こんにちは!アートディレクターの久米川です!
今回のブログでは、ブランディングが主な事業のトゥモローゲートが、どのような流れで、どのような意図や想いを込めて、Webサイトを作っているのかを紹介していきたいと思います。
例に挙げさせていただくのはサンズグループ様の企業サイトです。完成するまでの一連の流れを、企画やデザインなど各フェーズに分けて紹介していきます。
ブランディングの観点からWebサイトの作り方を紹介している記事は少ない印象なので、手前味噌にはなってしまいますが…すこしは貴重な情報がお届けできるかと!
自社やサービスのWebサイトをつくりたい
ブランディングデザインに挑戦してみたい
こんな人に読んでいただきたいと思います。それでは早速行ってみましょう!!
INDEX
今回紹介するのは、兵庫県豊岡市に本社を置くサンズグループ様の企業サイトのリニューアルプロジェクトです。
サンズグループさんは保育、福祉医療、不動産、パチンコ事業など、幅広い事業を展開されている企業様。
たくさんある事業一つひとつの内容や、そこに込められた想いをしっかりと伝えるサイトにしたい。そんなご依頼からプロジェクトは始まっていきました。
Webサイトを作る上で大切なのがこの課題ヒアリングです。
事業について。社長について。採用状況について。このような基本的なヒアリングはもちろん、Webサイトを通して解決したい課題は何なのかといった「目的」の部分まで、根掘り葉掘り聞かせていただきました。
「たくさんある事業の内容や、そこに込められた想いをしっかりと伝える」ためにどのようなサイトを作ればいいのか。ヒアリングを通して探っていく中でサングズループさんの事業には2つの共通点があることに気がつきます。
①ジャンルは違っても「人に寄り添う」というスタンスは一貫していること
②社員の「やりたい」という声から始まった事業であること
この共通点をしっかりと伝えるWebサイトにしよう。綿密なヒアリングを通して方向性が定まりました。
ヒアリングで得た情報、定めた方向性に沿って、企画コンセプトを決めていきます。トゥモローゲートの場合、プロデューサーやディレクターだけでなく、デザイナーやエンジニアなど原則全てのメンバーが企画を考えます。
ブランド力を高めるWebサイトを作るには企業様の想いに共感することがとても大切です。デザイナーまで企画を考えるの?と思った人もいるかもしれませんが、企画を考えるということは企業様の想いに深く共感することが必須なため、メンバー全員が参加することに意義があるんです。
そんな会議を通して定まった、サンズグループさんのコンセプトはこちら。
「地域に貢献したい」
「働いている人が楽しめる会社でありたい」
「個性を活かせる会社でありたい」
「太陽のようにあたたかく、寄り添う会社になりたい」
さまざまな事業を展開しているサンズグループさん。その根本にあるのは「愛をもって人を育んできた」というストーリー。その「愛」というキーワードに社名の「SUNZ(太陽)」をかけ合わせて生まれたのが「愛で照らそう」というコンセプトでした。
愛を込めた事業でお客様の人生を照らす。働きがいのある会社づくりをして社員の人生を照らす。それらの企業活動を通して関わるすべての人に愛を注ぎ、地域を太陽のように照らしていく。そんな想いが込めました。
定めたコンセプトをお客様へ提案します。提案する際にトゥモローゲートが作成する資料は以下。
・企画書
・TOPページラフビジュアル
・参考サイト
・サイトマップ
サイトの完成イメージを明確に持ってもらうため、TOPページのラフビジュアルや参考サイトまでご用意。コンセプト策定に至るまでの経緯や調査内容を記した資料も交えながら、ご提案させていただきました。
ご提案の場にはサンズグループの三山代表だけでなく、各事業部の責任者の方々もご同席いただきました。ご提案したコンセプトに対して強く共感していただき、この方向性でサイト制作を進めていくことになりました。
プロジェクトメンバー全員が頭をフル回転させて考えた企画だったので、ほっと一息です。でも、これで終わりではありません。むしろ、スタートです。定めたブランドコンセプトをもとにいよいよ制作へ進んでいきます。
ここまでの工程は主にPM(プロジェクトマネージャー)、CD(クリエイティブディレクター)が進めていましたが、ここからはコピーライター、デザイナー、エンジニアといった職種と連携しながらプロジェクトを進めていきます。
サイトの方向性が決まったら、次はサイトの骨組みである「ワイヤーフレーム」を作っていきます。上の画像はサンズグループさんの企業サイトの実際のワイヤーフレームです。
各ページにどんなコンテンツを用意し、どんな画像を用い、どんなキャッチコピーを使い、どんなデザインに落とし込んでいくのか。コピーライターやデザイナーが見るだけで分かるように作っていきます。
ワイヤーフレームの出来栄えがサイトのクオリティに直結すると言っても過言ではないため、情報の抜け漏れはもちろん、コンセプトに沿った内容になっているか、ターゲットにささる内容になっているかを厳しく確認しながら作っていきました。
学生がターゲットの採用サイトに比べ、お客様や社会がターゲットの企業サイトは特徴的なコンテンツを控えがちです。しかし、控えすぎてしまうと、どこにでもあるような個性の薄いサイトになってしまいます。
僕たちトゥモローゲートはブランディングの会社です。お客様のブランド力を強化し、成果につなげるのが使命です。いくら企業サイトでも、お客様ならではの特徴的なコンテンツを用意するのはマストだと考えています。
そんな中、サンズグループさんの企業サイトでは主に2つの特徴的なコンテンツを用意しました。
「愛で照らそう」というコンセプトに沿った事業紹介はできないか?社内で議論を重ねた結果、事業内容を紹介する前にその事業が立ち上がったストーリー・込められた想いを伝えるコンテンツを採用しました。
なぜその事業を展開しているのかを知ってもらった上で、事業に詳しくなってもらう。ハード面だけでなくソフト面にも興味を持ってもらうことで、濃いファンになってもらえるのではないかと考えたんです。
もちろん、以下のように、事業内容や特徴といったハード面もしっかりと伝えています。
スペシャルコンテンツとして「My Dream」というコンテンツを用意しました。
お客様だけでなく、社員に対しても無償の愛を注ぐ三山社長の想いを落とし込んだコンテンツ。一人ひとりに将来の夢を語っていただき、お気に入りの写真とともに紹介させていただきました。
50名を超える社員様全員を紹介するというのは、一般的なWEB制作の考えからは生まれないコンテンツだと思います。でも、トゥモローゲートはそれがお客様のブランド力強化につながるのであればところんやり切ります。
このコンテンツがブランド力強化にどうつながるのか?というと、それは「差別化」です(他にもいくつかポイントがありますが、ここでは1つピックアップしてご紹介)
他社がやっていないこと。見たことがないこと。言い換えれば「その企業にしかできないこと」をサイトに落とし込まないと、他社との差別化はできないと思っています。
そこにとことんこだわることで、同業他社にはない独自のブランドを築いていくことができると思っているんです。
撮影の場所はサンズグループさんの事業所がある兵庫県の赤穂市と豊岡市。
ムリに演技をしてもらうのではなく、リアルな日常の姿を写真に収めることを意識しました。自然な笑顔をとらえた方が「愛で照らされている」イメージがより伝わるという狙いからです。
保育園。福祉施設。パチンコ店。飲食店。それぞれの事業拠点で撮影したほか、最後には全事業部のメンバーが集まっての集合写真も撮影。
全メンバーが集まる機会は少ないというサンズグループさん。みなさん、ものすごくいい表情で、素晴らしい写真を撮影することができました。ご協力いただいたサンズグループの皆様、本当にありがとうございました。
作成した構成と撮影した写真をベースにいよいよデザインを進めていきます。
「愛で照らそう」のコンセプトに沿って、写真、余白、全体の色味などを慎重に選択していきました。ライティングではひらがなを多用するなど、サンズグループさんの優しいイメージに合うサイトをつくっていきました。
コーディングフェーズにおいても意識したポイントは同じ。サンズグループさんらしさが表現できるように、フェードをメインとしたアニメーションや太陽をモチーフにしたオープニング演出など、細部にこだわっていきました。
ブランドイメージを訴求するサイト制作において、ビジュアルはとても大切。
ライティング1文字。デザイン1つ。アニメーション1つ。全てに説明できる意図がないといけませんし、コンセプトに沿った表現になっている必要があります。少しでも矛盾があるとサイトの完成度や成果は下がってしまいます。
たとえお客様らしい秀逸なコンセプトがあっても、視覚的な表現ができなければターゲットには伝わらず、ブランドイメージを確立することはできません。
もちろん、デザインだけでもダメ。コンセプトと視覚的な表現。どちらもしっかりと訴求して初めて、企業のブランドは作られていくというのがトゥモローゲートの考えです。
SNSでの反応や、サンズグループの方々の反応は上々です。ですが、WEBサイトのゴールは公開ではありません。成果を上げることがゴールです。データ解析をもとにした改善を繰り返しながら、成果につなげていきたいと思います。