理念浸透の研修を“年に一度の儀式”で終わらせない。─ 認知で留めず、習慣・文化を育てる方法

2026.01.27

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「理念を大事にしたい」──そう思って、毎年きちんと研修をしている。
それなのに、現場の行動は変わらない。
理念は唱えられているのに、判断や動きには使われていない。

そんな“もどかしさ”を感じられている経営陣や人事担当、経営企画部の方へ。

このブログでは、ありがたいことに年間延べ1500人に向けて研修をさせていただいた事例をもとに、理念浸透の研修を「年に一度のイベント」で終わらせず、日常の行動や組織文化として根づかせていくための具体的な考え方と実践方法をお伝えします。

理念浸透の研修が“形骸化”してしまう理由

理念浸透の研修は、多くの企業で「年に一度のイベント」「新人研修の1コマ」などとして位置づけられています。
しかし現場の実態を見ると、研修当日のモチベーションは高くても、翌日には日常業務に飲み込まれ、行動が変わらない──そんなケースが少なくありません。

最大の理由は、「知ってもらうこと」「覚えてもらうこと」がゴールになってしまっているからです。
理念が“会社が言っていること”とどこか他人事で留まり、個人の共感や日常業務に紐づいていない状態では、日々の行動に反映されることはありません。

理念研修=「伝える場」で終わりになっていないか

多くの理念研修は、
・理念の背景説明
・価値観の共有
・歴史や想いを伝える
といった“インプット中心の構成”になりがちです。

もちろん「伝える」ことは不可欠です。
しかし、それだけでは理念が“情報”として頭に残るだけで、行動の判断軸として機能しません

理念は WHY(存在意義)→HOW(方針)→WHAT(行動) の順で体験されてはじめて、文化として根づきます。つまり、理念は“受動的に聞くもの”ではなく、自ら解釈し、行動に変換するものなのです。

「理解」と「行動」の間にある“壁”とは

社員が理念を理解しているにもかかわらず行動に移せない理由は、
「わかる」と「できる」の間に大きな壁があるためです。

・理念を知っている
・言葉を唱えられる
──ここまではできるという声をよく耳にします。

しかし、
「明日からどの行動を変えれば“理念体現”と言えるのか?」「ビジョンに向けて今日何をしたのか?」
と聞くと、多くの社員さまが言語化できないのではないでしょうか。

理念は抽象度が高いため、行動への翻訳がない限り、現場では使われません
この“翻訳の壁”を越えられない限り、理念浸透は形骸化し続けます。

理念浸透を“年に一度の儀式”で終わらせない3つのポイント

では、具体的にどのような方法であれば、真の浸透につながるのでしょうか。

ポイント1)理念を“翻訳”し自分の言葉で語れるようにする

理念浸透の第1ステップは、理念の文言を暗記することではなく、“自分の言葉で語れる状態”になることです。

・理念のどの部分に共感したか
・自分の仕事にどうつながるのか
・どんな行動が理念体現といえるのか

これらを自分の言葉で説明できるようになると、理念は“外から与えられた言葉”ではなく、自分事になります。

弊社がご提供する理念浸透研修においても、“理念の翻訳ワーク”を通して 自分自身の体験や価値観と接続する時間をつくっています。 文言を覚える研修ではなく、理念の解像度を自分で上げる研修が必要なのです。

ポイント2)理念研修の目的を「理解」から「共感・行動イメージの明確化」へ変える

理念研修のゴールを 「理念の理解」ではなく「行動イメージの明確化」に再定義します。

ここで重要なのは、
「頑張る」「意識する」など、曖昧な行動目標にしないこと。

“誰が見ても○か×かで判断できる”レベルまで具体化された行動を導く必要があります。

弊社が実施している「マイビジョンマップ」ワークにおいても “行動レベルの具体文言” を掲げるよう徹底しています。「グッドキャリア企業アワード2022」にて厚生労働省人材開発統括官表彰を受賞させていただいたキャリア形成ワークです。

マイビジョンマップとは:https://tomorrowgate.co.jp/blog/4081/

ポイント3)研修後に“理念を体現する場面”を設計する

理念浸透の本番は、研修の翌日からとも言えます。
研修での学びは、日常の中で“実践できる場面”がなければすぐに薄れてしまいます。

弊社のコンサルティングでも、ブランド文化をつくるうえで
理念が使われる仕組み」を整えるところまで伴走するのが特徴です

理念は、継続的な接点の設計により習慣化が後押しされます。

“理念を使う組織”を育てる社内体制とは

では、継続的な接点の設計とは具体的にどのような内容でしょうか。

業務や日常に結びつける

理念は、業務フローやコミュニケーションの中で“使われる”ことで文化になるため、仕組みや社内制度として日常に落とし込みます。

例:

・行動指針を使った1on1
・成功事例を「どの行動指針が活かされたか」という観点で共有
・営業プロセスへ行動指針チェックの組み込み
・理念からひも解いて策定された判断基準により企画実施可否を判断
・理念を体現する福利厚生の設計

業界などによってマッチする方法は変動しますが、1on1での活用や全社会議でのテーマ設定、福利厚生ですと業界業種問わず比較的取り入れやすいのではないでしょうか。

評価に落とし込む

理念体現を “評価に反映する” 仕組みをつくります。

理念を体現しても評価されないと、社員は「やらなくても困らない」と判断してしまうためです。

・定性評価(理念体現行動)
・定量評価(成果・スキル)
をセットで評価することで、理念は“言葉”ではなく“仕事の基準”になります。

トゥモローゲートが提供する理念研修 顧客事例

新入社員向け:基礎スキルと理念を“行動”で結びつける研修

新入社員研修では、社会人としての基本動作と経営理念をセットで学べるように構成しました。
象徴的なのが「挨拶」。その企業では行動基準に挨拶が明記されていたため、「なぜ自社は挨拶を大切にするのか?」 「どんな挨拶が自社らしいのか?」を自分の言葉で考えてもらい、具体的にどんな場面で体現できるかをディスカッション形式で整理。

また、新人社員さま向けだからこそ基礎ビジネススキルの研修と掛け合わせることで興味のあるスキルと理念を自然に接続する学びをつくりました。座学だけでなく“明日から行動に移せる研修”として設計した事例です。

中堅社員向け:キャリア再考に“理念”を重ね直す研修

離職が起こりやすいといわれる中堅層の方へは、人生のビジョンと会社の理念を重ねる「マイビジョンマップ」を活用するケースも多くあります。
「自分はどんな人生を描きたいのか」「その未来と理念はどこで接続できるのか」 を整理することで、日々の業務の意味づけが深まり、仕事に向かうエネルギーを取り戻すことを狙いました。

理念を押しつけるのではなく、“自分のキャリアを支える軸”として再定義する時間をつくることで、中堅社員さまにとって今の会社にいる理由を自ら見いだす状態をつくった研修です。

全社員向け:1200名で“会社について考える文化”をつくる研修

約1200名・41グループで実施した大型研修では、目的を 「全社員が会社の未来を考える文化づくり」 に設定。心理的ハードルを下げるためのポップな告知、価値観共有の自己紹介、ビジョン実現に必要な行動・制度・イベントを企画するワークなど、参加者が主体的に考える設計を行いました。

最終発表された案は経営層が持ち帰り、実際に制度として最終精査まで残った案も複数。研修後はコミュニケーション改善や理念に基づく取り組みの増加など、“研修をきっかけに組織が動き出す”状態が生まれた事例です。

まとめ

理念浸透は「年に一度の研修」ではつくれません。
理念を文化にしていくには、

  1. 理念を自分の言葉で語れる状態づくり
  2. 理解ではなく行動レベルまでの具体化
  3. 日常と制度に織り込む仕組み化

の3つが必要不可欠です。

理念は決めるものではなく、使うもの。そして使われ続けたとき、はじめて企業文化として根づきます。各企業さまごとに最適な方法をご提案いたしますので、お気軽にご連絡くださいませ。

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また、ここまで読んでくださった方の中には、

「そもそも自社の理念は、今どの程度浸透しているのだろう?」
「実施はしてるけど、その効果を社内に提唱したい」

そう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

理念浸透は、やみくもに施策を打つ前に、まず“現状を正しく知ること”が何より重要です。

そこで私たちは、社員の声をもとに、理念・組織文化・行動の一致度を可視化する組織診断サービス「B-SCORE」をご提供しています。

B-SCOREは、

・理念がどこまで“自分ごと化”されているのか
・どの階層・部署でズレが起きているのか
・文化として根づく手前で止まっている要因は何か

といった状態を、感覚ではなく数値データとして整理できるサーベイシステムです。

B-SCOREの詳細はこちら

理念は「掲げる」だけでは、文化にはなりません。
今どこで止まっているのかを知ることが、次の打ち手を正しく選ぶ第一歩になります。
理念策定〜浸透・制度設計・アウトプットなどと文化づくりまで一貫して伴走してきたトゥモローゲート株式会社だからこそ、各社さまの状況に合わせた“無理のない浸透の進め方”をご提案いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

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大西 麗美

トゥモローゲート株式会社戦略企画部ブランディングプロデューサー。2021年に新卒入社。16企業の新入社員全44名がファン増加数を競うSNS企画を主催し、計17000名のフォロワーを増加させた。現在は、新入社員から役員まで年間のべ1500人の理念浸透研修の担当に加え、営業からコンサルティング、自社SDGs事業など幅広い領域で活躍。

TEL 06-7167-3950

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