こんにちは!トゥモローゲートでWEBデザイナーチームのリーダーをしている久米川です。
普段はデザインしたりディレクションしたりデザイナーの教育したりと色々やってます。
今回は学生や求職者の方々必見。ポートフォリオについて語っていきたいと思います。
トゥモローゲートでデザイナーの採用に関わり、約3年。数百人以上のポートフォリオを見てきました。
企業や見る人によって視点は違うため「こうつくればいい!」という正解はありません。ただし、「受け入れられやすいポートフォリオ」には共通点があるのは事実。今回は、そんなポートフォリオのつくり方を隠すことなく全て紹介していきたいと思います!
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まず前提ですが、新卒採用とキャリア(中途)採用ではポートフォリオの見方が異なります。例えば、キャリア(中途)採用の場合はスキルなどを重視することが多いです。(キャリアが長い人の場合は尚更です)
一方、新卒の場合、大学生や専門学生のため、基本的にはスキルよりも伸び代を重視する傾向があります。デザイン力が実務レベルに少し届かなかったとしても、伸び代を感じさせることができれば受かる可能性は高まります。
みなさんは、ポートフォリオってそもそも何だと思いますか?
一般的には「ポートフォリオ=作品集」と言われています。これは意味合い的には大正解です。しかし、作品集ということに縛られすぎると思わぬ落とし穴が待っています、、、、
「作品集」と意識し過ぎてしまうと、どうしても、自分軸で作品を載せてしまいそうになります。自己主張の強いポートフォリオになってしまうんです。そこには見る相手がどう感じるのか?の視点がありません。
ポートフォリオは主に企業提出するもので、そこには必ず「見る相手」が存在します。この意識は非常に重要で、ここが抜け落ちてしまうと、どんなにクオリティの高いポートフォリオでも不合格になるケースがあります。
ポートフォリオは一種のラブレターのようなもの。選考を受ける企業に対して自分自身の魅力や相手への想い、一緒に叶えたい未来など、見る側のことを考えることが大切なんです。
未経験だとしても、スキルが足りなかったとしても、自社の特徴や目指す未来を的確に捉えた上で提案してくれているようなポートフォリを見ると、詳しく話してみたい、一緒に働いてみたいと思えます。
ここに、スキルがあればもう最強。自社のことを理解してくれて、一緒に考えてくれて、求めるスキルを満たしている。こうなると不合格にする理由がなくなってきます
さて、ここからは新卒採用・キャリア(中途)採用に共通する、選考を通過するポートフォリオの特徴を具体的に7つに分けて紹介していきたいと思います!
選考突破の第一関門は「表紙」です。表紙は超重要です。ポートフォリオを作る際に絶対に手を抜いてはいけない箇所です。
新卒採用の場合は尚更です。例えば、合同説明会などでポートフォリオの評論が行われるような場面では、表紙の重要性が際立ちます。選考担当者は時には数百本というポートフォリオを見ます。表紙の印象が弱いと埋もれてしまう可能性が高いです。
また、表紙はポートフォリオの中でも一番自分自身を表現できる部分です。そこが質素だとあまりいい印象を与えることはできません。逆に目を引くものであればいい印象を与えることができます。たかが表紙、されど表紙なのです。
デザインだけで、製本のしかたもアピールポイントです。僕は学生の頃、最初はクリアファイルでつくっていましたが、よりクオリティを上げるためにお店に製本を依頼してポートフォリオをつくるようにしていました。
表紙の表現は人それぞれ。正解はありません。見る人の目を引けるようにこだわって作りましょう!
デザインを載せる際には、必ずデザインの意図まで載せましょう。作品だけで勝負して受かるケースももちろんありますが、意図を載せて損をすることはありません。
例えば、そのデザインが元々どんな課題に基づいていたのか、どんなコンセプトや意図を持っているのか、ということです。
デザインは、何らかの課題を解決するための1つの手段です。単にかっこいいだけのデザインやおしゃれなだけのデザインでは一歩足りません。
なぜ、このデザインになったのか?なぜこのデザインなら課題解決につながると言えるのか?特にブランディングを重視する会社はこの視点でよくチェックをします。意図や背景がしっかり伝わるポートフォリをを仕上げましょう。
作品が多ければ言いワケではありません。載せる作品を絞ることもポートフォリオではとても大切です。
よくあるのが、選考には直接的な関係がないジャンルの作品まで載ってあるケース。中には「苦手分野なんだろうな」お思うものもあります。
気持ちはわかります。僕も学生時代は「学校でつくった作品は苦手なジャンルでもポートフォリオに入れた方がいいかな…」と思っていました。違います。その企業にささると思える作品や、得意なジャンルの作品に絞った方が、詳しく話を聞いてみたい、と純粋に思えます。
もし、作品の数が足りないのであれば、自主制作品でもいいです。選考にマッチした作品を増やすことでカバーしていきましょう。
③と似ていますが、これもよくあるパターンです。「作品のクオリティは凄く高いのに会社の実績や事業の内容とマッチしていない」というポートフォリオが多く、そこでお見送りになるケースがあります。
これは非常にもったいないです。選考を受ける企業に合わせてポートフォリオに載せる作品を選定することが大切です。
想像してみてください。
あなたはラーメンコンテストの審査員です。なのにカレーが出てきたら「????」で頭がいっぱいになりますよね。そのカレーがどれだけ美味しくても。
これくらいミスマッチな状況がポートフォリオではよくみられます。それを避けるためにも募集職種や企業のリサーチを入念に行い、企業が求めるポートフォリオを準備することを意識していきましょう。
ほとんどの人のポートフォリオが学校でつくった作品で締められています。だからこそ差別化ができていなかったりします。差別化のために効果的なのが自主制作物をポートフォリオに載せることです。
コンペに応募した作品や、知り合いに頼んでつくった飲食店のフライヤーなどは効果的です。なぜかというと、自主制作物にはその学生のデザインへの熱量や行動力が見えるからです。
自主制作はヒアリングからデザインまで自分でやる必要があります。この流れは実務とすごくよく似ています。だからこそ自主制作物を通して伝えられることは、選考にとってとても有利なんです
ポートフォリオ全体に一貫したコンセプトがあると選考に受かりやすいです。他社との差別化にもなりますし、デザインに対して持っているこだわりや、デザイナーとして描いている未来像が、コンセプトからは垣間見えるかです。
冒頭の「相手目線」とも関係してきます。かっこいいだけのデザインよりも、おしゃれなだけのデザインよりも、相手に自分がどんな思いやこだわりで制作をしているのかが一貫して伝わるコンセプトのあるデザインの方が、相手は自分のことを理解してくれます。
はい。最後はこれです。「ここにきて根性論かよ!」と思う人もいるかと思いますが、やっぱりこれも大事です。
限界までこだわり抜いたアウトプットは見る人の心を打ちます。たとえ経験が浅くても、スキルが足りなかったとしても、強いこだわりを感じられれば「会って話したい」という気持ちになります。
ポートフォリオはデザイナーとしてのキャリアを左右する重要な要素です。一生懸命つくってきた作品だからこそ、デザインにかけた想いなどが伝わるようにしてほしいです。そうじゃないともったいないじゃないですか。
ここまで、受かるポートフォリオをつくるための注意点をまとめました。ただし、ポートフォリオは一度つくって終わりではありません。どんどんどんどんブラッシュアップしていくことが大切です。
ブラッシュアップする際におすすめなのが、第三者の目を借りるということ。学校の先生でもいいし、友人でもいいし、全くデザインを知らない人でもいい。第三者に見てもらうことでたくさんの新しい気づきが得られます。
もし、選考でポートフォリオについてフィードバックがあったなら、次の選考までに必ず反映させましょう。第三者に見られるのは恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、見てもらった方が確実にクオリティは上がります。クオリティが上がれば、選考に受かる可能性は必然的に高まります。どんどん見てもらいましょう!
最後に、僕が学生時代にやってよかったポートフォリオの戦略をご紹介します。
それが「ビジョンブック」というものです。ビジョンブックとは、これまでどのような人生を歩んできたのか?デザインという仕事を通して将来どうなりたいのか?を記載している冊子です。
なぜデザインをはじめたのか。デザインの何が好きなのか。デザインで何がしたいのか。このビジョンブックは、つくっていく過程で自分自身のやりたいことややるべきことが明確になり、それを相手にも伝えられる優れものです。
通常のポートフォリオに2倍くらいのボリュームで、つくるのは本当に大変でしたが、就活・転職活動では大きな武器になるので、ぜひつくってみてください。
ポートフォリオとは、冊子だけでキャリアを判断される、ある意味残酷なものです。それだけ重要なものでもあります。このブログでお伝えした内容も参考に、会いたくなる、話したくなるポートフォリオを目指してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!トゥモローゲートもデザイナーを絶賛募集中ですので、もし興味のある方はこちらを覗いてみてくださいね!ではまた