WEBデザイナーとして働きたい人がするべき6つのこと

おはようございます。池田リョウです。
2022年までに「大阪で一番オモシロイ会社」を目指すトゥモローゲート株式会社の役員です。

社内の二大部署のひとつ「意匠制作部」のゼネラルマネージャー(以下GM)をしています。

この記事を書いているのは2021年末。今年も始まったな、と一年の計を立て、気づけば年末。

「早い!早すぎる!今年も何もできていない。。」
毎年嘆いていると気づけばもう40歳。なんてことはザラにあるはずです。

今日のテーマは「WEBデザイナー」。

僕は30歳まで続けた音楽を辞め、次に目指したのがWEBデザイナーという職業でした。
今回は今だから感じる「WEBデザイナーになりたいと思っている人」のための記事。

トゥモローゲートのクリエイティブを担う、意匠制作部のマネージャー(採用責任者)として、WEBデザイナーの面談を通して良く見るシーンを紐解きながら、WEBデザイナーとして働きたい人がまずやるべきことをまとめていきます。

本当にWEBデザイナーを目指すなら読んでみて損はないはずです。

ステップ1:WEBデザイナーになる理由を言語化する

選んだ理由と壁

実はこのステップ1がいちばん重たい話。
あなたはなぜWEBデザイナーになりたいと思ったのでしょうか?

  • “自分自身でデザインがしたい”と思った理由はありますか?
  • 自分のデザインが実際に手に取れなくても大丈夫ですか?
  • 自分の表現がウインドウ幅やデバイスに制限されても大丈夫ですか?
  • “デザイン以外の幅広い知識が必要になる”と言われても大丈夫ですか?
  • お客さんの言うことに聞き耳を持ち、寄り添えますか?

僕はものごとをはじめるとき、個人的には「理由なんていらない」と思うタイプです。ただし、こういった専門スキルについては“やりたい理由”をまずあぶり出します。なぜかと言うと、必ず「立ちはだかる壁」が現れるからです。

何かの機会にその職種にふれるタイミングができ、周囲から「センスいいね!」「本当にはじめて?驚」と言われ、気持ちよくなってはじめる。

ものごとをはじめるときって、きっとこんな理由が多いと思います。しかし、専門職といわれるだけあって「かんたん」な時期は長くは続きません。

これまでのペースでは進まず、時間をかけた努力が必要になる「壁」が必ず現れてきます。専門的になればなるほど、この壁は高く険しいです。ただし、登れない壁では“まったく”ない。

僕のこれまでの経歴で考えると、、

ギターではコードを押さえるときの「Fコード」が最初の壁です。

ドラムでは「16ビートのバスドラ」なんかが最初の壁になるかもしれません。

バーテンダーの仕事では以外と「接客術」が壁になることが多かったり。

壁の乗り越え方にも人それぞれのタイプがあります。ギターの壁と言われる「Fコード」で例えると、、

①時間をかけてひたすら練習するタイプ
毎日欠かさず「Fコード」の入った曲を練習し、少しづつ上達していく。

②周囲に力を借りるタイプ
スクールやギターの上手な友達に教えてもらい、コツを掴む。一人ではないので継続しやすい。

③別の道からアプローチするタイプ
「Fコード」は後回し、もしくはパワーコード(かんたんver)に置き換えて、次に進む。

④頭を使って合理的に解決するタイプ
コードなんて弾けなくてもいい。1音1音弾けば音楽には変わりない、と別アプローチ。

こうして、さまざまな解決策はあるものの、壁自体を避けることはできない。そして、その壁を登るか登らないかの原動力は結局のところ「やりたい理由」なんです。

例えば、

「愛する人が怪物に食べられてしまう」なら、かんたんに諦めないはずです。
「愛する人に焼肉を食べられてしまう」なら、まぁいっかって思うはずです。

ものごとを継続するのはむずかしい。立ちはだかる「壁」を乗り越えるのはむずかしい。

WEBはこれからもまだまだ進化していきます。トレンド・技術の動きや変化も激しい業界。

ただ一つ。人は最終的に感情で動きます。

幾度となく立ちはだかる壁に負けない「なぜWEBデザイナーとして働きたいのか?」の理由がしっかりとあれば、変化にだって壁にだって負けません。道は間違ってないはずです。

ステップ2:最適なWEBデザイン学習環境を選択する

はじめることは一番かんたんで、一番難しいのは継続です。ステップ1では、WEBデザイナーを選んだ理由を再確認しました。

理由が明確にあれば、ステップ2では行動を選択するだけです。

実はWEBデザインを学ぶ方法はたくさん存在します。それぞれの学び方におけるメリット・デメリットを制作現場・採用視点でご紹介します。具体的にどんなものがある?などは、たくさん記事もありますので検索して調べてみてください。

オンラインスクール

初心者、初級〜中級でのスキルアップのためによく使われるのがオンラインスクールです。

無料のカリキュラムもありますが、しっかり学ぶとすれば自己投資額もそれなりに安くはありません。ただし、学ぶ機会はしっかりと与えられます。

メリット

①学ぶ場所を選べる
オンラインで学ぶスクール、オンライン+校舎もあるスクールなどさまざま。

時間効率よく学ぶにはオンラインが最適ですが、同じ道を歩む仲間ができる校舎通いの方がメリットは強く感じます。なぜなら、将来的にはスキルとともに紹介・繋がりも重要になって来るから。

なんだってそうですが、最後は「人」なんですよね。組織でもフリーランスでも、こういった繋がりってふとした機会にあってよかったな、、と思うことは多いものです。

②現役講師とのコミュニケーション
もちろんオンライン講師に特化した方も素晴らしいですが、実際に現役でWEB制作(仕事)をしている方と交流できるのは強いメリット。

検索で出てくるWEB業界の情報はさまざま。通常なら自分で情報を取捨選択するものですが「実際のところどうなんですか?」とコミュニケーションが取れるのはスピード感も良く、タイミングが合えば仕事や会社を紹介してもらえるなんて話も珍しいことではないと思います。

デメリット

①卒業自体に大きな価値はない
まれに履歴書の職歴欄に「〇〇スクール(コース)卒業」と、自信を持って書かれている方がいらっしゃいますが、これは正直なにも響きません。現場からすると、なにを学んだかはあまり関係なくて、結局はどんなアウトプットができるか。

そして、どこまで現場レベルの仕事を理解できているか。WEBサイトを作ったことがある!というのは強みにはならないことが多いです。

②自習(自由視聴)型になるとモチベーション維持が大変
トレーニングジムを想像するとわかりやすいですが、自分でやるやらないを自由にできればできるほど、モチベーション維持が難しくなります。

いつまでに痩せないといけない!と明確な理由があれば続くかもしれませんが、体力・健康維持となると3日坊主になるのは鉄板。パーソナルトレーニングのようにトレーナーと時間を合わせる(約束・予約する)ことがいかに重要かがわかると思います。

「いつでもできる」は「いつまでもしない」に非常に近い存在なのです。

職業訓練

失業時にスキルアップのために一時的に通えるのが厚生労働省が支援する職業訓練校。

WEBデザイン以外にも様々な職種クラスがありますが、資格を取ったり未経験の職種に転職する場合に利用する方が多くいます。

メリット

①お金をもらいながら学べる(条件あり)
国が支援する学校なので教材費を除くと無料です。失業保険や給付支援などでお金をもらいながら学ぶことも可能です。また職業訓練校に通うことで、デザイン時に便利なアプリケーションとなるAdobe(illustrator、photoshopなど)ソフト購入時に「学割」を利用して購入できることも大きなメリット。

②同じ仲間ができる
オンラインスクールの校舎型と同様、一つの場所に通うことになるので、同じ道を歩む仲間ができるのがポイント。登校日もすべてスケジューリングされているので、日々顔を合わせる仲間たちと基礎的な技術を学びながら、卒業時期には就職の話をしたり、何かの紹介をもらったりと繋がりを持つことが可能。

デメリット

①手続きが意外と大変
国から提供されている制度なので、やはりそれなりに手続きはややこしい面があります。誰でも入学できるわけではなく、さまざまな証明書が必要だったり、入学試験があったりと、メリットも大きな分、やはり入学・卒業手続きにかける時間や手間もかかるという注意点は忘れないようにしてください。

②就職にはまだまだ繋がりにくい
どんな会社で働きたいかにもよりますが、オンラインスクール同様、まだまだ「職業訓練校卒業」の価値は小さいです。なぜかというと訓練校の授業スタイルが初心者向けとなっているから。美大、専門学校卒のそれとはかける時間も専門性も大きく離れているので要注意。

あくまで入り口を学ぶ場所でそこからは自分次第です。ちなみにですが、僕自身もWEBデザインのはじまりは職業訓練からでした。

デザイン系書籍

本屋さんやamazonで「WEBデザイン」と検索をかけると、たくさんの書籍が表示されます。初心者向けから、玄人向けまで、自分のスキルや伸ばしたいポイントに見合ったタイトルの本がたくさんあります

メリット

①ピンポイントかつ格安で学べる
莫大な量で「現役のプロ」が書いた情報のまとめが並んでいる、というのは立ち止まって考えるととても贅沢なことです。配色だけに注目した内容、UIだけに注目した内容など、いちばん知りたい専門的な情報をたった2〜3000円の投資で自分のものにできると考えると、費用対効果は抜群です。

②どんな形で学びたいかを選べる
書籍によって伝え方はさまざま。初心者向けにやわらかい切り口で図解を使いながら説明しているものから、玄人向けの専門誌のような体裁のものまで。自分が知りたい情報を知りたい形で選びながら取捨選択できること。僕も始めた当時は毎日のように本屋さんに通い、自分に合った本を探していました。本屋さんは宝の山です。

デメリット

①スキルへの落とし込みが難しい
あるあるだと思うのですが、買ったことで満足してしまうことがあるんですよね。そこから開いて学び続けることは意外と難しい。買って満足→読んで満足のループが多いので、個人的には数をたくさん買うよりも、一冊を何度もメモしながら読み直すことをオススメします。

実は本をキレイに扱わないことがコツと感じています。キレイに扱おうとするほど開く機会は減少します。アウトプットしてはじめて学びとして活きてきます。

②トレンドに左右される
デメリットというよりも、勉強本を選ぶときの注意点です。

WEB業界はトレンドの移り変わりや技術の進化が特に激しい業界です。あたらしいことを覚えても翌年には役に立たない、膨大な時間を使って必死に覚えたことが5分でできるようになった、なんてことはよくあること。

本に書かれている内容が出版当時は最先端だったとしても、今では古いこともチラホラ。インターネットや古本店で購入するときのデザイン、コーディング関連の本は出版年月日に特に気をつけてください。

youtubeチャンネル

今では生活の一部となったyoutube。好きなときに、好きなコンテンツを、好きなだけ見れるのは現代の新しい学び方のスタイルです。

メリット

定期更新される動画配信を無料視聴できる

本と同様で「WEBデザイン」について動画で学びたければ、youtubeで検索するだけでたくさんのコンテンツがヒットします。例えば、制作現場でのデザイン業務にほぼ必須であろう“Adobeソフト”の使い方なら、アドビシステムズ公式チャンネルを見れば最先端の情報がたくさんアーカイブされています。

どこのチャンネルを見るかの取捨選択も自分次第で、更新の早いチャンネルならトレンドを学ぶことも可能です。チャンネルによってはオンラインスクールのように体系的にまとめられていたりするので、モチベーションが高い人にはこれ以上ない学び方になるはずです。

WEBデザインに触れるきっかけに良いチャンネルを3つご紹介します。

①mikimiki web スクール
WEBデザインだけではなく、トレンドのアプリケーションの解説からビジネス・SNSの話まで、フリーランスとしてもオススメな情報やTIPSがたくさん。ライブ配信などもされていて、視聴者を飽きさせない工夫がたくさん盛り込まれています。


②ゼロイチWEBデザイン:未経験からWEBデザイナーへ
未経験からのWEBデザイン。ある程度経験を積んだ人にはわからないかもだけど、はじめたてってとっても小さなことでつまずくこともあるんです。このチャンネルでは、基礎から実践的なTIPS、またWEBデザイナーとしての仕事術や考え方まで、POPにわかりやすくまとめられています。


③アキユキ / Web制作チャンネル
WEBデザインをするだけではWEBサイトはできません。見る環境やデバイスに左右されるWEBデザインで、必ず知るべき知識がコーディング。本チャンネルではHTMLやCSSなどフロントエンドとしての情報も網羅されています。WEBデザイナーとしては避けては通れないハナシ。

デメリット

活かすも活かさないも自分次第

動画になると内容もわかりやすく「そうかそうか」と気づきが多い。どうしても「観る」ことに集中してしまって、終わったあとに“やった気になってしまう”のが気をつけないといけないポイント。観たあとに必ずアウトプットすることを心がけましょう。あとYOUTUBEって誘惑が多くないですか?周囲の関連動画に負けて、脱線してしまわないように注意しましょう!笑

オンラインサロン

さまざまな分野の専門家がオンライン(たまにオフライン)で、ノウハウやアイデア、交流を深めるためにつくったコミュニティーがオンラインサロン。コミュニケーションが主な目的になるので、同職種で意識高い繋がりをつくろうと思うのなら、オンラインサロンが今の注目です。

メリット

WEBデザイナーの仲間が欲しければいちばん効率的な場所になると思います。DiscordやSLACKなどを使って日々チャット連携やMTG、デザイン添削やテーマに沿った雑談などが行われているのがよくある形です。

コミュニティー形成目的での現役WEBデザイナーが多いので動きは活発。比較的安価なサロンも多いので、まずは体感してみるのもいい経験です。制作会社などでの現場フロー感も味わえると思うので、個人的にはオススメです。

デメリット

人気のサロンでは入会希望するタイミングによっては満員で、次の機会を待たないといけないところも。

また、サロンによっての空気感があるのも特徴なので、入ってみてなんか違う・・という話はよく耳にします。急に業界の現場に紛れ込んだ感覚も出るので、あまりに初心者だと居心地がうまくつかめないこともあるかもしれません。ただしそんなことで諦めてはいられません。どんどん質問を投げかけて積極的にメンバーに食らいついてみましょう。

その他

独学でのWEBデザイン勉強方法はほかにも様々です。独学で勉強するときはこんなやり方・考え方がいいよ!というノウハウはこちらをご覧下さい。

ステップ3:デザインの仕事を受けてみる

ステップ2では、どの手段で勉強を進めるかをまとめました。ただし、勉強は勉強以上のなにものでもありません。

格闘技でパンチの出し方、ガードの仕方を本やモニタ上で理解し覚えたとしても、実戦で使えなければ格闘技では役に立ちません。ある程度の基礎を学んだら、早めに実戦でアウトプットしてみることをオススメします。

ステップ3では、じゃあどういう意識でWEBデザインをアウトプットするべきか?をまとめています。

アウトプットの必要性

WEBデザイナーとして成長するために、なぜアウトプットが必要なのか?これには大きく3つの意味があります。

課題解決

よく聞くお話だと思いますが、アート(アーティスト)とデザインの違いってなんでしょうか?

僕の中では、アートは自分の感情を表現するもの。ターゲット・ユーザーの存在はなく、周囲の理解も必要ないものと考えます。

僕はまだWEB業界に10年ほどですが、これまでWEBデザインで「感情表現をしたい!」という方にはあまり出会ったことがありません。

対して、デザインは問題・課題解決をするものと考えます。数ある制限の中で、どうすればターゲット・ユーザーを動かすことができるか。

10代で体験する図工や美術でのものづくりは、自己表現の延長だったと思います。僕たちの生活の中では、意外と何かを解決するためのものづくりをしてないのです。

WEBデザインをする際は、なぜこのサイトを作るのかの目的、そしてサイトによって解決したい課題が必ず存在します。自分本位ではなく、誰かのために、何かを解決するためにものづくりをする感覚をぜひ意識してみてください。

納期意識

目的・課題のある依頼には「期日」が決まっていることが多いです。あくまでWEBサイトは手段のひとつなのでつくって終わりではありません。サイトをつくって広告をかけたり、イベント告知に使ったり、目標数字達成のための解析〜改善の予定を組んだり、とサイトを使っての施策が後ろにスケジューリングされていることも多々あります。

そのために「いついつまでにWEBサイトを公開したい」という要望があります。これが納期と言われるもので、公開日から逆算しながら、サイトの構成を〇〇日までにつくって、サイト内で使用する写真を〇〇日までに撮影して、テキストを作るための取材・ヒアリングを〇〇日までにして、デザイン・コーディングをこの期間にしましょう。確認期間はこの日程で・・と公開日に間にあわせるためにあらゆる日程を計画的に組んでいきます。

WEBサイトは規模感によっては複数の人間が絡みます。先ほどの課題解決と同じで、自分本位でつくるのではなく、周囲を意識しながら計画的につくる感覚をぜひ意識してみてください。

実績の蓄積

WEBデザインを依頼されるために重要になるのは実績です。ゼロから何かをつくってもらう時には「家」でも「食事」でも、相手がこれまでにどんなものを提供しているのか?を調べてから注文することが多いはずです。

目に見えて残るものに、人は安心や信頼を覚えます。逆になにもわからない、見えないものには不安を覚えます。

デザインをはじめたてのころのクオリティーはなかなか酷いものもあります。。しかしそうして経験とアウトプットを蓄積することで見えてくる自分のデザインの強みや弱み、そして量をこなすことでスピードもアップしながら、気づけばたくさんの実績が集まり、昔のデザインと今のデザインはこんなに違うんだな、と感慨深くなることも少なくありません。

あなたの実績は必ず資産に変わります。インプットだけではなく、アウトプットを溜めること。ぜひ意識してみてください。

知人の依頼を受ける(SNS等での発信)

サービスや紹介において、WEBサイトを持つのがあたりまえの世の中。なにかのタイミングでWEBサイトが必要になる、作っているという話を知人から聞くことも少なくないはずです。知人相手に自分から営業はなかなか難しいものです。実績がないとしても、自分自身が普段から「WEBサイトつくります」とSNS等で発信していれば、相談が来る確率も上がります。

また、知人から仕事を受けるとなった時に「お金」の話はよく出て来る問題。職業として働いている人は「対価」を意識すべきですが、個人的にははじめのころでは”需要と供給”さえ合えば、無償でつくることもアリと考えます。

ただし無償になると、依頼者はタダだから要望を伝えにくくなる風潮はあります。ものづくりにおいて意見交換はとっても大切。とにかく作ってもらえたらOKの依頼ではなく、もっとどうした方がいい?という建設的な話をしながらデザインができる環境へ自分から持っていく努力をしましょう。対話がデザインの醍醐味です。

また、離れワザですが、芸能人ほど遠くはなく、友達ほど近くはない存在で、自分が好きな感覚を持った人(SNS等で見つける)のサイトを勝手に作って「好きだから作っていいですか」「好きで作っちゃいました」という荒技をしていた人もいました。自分が好きだからモチベーションも続くし、理解も深いので考えながら作れること、また相手とのコミュニケーション材料としても役立つことなどで、効率はいいなぁと感じたことがありました。お相手に迷惑をかけないようにだけ気をつけてください。

クラウドソーシングサービス

クラウドソーシングとは、インターネット上で企業(依頼者)が不特定相手に業務を依頼(アウトソーシング)する業務形態です。「こんなものを作って欲しい」と依頼の詳細を見て、クリエイターが「それなら私ができます」と仕事を受ける流れです。

プロジェクトとしてアルバイトのように一ヶ月いくらでと仕事を受けるものから、コンペ形式で複数から案を募り、採用になった作品に奨励金が贈られるものまで、形態はさまざま。

本当に企業相手の仕事依頼になることも多いので、ライトに経験を積むには最適な方法です。

報酬としては企業相手と考えると比較的安価になりますが、まずは経験を積むと考えると報酬以上に得るものは大きいと思います。僕はコンペ形式で案件内容に沿って自分のデザインを提案し、採用してもらっては実績に追加し、ということを繰り返していました。ある程度実績が増えて来ると仕事の幅も広がり、プロジェクトなどでも単価アップにつなげて行くことができました。

ただし、WEBデザイナーの就活におけるクラウドソーシングの実績価値はまだまだ低く感じます。よっぽどクラウドソーシングに慣れている人は別ですが、クラウドソーシングでの小さなコンペ採用実績なんかが並んでいると「初心者だな」という感覚が逆に醸成されます。コンペでうまく採用されるようになれば、次はプロジェクト形式で比較的大きな案件に携わってみましょう。

ステップ4:ポートフォリオを持つ

アウトプットを繰り返すと、経験とともに実績が溜まってきます。

実績が溜まると次に視野に入れていれるべきものが「ポートフォリオ(実績集)」となります。WEBデザイナーとして働くために、これまでどんな制作物を作ってきたかを、オリジナルにまとめていきます。

企業にもよりますが、デザイナーの選考では必ずと言っていいほどポートフォリオの提出が求められます。この先の選考が進むか進まないかはこのポートフォリオにかかっているのです。

ここではWEBデザイナーとしての就活(採用担当)視点で、ポートフォリオ制作の向き合い方、数ある実績の中で受かるポートフォリオはどんなものだったかを解説します。

ポートフォリオ(紙) or ポートフォリオサイト(WEB)

厳密にどちらがいいとは言い切れません。WEBデザイナーだからWEBで見せるのは当然では?と思われますが、実績はあれどまだまだWEBデザインのスキルが開花していない中では、WEB上での制限の中で表現することも困難です。目立とうと思えばそれなりの技術が必要ですし、流用可能などこかで見たような派手な演出を使っても採用担当者には刺さらず、あーまたこれね、と思うことも珍しくありません。

個人的には、企業の実績・サービスに合わせてみることがポイントと感じます。

CMSをメインにした安定した企業サイトデザインが多い企業であれば、ポートフォリオサイトでの実績紹介を進めます。WEBサイト制作の詳細(制作期間、担当範囲、総ページ数、課題・目的etc..)と量を軸に展開がベストです。

ECをメインにした販売系の実績が多い企業であれば、ポートフォリオサイトでバナーデザインやランディングページデザイン等の実績紹介をならべるのもOK。また、紙のポートフォリオでもサイト実績のキャプチャ写真とともに、今回の課題はなんだったのか、求められる数字はどこで、その数字を上げるためにこんな設計をしていて、なぜこういったデザインにしたのか、などをロジカルにテキストとともにまとめていく方法も効果的です。成果に繋げるデザインがより求められます。

弊社トゥモローゲートのような制作会社ではない企業であれば、よりサービス内容に基づいた魅せ方・考え方を伝える手段が最適です。企画力が強みであればポートフォリオのストーリーや構成自体にこだわってみてください。媒体自体にこだわりはないはずです。

ただし、どこの企業でも「デザイン=結果」を求められます。ただ単に自分らしく他のデザイナーとの差別化にこだわったとしても、そこに“見てもらう相手(採用担当者)”が介入していなければ「自分ひとりでやってくれ」とそっと閉じられるのが定石です。

受かるポートフォリオ

ポートフォリオで印象付けるには「個性を打ち出す」というよりも「絶対に外さない」という考え方が最適です。よほどの著名な制作会社でない限り、可能性が見えればポートフォリオは通過できます。アートではなくデザイン。ポートフォリオ通過には「表現」よりも「着実」が強い。そして「個性」ではなく「思い」をデザインに載せて下さい。

印象に残るポイントをあげていくので「着実」にこれらをポートフォリオで再現してみてください。難しいことはありません。

  • 顔や雰囲気がわかる
  • 選考の会社に対してのメッセージがある
  • 得意なことや強みが明確
  • 得意でないものは無駄に載せない(数で勝負しない)
  • 能動的な実績がある(受動的な課題掲載だけではない)
  • なぜこうしたか?の考えを伝える
  • 説明が長すぎない
  • 誤字、脱字のチェックをする
  • 無駄なストレスがない(データが重い、表示が遅いetc..)
  • 端的な自己PRがある(自分を採用すべき価値を語る)
  • 形に残っているもので自己PRを証明する

ステップ5:応募候補の企業を研究する

WEBデザインを続ける(ものごとを継続する)のと、それをどんな環境で取り組むのか。これらは密接にお互いが関係しあっています。

僕もこれまでに5,6社程度はWEB系の会社を渡り歩いてきました。

先輩が仕事に厳しい会社、先輩がデザインに厳しい会社、口数が少ない社風で黙々とWEBデザインをする会社、社員の距離感が近く遊びの延長のような会社、大手クライアントから言われたことをひたすら進める会社、何も知らない中でとにかく任される会社。

フリーランスで働くのか、会社の中で働くのか。

同じWEBデザインをするにしても、自分のモチベーション(なぜやるのか)と毎日の環境のバランスによって、成長速度やクオリティーの質が変わってしまうのです。

モチベーションや勉強方法についてはこれまでのステップでお話をしてきました。

ステップ5では「自分が働く会社」の探し方を少し考えてみましょう。

事業内容・実績を見る

WEBデザイン(WEBデザイナー)と言ってもつくるものは様々です。

「自社サービス」が事業のメインになると、そのサービスのWEB周り全般を担当し、デザインを通して成果への改善を繰り返す仕事(インハウスデザイナー)として毎日の業務が進みます。

「WEBサイト制作」が事業のメインになると、大手企業のWEB制作案件を中心に代理店経由で進める会社と、自社で直接クライアントと連携しながら制作を進める会社と大きく二分します。

前者は見たこと聞いたことがある企業の比較的大規模なサイト制作が多く、広告代理店から伝言ゲームのように来る指示のもとサイト制作の一部分を担うことが多いです。大規模サイトの制作経験はとても重要。できることできないことがハッキリしているので、制限がある中でのアプローチやページ量産におけるスピード感が重要とされます。

後者では制作会社の色が根強く出ます。デザイン・システム系技術の高い会社から、CMSを使ったテンプレート制作でスピードと利便性を売りにした制作会社までその域はさまざま。その会社のWEBサイトに載っていることが多い実績ページを見ながらどういったサイトに強いのかを分析してみてください。企業のコーポレートサイトに強い会社、採用系のサイトに強い会社、キャンペーンなどのスペシャルサイトに強い会社など、大体の傾向が見えてくるはずです。

また、採用ページや広告掲載している採用媒体を見ることもオススメします。一番関わりが強い(力を入れたい)分野や職種を強調しているはずなので、制作会社のスタンスを確認するには最適です。

経営者の経歴を見る

意外と会社の色が濃く出ているのが、経営者がどんな経歴をもっているのか。

エンジニア出身であれば思考は設計や仕様構築に力を入れる社風であったり、まだまだアーリーステージの場合は社内に入ってくる案件自体が得意分野であるシステム系に偏っている場合もあります。

営業出身であれば一案件のデザインクオリティよりも、結果(もちろんですが)や量・スピードにこだわることが多く見受けられますし、デザイナー出身であればデザインチェックなどは厳しく、デザインの現場に社長が入ってくるなどもあるのかもしれません。

一概には言えませんが「得意を仕事(会社)にする」のは至極当然の流れ。

会社研究の際は社長メッセージページや検索でフルネームを調べるなどで、経営者の経歴やその考えをインプットしてみましょう。

SNSの発信を見る

経営者と同時にその会社を作っているのは、そこで働く社員さんたち。

SNSがアタリマエになっている昨今では、会社から社員たちが発信するブログやtwitter、近頃ではyoutubeなど自分たちの言葉で自由にオリジナリティを持って発信されている場面を目にします。

弊社トゥモローゲートを例にご紹介します。

twitter

twitterでは140文字でより社員たちの素に近いリアルな発信が垣間見えます。本当に気になったときには、本人にDMをしてみると人生が変わるかもしれません。

トゥモローゲートでは、あらゆるメンバーがツイッターで会社を表現しています。

トゥモローゲートのtwitterメンバーリスト

ブログ

ブログのTIPS・テック系の記事ではその会社のレベル感や関心事が表現されています。このトゥモローゲートブログも営業・デザイン・エンジニア・採用・経営など様々な情報発信が行われています。

トゥモローゲートのブログ

youtube

最近ではyoutubeチャンネルを持つ企業も増えてきました。

まだまだ試行錯誤のチャンネルも多いですが、動く社長・社員たちやオフィス風景、普段の仕事の様子などを感じられる動画は非常に空気感を知るのに最適です。

西崎康平 ブラックな社長 チャンネル

ステップ6:なぜその会社なのか?を考え抜く

最後のステップ6です。WEBデザイナーとしてはたらきたい会社が決まれば、最後は自問自答してください。

ステップ5では「はたらく環境に依存する」という話をしましたが、なんでもかんでも会社や周囲のせいと他責になると、成長するものもできません。

いつどんなことがあっても、自分のせいではなく周囲のせいにすることはかんたん。

ただし「責任のない意思決定」は結果に喜怒哀楽も生まれづらく、自己成長にまったく繋がりません。

自分が決めた会社で、これからについて何を考えるべきか。ゆっくりと未来に寄り添ってください。

自分のキャリアパスとの比較

あなたは働きたいと思ったその会社でWEBデザイナーとして何をしたいのでしょうか?

本当にその会社で成長ができるのか。事業・実績・社員・経営者を見た中で、この会社の社員の一人になりたいと本当に思えたのか。また、なぜそう思えたのか。

特に考えてみてほしいことは「その会社でないといけないのか」という理由。

自分のやりたいことと、会社が見据えているビジョンが一致することが大切です。そのうえで、あなたがはたらく会社が「この先どんな会社を目指しているか」を知っておかない手はありません。

会社は原則、理念と売上に基づいて未来への進化を続けます。あなたがその会社でないとダメな理由と、未来へのビジョンが一致しそうな会社を目指してください。

体験入社での経験

はたらいてみると、思っていた会社の雰囲気と違った。
はたらいてみると、メンバー同士のコミュニケーションが良くない。

こういった悩みはとっても辛いもの。

WEBデザインをやりたくて就職したのに、違うことで悩み抜き、結果離職につながる、とは考えたくないものです。

企業によりますが、可能であれば「体験入社」をおすすめします。

実は採用コストは安くありません。社員の離職につながるのは企業にとっても辛いもの。お互いの離職につながらない最善策が「体験入社」なのです。

「体験入社」では実際のデザインの現場の雰囲気であったり、実務レベルの打ち合わせなど、社内の空気感とスピード感に触れるための時間がたっぷり。

エイヤ!で入社してみて合うか合わないかを50:50で判断するより、お互いのためにも「体験入社」を通してもっと知る・知ってもらう関係性が非常に大切だと考えます。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

他では書かれていないことを、僕の立場で、僕の言葉で書きました。WEBという特性上、WEBデザイナーという仕事はこれからも残るはずです。

ただし、デザインがどんどん簡略化していくのも時間の問題。aiやシステム化は一部免れられないはずです。

これからのWEBデザイナーに求められることは考える力。企画力、マーケティング力、経営力など、デザイン+〇〇のチカラが必ず重宝されます。

デザインだけにとどまらず、さらなる課題に答えられるデザイナーを目指して。

まずは第一歩を進めてみましょう。