に取り組むことで、以降の意思決定や判断が基準化します。結果的に手戻りが減少し、効率が上がることがあります。
デザイン制作を先行させたい時は、すでに方針のもとに運用している基盤がある時。UI・導線・計測を先に整備していくことで、短期成果で結果に繋げることも可能です。
依頼後に発注担当者がやるべきこと
依頼してから迷わないために、あなたの役割を最小限に決めておきましょう。
- 決裁者を固定(誰が・何回で・いつ決めるか)
- 資料をまとめて渡す(会社・採用・営業・競合)
- “やらないこと”の線引き(後の判断ブレを防ぐ)
ブランディング先行なら上記をA3一枚にまとめてみたり、制作先行ならUI/導線/計測の方針や優先順位を先に文書化しておくだけでも、その後のスピードが大きく変わります。コツは自分だけで完成させず、社内に合意をとっておくこと。

まとめ|どちらが正解かではなく、どこから始めるか
結論は変わりません。ブランディングは合意・約束を作る、制作は体験と運用に落とす。
- 合意が弱いならブランディングから。(A3一枚の“ビジョンマップ”に集約)
- 形と速度が課題ならデザイン制作から。(デザイン・UI・導線・計測の先行整備)
これらはどちらが優れているかではなく、目的に合ったパートナーを選ぶことが重要です。
トゥモローゲートは経営理念を土台に、どちらのルートからでも、その先にある成果まで並走します。
せっかくリニューアル、リブランディングを依頼するなら、“見た目以上の成果”を残すために、自社に合った選択をしてみませんか?
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