100人以上のコピーライター選考をしてわかった「未経験でも受かる人」の共通点

企業ブランディング事業を行う僕たちトゥモローゲートには、コピーライターが4名在籍しています。今でもコピーライター志望の方が毎週のように採用エントリーをしてくださいます。その中には実績のある経験者もいらっしゃいますが、6割程度の方はコピーライティングの実務未経験者です。

未経験者の場合は「将来性」が選考基準の多くを占めます。「将来性」をもう少し詳しく言うと、

入社後にスピード感をもって成長してくれるかどうか(潜在能力)
壁にぶつかっても粘り強く努力・挑戦を続けられるか(スタンス)

大きくこの2つです。どちらも100%備えているに越したことはありませんが、どちらか1つが突出していればもう一方を補える可能性が高いため、2つのバランスを見極めながら選考を進めています。

そんなこんなでこれまで100人以上のコピーライター選考を担当してきました。すると、なんとなく見えてきました。「未経験でも選考に受かる人の共通点」が。ということで書こうと思ったのが今回のブログです。

・新卒からコピーライターとして働きたい
・昔からの夢だったコピーライターへ転身したい
・フリーのコピーライターとして企業案件を受けたい

これからコピーライターを志す人の、キャリアを拓くきっかけとなるブログを書いていきます。一見、精神論に見える箇所もあるかもしれませんが、しっかりとした理由や根拠も添えています。ぜひ最後までお付き合いください。

(トゥモローゲートでは、スキルやポテンシャルだけでなく、会社の価値観にマッチするかどうかの「マインド面」も大きな選考基準となります。その上で今回は、マインド面ではなく、コピーライターとしてのスキルやポテンシャル、そして熱量という観点にフォーカスして書いていきます。)

【前提】そもそもコピーライターの仕事とは?

本題に入る前に、そもそもコピーライターとはどんな仕事なのか?認識を統一したいと思います。

僕はコピーライターの仕事を「志と価値の翻訳者」だと定義しています。

こんな事業で社会を変えたい!
この商品でお客様の生活をさらによくしたい!

企業や商品の持つ「志」や「価値」が、ターゲットに届くように“翻訳”する仕事です。

翻訳した言葉がテレビCMに流れることもあれば、新聞広告や雑誌広告に載ることもあります。企業のインナーツールやWebサイトに使用されることもあれば、イベントブースや屋外広告に打ち出されるケースも。

これは勤める会社によってマチマチでしょう。僕たちトゥモローゲートの場合、2024年2月の時点では企業のインナーツールやWebサイト、動画、パンフレットに掲載される言葉を考えることが多いです。

そんなコピーライターに求められる力は、文章やキャッチコピーを書く能力だけではありません。企業の「志」や「価値」の解像度を高めるヒアリング能力や、ヒアリングで取得した情報を客観的に分析・取捨選択する力、さらにはあらゆる業界から社会情勢に至るまで正しく把握する力など、多岐に渡ります。

「コピーライター=文章やキャッチコピーを考える仕事」と解釈されがちですが、それはごく一部。文章やキャッチコピーを考えるための下準備を高精度でやり切ることがとても重要になってきます。

決して簡単な仕事ではない「コピーライター職」の選考。未経験で受かるにはどうすればいいのか。

本題です。

未経験でも受かる人の共通点①恐怖を感じるほどの熱量をポートフォリオに込める

多くの場合、実務未経験であってもポートフォリオの提出はマスト条件になります。ここで多くの人は、自主制作物や広告コンペの提出作品、それらで受けた評価を提出してくださいます。もちろんそれらも大切ですが、選考を通過する人は、一味違う実績を提出してくださるケースが多いです。例えばこちら。

「“あなたのキャッチコピー50本を1円で書きます”というサービスを立ち上げました」

人の魅力を表現したキャッチコピー50本、1円で販売するサービスをSNSで展開し、実際にいくつか受注している人がいました。その人は、企業を相手に仕事をしたこともなければ、個人作品でアワードを受賞したこともありません。しかし、このポートフォリオを見た時に「一緒に働きたいな」と直感的に思いました。

冒頭にも書きましたが、未経験の方に求めるのは「将来性」です。将来性とは「入社後にスピード感をもって成長してくれるかどうか」「高い壁にぶつかっても乗り越えるまで挑戦し続けられるかどうか」です。

その点、たいした報酬も得られなければ、社会や企業に評価されるわけでもない50本1円のサービスをやりきってしまう姿勢、そこから滲む心の底からコピーライティングが好きで、心の底からコピーライターになりたいという想いは、将来性を感じるに余りあるポートフォリオでした。

コピーライターへの熱意や、コピーライターになる意気込みを、たくさん書いてくださる方もいらっしゃいます。想いは伝わります。時間をかけて書いてくださり、本当にありがたいです。でも、50本1円のサービスを提供し続けた事実には勝てません。厳しいかもしれませんが、比べものになりません。

「コピーライターになりたい想い」を「想い」で終わらせないでください。

「想い」が、誰の目が見ても明らかなレベルに昇華させてください。

架空の商品のキャッチコピーを1日100本Xでポストする
キャッチコピーに関するブログを1年間毎日書く
企業宛にキャッチコピー案を10000本書いて勝手に送る

なんでもいいです。成果につながらなくてもいいです。その過程で得た力や滲む熱量は、選考で必ず伝わります。

「すごい熱量」では足りません。「怖さを感じる熱量」が必要です。その熱量をポートフォリオに込めてほしいです。資料の見栄えを整えることも大事ですし、ポートフォリオ内の文章をキレイに書くことも大事ですが、もっ大事なのか、行動からにじむ熱量です。フルスイングでお願いします。

未経験でも受かる人の共通点②服以外はすべて脱ぎ捨てて面接に臨む

トゥモローゲートではポートフォリオ選考の後、初回面談というカタチで1時間程度の面談を実施します。どの企業も同じような流れかなと思います。ここでは「人柄」を中心に見させていただきます。具体的に言うと「一緒に働きたいと思えるかどうか」です。

この面談ではとにかく「自分をさらけ出す」ことを大切にしてほしいです。自分を必要以上に強くみせたり、必要以上に謙遜しないでほしいです。なぜなのか。それは、精神論でも何でもなく、コピーライターの重要業務「取材」に必要なスキルだからです。

コピーライターとして成果を出すには、キャッチコピーや文章を書くことと同じくらい、「取材」が重要です。取材の質がクオリティを左右すると言っても過言ではありません。その取材で効果的な情報を聴き出すために必要なのが、「自分をさらけ出す」ことなんです。

プライベートな人間関係をイメージするとわかりやすいかもしれません。

何考えているのかわからない。本音なのかわからない。そんな人と深い関係になれるでしょうか。難しいですよね。何かを隠している人に対しては、こちらも何かを隠したくなるもの。取材でも全く同じです。まずは自分がどんな人間なのか、さらけ出しましょう。取りつくろわず、ありのままの自分でぶつかりましょう。

そうすることで、相手の心を開くことができ、普段わざわざ口にすることがない「本音」を引き出すことができます。「本音」を軸に構成された文章やキャッチコピーは、見る人の心を動かします。逆に、どれだけキレイな言葉でもおしゃれな表現でも、上っ面の言葉が情報源だと見る人にも見透かされてしまいます。

「服以外はすべて脱ぎ捨てて面接に臨んでほしい」

感情論でも精神論でもありません。ふざけているわけでももちろんありません。コピーライターとして結果を出し、キャリアアップを続けていくには、必要不可欠なスキルでありスタンスなのです。

未経験でも受かる人の共通点③自分の「好き」や「オモシロイ」を押し付ける

「最も個人的なことが、最もクリエイティブだ。」

これは、2020年に映画『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞を受賞したポン・ジュノ監督のスピーチでの言葉です。元となったのは、映画監督マーティン・スコセッシ氏の言葉だと言われています。

この言葉には僕自身も強く共感しています。

誰かにアドバイスを受けて考えたアイデアや、何かを参考にしてつくった企画より、自分が「好き」だと思うことや「オモシロイ」と思うことを起点に考えたモノの方が、結果的に多くの共感を得ることができる。

未経験からコピーライターになりたい人にも、大切にしてほしいです。課題選考やインターン選考など、実際に何かをつくらなければいけない選考では、自分の「好き」や「オモシロイ」を押し付けてください。

提出してくださるキャッチコピーや企画が、どこかで見たことのあるものや、“あのオマージュなんだろうな”と思うものだと、印象には残りにくいです。採用の選考とは、その人のことを知る場です。なのに、せっかくアウトプットしてくれたものの影に「その人ではない誰か」が滲むのは、もったいない。

もちろん、僕たちの仕事は「言葉の力でお客様が求める成果を生み出し、理想の未来へ近づけること」ですから、自分たちの好きを押し付けるだけではいけません。でも、発想の起点は「好き」であるべきです。

このキャッチコピーであれば、絶対に成果につながるはずだ。
この企画であれば、絶対に理想の未来へ近づけるはずだ。

自分が心から「いい」と思えるかどうか?を追求して生まれたモノはきっと、人の心を震わせ、共感を呼びます。なぜならそこには「圧倒的な熱量」があり、その熱量は必ず伝わるからです。

著名なクリエイターを例に考えると、わかりやすいかもしれません。

ONE PIECEの作者尾田栄一郎さんは、4歳から漫画家に興味を持ち始め、中学2年生から黙々と漫画を描き続けました。漫画への異常な愛がメガヒット作品の源泉であることは、言うまでもありません。

画家のピカソは生涯15万点近くの作品を残しました。80年近く現役だったと言われていますから、年間1800作以上、1日5作品以上を“納品”した計算になります。異常な「好き」がなければ、こんなアウトプットできません。

作詞家の秋本康さんは、通算3000曲以上の作詞をしており、加えて映画、ドラマ、バラエティ、小説など数え切れない作品を生み出しています。好きが源泉になければ成り立たないことは火を見るより明らかです。そしてこの大量のアウトプットがあるからこそ、いくつかのメガヒットが生まれているわけです。

「そんな偉人たちと一緒にしないでくれ」

と思った方は、もしかするとクリエイターには(コピーライターには)向いていないかもしれません。彼らに負けないくらいの「好き」があり、「好き」を追求し続ける熱量があり、目の前の課題やお客様と向き合い続けてやっと、コピーライターは成果を生み出すことができます。

言葉一つで大金を動かす仕事です。それに見合った熱量が、思考量が、行動がなければいけません。

選考で与えられた課題に対して、「自分がオモシロイと思えるかどうか?」を基準に考え尽くしてください。「この企画を自分は好きになれるか?」を追求してください。最終的なアウトプットが本質からズレていたとしても、その過程からにじむ熱量は伝わります。その熱量が、入社後に活躍する未来とイコールなんです。

未経験から挑戦するすべての人へ

コピーライターにフォーカスしましたが、「未経験」から挑戦する全ての人にあてはまるのではないかと思います。スキルや実績で勝負することはできません。でも、スキルや実績を“これから積んでくれるだろうな”と期待してもらうために、できることはたくさんあります。このブログが、新しいキャリアを切り拓くきっかけになれば幸いです。

トゥモローゲートでは、コピーライターの採用を実施しています。これからコピーライターになりたい未経験の方はもちろん、経験者の方のエントリーも大歓迎です。気軽に話を聞いてみるだけでも構いません。興味を持ってくださった方は、ぜひ気軽にご連絡ください。

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