こんにちは!
トゥモローゲートのライターでオウンドメディアの編集長をしているまきぎです。
「ライター」「編集長」
このような肩書きですから文章を書かない日はありません。webサイトやパンフレットに書くこともあれば、企業のコンセプトとなるキャッチコピーを書くこともあれば、このオウンドメディアの記事を書くこともあります。
そんな日々をおくっていると日本語に詳しくなるのですが、詳しくなるたびに「日本語って難しいなあ」と思うわけです。どういうときに思うのかというと「え、そんな読み方するの?」という漢字に出会ったとき。
「世論」「代替」「肉汁」
この3つの漢字をみなさんはどう読みましたか。いまみなさんの頭に浮かんでいる読み方はもしかしたら間違っているかもしれません…。
INDEX
本題に入る前にひとつだけ。
「間違った読み方」として紹介するものの中には、間違ってはいるけれど現代では一般的になっているものもあります。「ルール上は間違っているかもしれないけど、使っても問題ないよね」という読み方です。
この記事はあくまで辞書に載っているような日本語のルールにもとづいて書いていきますので、それらも「間違った読み方」として紹介していきます。ご了承ください。
ニュースなどで「世論調査(よろんちょうさ)」と聞いたことがあると思いますが、世論という漢字は単体では「せろん」と読むのが正解とされています。
「せろん」には「国民の感情から出た意見」という意味があります。一方の「よろん」は漢字で書くと「輿論」となり、意味は「議論にもとづいた意見」です。似ているようでニュアンスが微妙に違うんですね。
私がこれを知ったのは恥ずかしながらここ1年の話。あれだけテレビで連呼されていたら間違えますよね…。
「世論」を使った例文
日本の政治は世論に左右されがちだ。
このような不祥事を世論は許さないだろう。
提出物の期限が迫っているときによく登場する「早急」という言葉。「そうきゅう」と読んでしまいそうなところですが正確には「さっきゅう」と読みます。
ただ、「そうきゅう」と読み間違える人があまりにも多いため最近では「そうきゅうでもOK」という風潮ができてきています。
この風潮に従うのもアリだと思いますが、個人的にはビジネスなどのフォーマルなシーンにおいては「さっきゅう」という読み方を採用したほうがいいと思います。知的な印象を与えられて、いいじゃないですか。
「早急」を使った例文
クレームが多発しており早急な対応が求められる。
緊急会議の開催が決まり、早急に出社することとなった。
「ひとだんらく」と読む人がほとんどではないでしょうか。「え?違うの?」と思った方。そうなんです。これ実は「いちだんらく」と読むのが正解なんです。
私も初めて知ったときは「本当か?」と思わず調べました。そしたら辞書には「ひとだんらくは、いちだんらくの漢字表記の読み誤り」と書かれていて『NHK放送文化研究所』にも同じことが書かれていました。
「仕事が一段落したら…」なんてことを言う機会は少なくないと思うので覚えておきたいところです。
「一段落」を使った例文
仕事が一段落したおかげでゆっくり休みことができた。
まだ仕事が残っているけどこのあたりで一段落
ビジネスシーンでよくつかわれる「代替」という言葉。「替る」が「かえる」と読むだけに「だいがえ」と呼んでしまいがちですが、正しくは「だいたい」です。
「代替案を用意しよう」といった会話が交わされるシーンは少なくありませんよね。そのたびに間違った読み方をしていると赤っ恥まっしぐらです。
赤っ恥をかかないためにも「だいたい」「だいたい」「だいたい」念仏のように唱えてすりこんでしまいましょう。
「代替」をつかった例文
ボツになった企画の代替案を考えた。
代替品が存在しない貴重な品物を壊してしまった。
思わず「かいしゃく」と呼んでしまいそうですが「えしゃく」が正解です。「会」がもつ力は強いですね…。どう考えても「かい」と呼んでしまいますもん…。
「会釈」の意味は「軽く頭を下げて礼をすること」。日常会話でそこまで頻繁に使うことはありませんが、読み間違えたらかなり恥ずかしいので抑えておきたいですね。
「会」を「え」と読むパターンとして「会得(えとく)」「図会(ずえ)」「会式(えしき)」などがあります。こちらもなかなか使う機会はありませんが…この機会に覚えておきましょう。
「会釈」をつかった例文
ひさしぶりの再会にもかかわらず彼は会釈だけして去っていった。
私と彼はたまたま会えば会釈する程度の間柄だ。
なんとなーく「しばらく」って読んでしまいそうになりませんか?
僕も数年前までは完全に「しばらく」だと思っていましたが正しくは「ようやく」です。「やっと」とか「かろうじて」などと同じ意味の「ようやく」です。
「ようやく」を漢字で表記する機会はなかなかないと思いますが、読み間違えたときの恥ずかしさはなかなかのものだと思うので、覚えておいて損はなさそうです。
「漸く」をつかった例文
一年にもわたる商談が漸くまとまった。
肩入れしていたプロジェクトが漸く終わった。
「殺」の存在感が強くすぎて「そうさつ」か「あいさつ」と読んでしまいそうですが正解は「そうさい」になります。意味は「差し引きをして帳消しにする」
メリットと同じぐらいのデメリットが発生したときに使われる言葉です。ビジネスシーンや日常会話でもときどき耳にするので覚えておきたいところ。
ちなみに「そうさつ」と読むこともできるそうですが、こちらは「お互いに殺し合うこと」という怖すぎる意味になってしまうのでご注意を。
「相殺」をつかった例文
先月の大赤字は今月の利益で相殺できた。
両者が繰り出した攻撃は同じ威力で相殺された。
死の尊敬語にあたる「逝去」。「逝く(いく)」という言葉が一般化していることから「いきょ」と読み間違えられがちですが、「せいきょ」が正しい読み方になります。
同じようなシーンで使われる言葉として「死去(しきょ)」があります。こちらは家族や身内が亡くなった際に使われることが多く、逆に「逝去」は家族や身内ではない方が亡くなった際に使うのが一般的。
大人になるにつれて使う機会が多くなる言葉たち。大人として正しく使いたいですね。
「逝去」をつかった例文
ご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りいたします。
ご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
正しい読み方を知ったときにいちばん恥ずかしい気持ちになりました。ふだんから頻繁に使っている言葉だったので…。これ「にくじる」ではなく「にくじゅう」と読むんです。
「世論」や「早急」と同じく間違った読み方が普及しているだけに「にくじるが正解でいいのでは?」という意見もありますが、辞書にはハッキリと「にくじゅう」と示されています。
かといってみんなで焼肉にいったときに1人だけ「にくじゅう」と連呼していたらそれはそれで白い目で見られそうなので使い方はお任せします(ぼくは「にくじる」でいくと思います笑)。
「肉汁」をつかった例文
きのうの夜ご飯は肉汁たっぷりのハンバーグでした。
噛んだ瞬間に肉汁があふれ出てきた。
どストレートに「ちちばなれ」と読んでしまいそうですが正しい読み方は「ちばなれ」です。子育ての際によく使われる言葉ではあるものの、最近では「卒乳」といった新しい言葉の陰に隠れているので使う機会はそこまで多くありません。
とはいえ、「ちちばなれ」という読み間違えは、なんというか、ちょっと恥ずかしいじゃないですか(笑)。言葉の響きなのか何なのかわかりませんが、間違えたくないですよね(笑)
恥をかかないためにも覚えておきましょう。「ちちばなれ」ではなく「ちばなれ」です。
「乳離れ」をつかった例文
次男はまわりの子と比べて乳離れが遅かった。
いままで見たことがないくらい乳離れが早い。
最後は日常会話でも使う機会が多い「雰囲気」です。この間違え方はみなさん知っていると思いますがおさらいの意味も込めて。「ふいんき」と読まれることが多いですが、正しくは「ふんいき」です。
小学生のころ、はじめて聞いたときは「そうなんだ」と驚いた記憶があります。でも漢字を見ればわかりますよね。「ん」と「い」がなぜ逆転するのか不思議なくらいです。
繰り返しますが日常会話でも使う機会がかなり多い言葉です。社会人になってから間違えてしまったらかなり恥ずかしいのでしっかり押さえておきましょう。
「雰囲気」をつかった例文
この会社はいつ行っても雰囲気がいい。
負けが続いているチームは決まって雰囲気が悪い。
「読み間違えないようにしましょう!」なんて偉そうに書いてきましたが、実はこの記事は「よく読み間違えをする自分自身の勉強のために書いた記事」でもあります。
すべてをきっちり覚えるのはむずかしいけど、ひとつでも間違えたらはずかしい。漢字って、そういうもの。これから職場で恥をかかないように、この記事を定期的におさらいしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!