採用ブランディングの成功事例7選|人気企業の採用戦略を分析

2024.01.26

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採用ブランディングとは?成功する企業の特徴

採用ブランディングとは、求職者に対して企業の魅力を伝え、理想的な人材の応募を促すためのブランド戦略です。企業の理念や価値観を伝えながら、入社後の働き方やキャリア形成を可視化することで、ミスマッチを防ぐ役割も担います。

成功企業の共通点

採用ブランディングが成功している企業には以下の共通点があります。

・採用のゴールを「入社」ではなく「入社後の活躍」に設定している
企業の実態とイメージのギャップを解消する取り組みを行っている
・採用市場をリサーチし、自社の強みを的確に伝えている
・オウンドメディアやイベントを活用し、透明性の高い情報発信をしている

それでは、具体的な成功事例を7社紹介していきます。

採用ブランディングの成功事例① 伊藤忠商事|「入社後の活躍」を見据えた採用戦略

取り組みの背景と目的

伊藤忠商事は、「就職ブランドランキング」で4年連続1位を獲得するほどの人気企業です。しかし、従来の「体育会系」「文系男子」というイメージが根強く、多様な人材が活躍できる環境を正しく伝える必要がありました。

具体的な施策

  • 外部イベントへの出展
    理系女子など多様な属性の学生が集まるイベントに積極的に参加し、イメージを刷新。
  • 属性の近い社員との交流機会を設けたインターンシップ
    自分と似た先輩の成功体験を聞くことで、学生の不安を払拭。
  • ネガティブ情報も積極的に発信
    入社後のリアルを伝えることで、ミスマッチを防ぐ。

結果と効果

  • イベントやインターンシップの実施により、理系学生の応募率が向上。
  • 採用のミスマッチが減少し、定着率が向上。

参考:https://www.worksreview.jp/recruitment-activity/20230913-01

採用ブランディングの成功事例② メルカリ|ミスマッチを防ぐオウンドメディア運用

取り組みの背景と目的

メルカリは、日本最大級のC2Cマーケットプレイスを運営し、急成長を遂げている企業です。
成長スピードが速い企業では新たな人材の確保が重要ですが、企業文化とのミスマッチが課題となることが多くあります。そこでメルカリは、入社後のギャップを減らし、より適切な人材を採用するために「オウンドメディア戦略」を導入しました。

具体的な施策

  • オウンドメディア「mercan(メルカン)」の運営
    採用ブランディング専用のオウンドメディアを立ち上げ、「メルカリの人」に焦点を当てたコンテンツを配信。
    社員インタビュー、カルチャー解説、社内イベントレポートなどを掲載し、企業文化の透明性を確保。
  • 「People Branding」チームの設置
    採用・組織文化の発信を専門に担当するチームを設け、候補者との接点を強化。
  • 選考プロセスの透明化
    選考フローや評価基準を明示し、求職者が事前に企業文化を理解できるように工夫。

結果と効果

  • 「mercan」を通じた情報発信により、求職者の企業理解度が向上。
  • 入社後のギャップが減少し、定着率が向上。
  • 採用コストの削減にも貢献し、スムーズな採用活動が可能に。

参考:https://mercan.mercari.com/articles/2018-10-17-120942/

採用ブランディングの成功事例③ 日本マクドナルド|EVPを軸にしたハンバーガー大学

取り組みの背景と目的

日本マクドナルドは、多くのアルバイトスタッフと正社員が働く巨大組織です。
しかし、アルバイトの離職率が高いことが課題であり、「従業員が長く働きたいと思える環境づくり」が求められていました。そのため「企業が従業員に提供できる価値(EVP)」を軸に、教育とキャリア形成の強化に取り組みました。

具体的な施策

  • 「ハンバーガー大学」の設立
    従業員がリーダーシップ、チームビルディング、マネジメントを学べる独自の研修制度を構築。
  • キャリアアップの仕組みを強化
    アルバイトから正社員への登用制度を明確にし、長期雇用を促進。
  • 企業文化の浸透
    社員・アルバイト共に、企業理念を深く理解する機会を設け、従業員満足度を向上。

結果と効果

  • キャリアアップ支援により、アルバイトの離職率が低下。
  • 社員のマネジメント能力が向上し、店舗の運営力が強化。
  • EVPを前面に打ち出すことで、求職者のエンゲージメントが向上。

参考:https://www.mcdonalds.co.jp/sustainability/people/hamburger_university/

採用ブランディングの成功事例④ サイバーエージェント|採用市場を徹底リサーチ

取り組みの背景と目的

サイバーエージェントは、インターネット広告やメディア、ゲーム事業などを展開する企業で、特に若手人材の育成に力を入れています。競争の激しいIT業界では優秀な人材の確保が課題となっており、「自社の強みを的確に伝える」ことが重要でした。

具体的な施策

  • リサーチ会社と連携し、採用市場を詳細に分析
    「自社がどのように見られているか?」を数値化し、改善点を特定。
  • 内定者ヒアリングの徹底
    どの企業と比較されていたのか、競合分析を実施し、魅力の打ち出し方を最適化。
  • 採用戦略のブラッシュアップ
    得たデータをもとに、説明会の内容や選考フローを改善。

結果と効果

  • データを活用した採用戦略により、求職者のエンゲージメントが向上。
  • 競合との差別化を明確にし、志望度の高い候補者の獲得に成功。

参考:https://blog.reccoo.com/case/case581

採用ブランディングの成功事例⑤ エイベックス|泥臭い側面も積極的に発信

取り組みの背景と目的

エイベックスは、音楽や映像を中心としたエンタメ業界のトップ企業ですが、求職者のイメージでは「華やか」「クリエイティブ」といった表面的な魅力ばかりが先行し、本質的な働き方のリアルが伝わりにくいという課題がありました。その結果、入社後のギャップにより早期離職が発生するケースも見られました。

具体的な施策

  • 「泥臭い部分」をあえて発信
    採用コンセプトとして「モテる人・うごく人・つよい人」を掲げ、クリエイティブ業界で必要な資質を明確化。
    「つよい人」というワードを用いることで、華やかさだけでなく努力や根性が求められることを強調。
  • 社員インタビューを公開
    第一線で活躍する社員のリアルな仕事の様子や、困難を乗り越えてきたエピソードを発信。
  • 企業文化の徹底浸透
    内定者研修の段階から、実際の業務の厳しさを伝え、「本当にエイベックスで働きたいか?」を考えてもらう機会を設けた。

結果と効果

  • 採用メッセージを明確にしたことで、エイベックスの働き方に共感する求職者が増加。
  • 入社後のミスマッチが減少し、定着率が向上。

採用ブランディングの成功事例⑥ 集英社|仕事の面白さをダイレクトに伝える

取り組みの背景と目的

集英社は、日本を代表する出版社であり、「少年ジャンプ」「りぼん」などの人気コンテンツを多数持っています。出版業界は変革期を迎えており、特に若手の編集者を惹きつける魅力を伝えることが求められていました。

具体的な施策

  • コンテンツ制作の現場を可視化
    採用サイトで、「推しの子」編集担当のインタビューなどを掲載し、リアルな仕事の流れを伝える。
  • 動画コンテンツの活用
    実際の編集会議の様子を動画で公開し、どのようにアイデアが形になるのかを説明。
  • SNSを活用した情報発信
    採用広報専用のXアカウントを開設し、求職者に向けて定期的にコンテンツを発信。

結果と効果

  • 「集英社で働きたい」という志望者が増加し、選考倍率が向上。
  • 仕事のリアルな部分が伝わり、ミスマッチによる離職率が低下。

参考:https://www.shueisha.co.jp/saiyo/

採用ブランディングの成功事例⑦ トゥモローゲート|経営理念を軸にした採用戦略

取り組みの背景と目的

最後にトゥモローゲートの取り組みを紹介します。名立たる企業と比べると規模や知名度もまだまだですが、採用ブランディングに関しては自社・他社ともに多くの実績を残してきた自負があります。ここでは自社における採用ブランディング事例をお伝えしたいと思います。

トゥモローゲートが初めて新卒採用に力を入れたのは2014年です。当日は社員3名で、SNS運用なども始める前。認知度の高くない創業間もない会社に、どのように興味を持ってもらうかが課題でした。

具体的な施策

  • 「ようこそ、ブラックな企業へ。」というインパクトのあるコピーを採用
    あえて挑戦的なキャッチコピーを軸にブランディングを展開。
  • 経営理念の明文化
    ビジョン・ミッション・バリューを言語化し、求職者が「自分に合う会社か?」を判断できるようにした。
    中期ビジョンとそれぞれの達成要件まで明文化。

結果と効果

  • 約7,000名のエントリーを獲得。
  • その多くがエントリー時点からトゥモローゲートについて理解してくれている状態に。

採用ブランディング成功企業の共通点とまとめ

成功企業の採用ブランディングには、共通するポイントがありました。採用ブランディングの重要性が高まる中、今回の事例を参考に、自社に合った戦略を検討してみてください。

成功企業に共通する3つのポイント

  1. 採用のゴールを「入社後の活躍」に設定
  2. 企業のリアルな姿を透明性高く発信
  3. 求職者に対し、適切な期待値を持たせる情報提供を行う

また今回の記事を読んで、採用ブランディングに挑戦してみたいと思った方がいれば、ぜひトゥモローゲートにご相談ください。貴社の採用を変え、会社をさらによくするご提案をさせていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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巻木 周平

トゥモローゲート株式会社意匠制作部ライター。スポーツ新聞社でプロ野球の担当記者を4年半つとめた後、2020年に入社した。企業のキーパーソンへの取材をもとにしたインタビュー記事の作成や、企業のコンセプトコピー、商品のキャッチコピー考案などを担当している。

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