「点字ブロックを踏んでいるように見えるからこのデザインはNG」と言われてハッとした話

点字ブロックを踏んでいるように見えるからNG。

過去にこんなことがありました。

とあるWEBサイトのデザインを制作した際、写真とデザインを複雑に組み合わせたページを社内で提出しました。クリエイターの皆さんには「めちゃめちゃいい!」と嬉しい言葉をいただいたのですが、お客様について誰よりも詳しいプロジェクトマネージャーから、こんなフィードバックをもらいました。

「デザインとしては最高だと思う。でも、この写真の箇所。社員さんが点字ブロックを踏んでいるように見える。お客さんはこんなことはしない。手間かけるけど、そこだけ修正してほしい」

ハッとしました。デザインクオリティの視点だけでなく、デザインがお客様に与える影響や、ブランドイメージの視点から、フィードバックをいただいたんです。このページは、街中で撮影した写真を切り抜いて作成したものでした。意図せず、社員さんの足元と点字ブロックが、重なって見えてしまっていたんです。会社の顔とも言えるWEBサイトで社員さんが点字ブロックを踏んでいる(ように見える)。あってはならないことですよね。

それ以来、デザインのフィードバックはデザイナーにもらうべき、と短絡的に考えないようにしています。クライアントワークの場合は特にそう。プロジェクトマネージャーをはじめ、いろんな職種からフィードバックをもらうようにすることで、デザインクオリティの面でも、お客様の視点でも、本質的にいいデザインに仕上げることができます。

未完成のデザインでも怖がらず相談しましょう。

相談する相手の話をしましたが、相談するタイミングも柔軟に考えるのがおすすめです。具体的には、完成させたデザインだけでなく、未完成の段階でもフィードバックをもらうようにするといいです。「今こんな感じで進めているんですけど、どう思いますか?」みたいなイメージです。すると、自分のエゴで進めてしまっていた箇所に気付けたり、そもそもの方向性のズレを、早い段階で修正することができます。結果的に効率がいいんですよね。

制作過程のデザインを誰かに見せるのって、恥ずかしいです。完成度低いなと思われたらどうしよう…と不安になりますし、それを払拭するために「まだ制作過程なんです」と補足するのも精神的な体力を使います…。この“恥ずかしい”という気持ちを取り除き、怖がらず相談することが、クオリティの高いデザインの第一ステップです。

デザイナーの使命は、お客様の成果につながるデザインをつくることです。ということは、成果につながる“相談”をするのもデザイナーの使命だと思うんです。恥ずかしくなんてありません。むしろ、相談せずにクオリティの低い初稿を出してしまってお客様にガッカリされたり、誰かに巻き取られたりする方が恥ずかしいです。

だったら、恥を恐れず、怖がらず、いろんな人にどしどし相談しましょう!いろんな視点から遠慮なく意見をもらいましょう!一時的に傷つくこともあるかもしれませんが、その先に待つ成果を考えたらへっちゃらです。

デザインはひとりで完成させるものじゃない。

自分のデザインは、自分一人でつくりあげたい!そんな気持ちはプロとして大切だと思います。でも、デザインは、自分のレベルを上げるためではなく、お客様の成果を上げるためのものです。そこから目を逸らさず、アクションを考えれば、自然と「いろんな人に相談しながらデザインを仕上げていこう」という思考になるはず。

トゥモローゲートに入社した当初の私は「任されたデザインは、一人で完璧な初稿を提出せねば!」という思いでやっていました。でも、それだと自分一人の視点しかないので、本質とズレたデザインに仕上がってしまうことが多かったです。初稿提出前からいろんな人に相談し、意見を取り入れることで、求められるクオリティに応えられるようになっていきました。

また、制作過程からいろんなメンバーを巻き込むと、「このデザインは、こういう意図のもと、こういう経緯でつくられた」という共通認識ができます。すると、その後の進行や意識決定のスピードが早くなり、結果としてお客様の成果につながっていきました。デザインに迷っている方がいれば、ぜひ、試してみてください!

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