こんにちは、浦下です。
優秀な人材をいかに採用するか。年々その難しさが増している今、新たな採用手法にチャレンジしようとしている採用担当の方も多いでしょう。
わたしもそのひとりでした。
トゥモローゲートに入社したのは2018年。当時、人事の仕事は未経験だったため、まずは採用に関するノウハウや手法を調べるところから業務をスタートしたことを覚えています。
あれから4年。採用活動に取り組んでいる中で学んだノウハウをもとに「これからの人事がすべきこと」を分析し、ブログにまとめてみることにしました。
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その前にまず、現在一般的になっている採用手法を見ていきたいと思います。
まずは求人広告。多くの企業が新卒・転職市場に関わらず行っている基本的な採用手法のひとつです。
業種や職種問わず、幅広い求職者に自社を見つけてもらうことが可能。一方、広告費用によって載せることができる情報量や掲載順序が異なるため、場合によっては同じく広告出稿している企業の情報の中に埋もれてしまう可能性もあります。
人材紹介サービスに登録している求職者の中から人材会社に紹介してもらう採用手法。
ふだんなかなか接点のない優秀な人に出会える手法です。自社の理念や考えを知らない状態で選考に臨まれる人も少なくないため、そのあたりのすり合わせが必要ですが、多くの企業様が活用している採用手法になります。
就職希望者や転職希望者を対象とした合同の企業説明会です。
来場された多くの求職者に対して、その場で直接自社をアピールできるのが魅力。
トゥモローゲートも、新型コロナウイルス発生以前に一度、合同企業説明会に出展したことがありました。ブースや内容にこだわることで行列ができるほどたくさんの方にお越しいただき、2日間で1190名のエントリーに繋がりました。
ハローワークは、各都道府県の労働局が運用する公共職業安定所です。ハローワーク内の求人情報を検索できる端末に、求人情報を無料で掲載することができます。
自社の採用サイトで採用を行う方法です。
求人広告サイトと比べると自由度が高く、業務内容や採用情報など、発信したい情報を掲載するだけではなく、ターゲットの心に刺さる採用サイトを作ることができれば、自社にマッチした人材の採用ができる可能性もあります。
これまでとられてきた一般的な採用手法は以上の通りですが、これらの採用手法に加えてSNSをはじめとした「ネット上でのコミュニケーション」が全盛になったこの時代、新たな採用手法も数多く誕生しています。
求職者データベースから欲しい人材を探し出し、直接アプローチをする手法です。ヘッドハンティング、スカウトメール(オファーメール)、ダイレクトメール(DM)を使い、待っているだけでは出会えない優秀層と出会うことが可能とされています。
YouTube、Twitter、TikTok、InstagramなどのSNSを通じて会社の様子を発信することで採用につなげる手法です。より強く会社の考えや雰囲気を伝えることができます。
ちなみにトゥモローゲートも自社でSNSの本格運用を開始してから採用が大きく変わりました。2022年の今では入社する人のおよそ9割がSNS経由だという実績があります。
自社の社員から友人・知人を紹介してもらい、選考する採用手法です。
既存社員の紹介だからこそ、求職者への信頼性やマッチ度が高い傾向にあります。既存社員が自社を紹介したいと思える会社づくりができていたら、すごく有効な採用手法ではないかと思います。
ミートアップには、英語で「交流会」という意味があります。
その中でも採用におけるミートアップは、新卒採用のように会社説明を行う「説明会スタイル」、クリエイターなど専門職の採用で効果を発揮する「勉強会スタイル」、社員とざっくばらんに交流し興味を持ってもらう「交流会スタイル」の大きく3つに分かれます。
トゥモローゲートでは説明会スタイルで開催していますが、誰でも気軽に参加ができ、自社に興味をもってもらうきっかけづくりとしても有効でした。
中には今すぐの転職を考えていない方もいるため、数年後転職を考えた時に「あの会社を受けよう」という選択肢のひとつにしてもらうための、中長期的な目線も必要です。
求人媒体だけでは伝えられない事業内容、自社の魅力、理念、制度などを発信できるツール。このブログもその一つです。
エントリーしてもらう段階で、会社のことをイメージできている・知ってもらえていることは、求職者の志望度を上げることや入社後のギャップを無くすことにも直結します。
しかし、必ずしもこれらの手法が全てとは限りません。自社の課題を考えた際、これらの手法が合わない可能性だってあります。
であれば、採用手法を作ればいい。すべての仕事に共通していますが、出来ない理由を探すより、出来る方法を考えた方がいいのです。
トゥモローゲートも「今ある手法が全てではない」と考えており、自社の課題に合わせて数々の採用企画に取り組んできました。その一部をご紹介します。
これまでにビジネスでNo.1をとった実績があれば、通常の選考フローとして用意されている書類選考・自己PR動画選考をすっ飛ばし、いきなり役員面接ができるという採用企画です。
「自分は受からないんじゃないか」「時間がない」とエントリーをためらっている方が、期間限定のこの企画に応募してくれました。実際にここから2名採用が決まり、活躍してくれています(2022年6月時点)
その名の通り、対象のツイートにいいねしてくださった方からスカウトするという企画です。
Twitterにいる人事の方をスカウトしたい。けどDMを送ってもらうのはハードルがあるだろうな・・・。
気軽にエントリーしてもらえる方法を考えた時に思いついたのがいいね採用です。Twitterのいいねボタンが、選考のエントリーボタンになるというこの企画。
Twitterにいらっしゃる膨大なアカウントの中から、興味を持ってくださっている方を見つけてスカウトできるのではと思いつきで始めました。
自分が持つ採用権限の範囲内だったうえ、社内にも却下されないだろう、と思い立ってすぐ始めたこの採用方法。
予想を超えるリアクションがあり、約18,500名の方から応募がありました。今では社内の採用だけではなく、お客様の採用手法にも活用してもらえています。
いいね採用については代表の西崎がブログでもまとめているので、ぜひご覧ください。
普通、説明会は採用するために開催します。
ただ、この説明会では新卒・中途など関係なく、ただ会社のことをプレゼンする説明会です。転職意思は不要。他では断られるであろう同業他社の潜入も歓迎。少しでも会社のことに興味を持ってくださっている方が気軽に参加できる説明会を開催しました。この説明会がきっかけで、1名の採用に繋がりました。
お客様の社員の方と営業ロープレバトルを開催し、観客の方に審査員として参加していただいたこの企画。
もちろんこのイベントにも狙いが。ロープレを見てスキルを盗みたいという目的で参加するため、常にアンテナを張っていて向上心が高い人と出会えるということです。
審査員として参加した方とイベント内の交流会でお話しし、弊社とマッチすると判断した場合は後日スカウトを送らせていただきました。
こちらは新卒就活生の採用を狙った施策です。
様々な活動に取り組む学生団体に対して半日間のコンサルティングサービスを提供することで、その団体に所属する学生の採用につなげようと考えました。
先ほども申し上げた通りこれらはごく一部であり、採用に繋がらなかった企画は他にもたくさんあります。
その手法で採用できるかどうかは、やってみないと分かりません。トゥモローゲートの場合は「まずは一度やってみよう」と挑戦できる環境がありました。
企業によっては、確実に結果が出る採用企画でないと決裁が下りないケースもあると思います。費用がかかるものに対しては特に。
しかし、採用で本当に大事なのは、もし上手くいかなかったとき、どう改善して次の行動に移せるかです。結局は、採用の成功=挑戦した数ではないかと感じています。
最後に、数々の採用に携わってきた4年で感じた、採用成功のために必要なポイントをご説明します。
いちばん大事なのは、多くの人を説明会に集めることよりも、自社で活躍できるターゲットを採用すること。たとえ説明会に100人集まったとしても、マッチする人材が0人であれば意味はありません。加えて、入社後のギャップが原因で辞められない会社作りも必要になってきます。
採用担当の中には、複数の業務を兼務している方もいます。採用になかなか時間をかけられない方もいるでしょう。効率化や自動化という言葉もよく聞きますが、結局良い採用をするためには、一定の時間はかけないといけないものだと思います。
採用ブランディングを行うことで求職者に対する認知度が向上します。
見せかけでない会社の中身と一致した情報を発信できると、想いに共感したファンが集まります。求人媒体に求人を出すだけでは決して得られない求職者とのマッチ度や、志望度の高さ、質の向上など、メリットはとても大きいと私たちは感じています。
採用は、決して人事だけではできることではありません。社員全員が、自社の課題や仲間を採用することの意義を理解し、協力的であること。そして何より経営者が本気であることが重要です。
本気であれば採用の優先順位が上がり、面接などに割く時間や、採用後のメンバーに対する姿勢などにも直結してきます。これまで採用が成功している会社の共通点は、経営者が採用に本気であることだと感じています。
魅力的な会社には、魅力的な人が集まると思っています。何も完璧な会社である必要はありません。どの会社にも課題はあります。うちもまだまだ課題は山積みで未完成なことだらけです。
大事なのはビジョンが社内に浸透しているか。目標に近づくための行動ができているかどうか。そして、先ほど挙げた経営者が採用に本気かどうか。
この3点で魅力的な会社づくりができるかどうかも決まります。ただ、それは経営者だけの仕事ではありません。人事として、その魅力を「伝える」ことも大切です。
これは私の持論ですが、今の会社を好きと言えるか。心の底から本気で薦められるかどうか。それが人事の熱量として求職者にもちゃんと伝わります。
いろんなトレンドをネットでリサーチすることも大事ですが、先読みして動くことも重要ではないかと感じています。現状に満足せず、常により良い採用を目指す。頭で考え工夫しながら新たにチャレンジしていきたいですね。
ちなみに、トゥモローゲートは人事担当者を絶賛募集中です。オモシロイ会社づくりをしたい。オモシロイ採用手法をやってみたい。そんなひとと同じ会社で働けたらいいなと思っています。