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ブランディングミッション・ビジョン・バリューオモシロイ会社

ビジョンへの道筋はググっても出てこない

ビジョンへの道筋はググっても出てこない

こんにちは。自宅のインターネット開通のためのやり取りが炎上していて、コールセンターとバチバチやりあっている西崎隼平です。そのコールセンターの会社の理念にも崇高な言葉が書かれていて、体現する気のない理念ほど無意味なものはねえなとしみじみ思う皐月を過ごしています。

ということで今日のブログもテーマは『経営理念』。前回の予告通り、TOMORROWGATEの理念ができるまでを具体例に、経営理念というものを掘り下げてみたいと思います。
(前回の話はコチラ→「理念で嘘はやめた方がいい」

経営理念を掲げて起こりがちな問題

「世界一変わった会社で 世界一変わった社員と 世界一変わった仕事を創る」

これ、私たちの経営理念の中の“ビジョン”にあたります。変わった=オモシロイことをやっていく会社。これは創業当初から変わっていません。ただ、社員10名くらいになったときにある事件が起こります。

「隼平さん、オモシロイ会社にするためにこんなことやっちゃいましょうよ!」

入社1年目の若手メンバーがそんなこと言ってきてくれたらうれしいですよね。ただね、そこで上がってきた企画を見て、その子が考えるオモシロイと会社が考えるオモシロイがちょっと違うなーってなったんですよ。だから「もっとこうしたらいいよ」って指摘を入れつつ(優しくね)、僕の方で棄却したんです。

そしたらね。

しばらくすると「世界一変わった会社を目指している会社の役員が一番つまんねぇ」みたいな空気になっちゃうんですよ。

これ、マネージャーの皆さん、あるあるではないですか?
想いは昔から変わっていない。でも、伝わらなくなってくる。
そんなことが起こるんです。

では、何が原因だったんでしょう?

言ってきた社員が悪かった? → 違います。
ビジョンがズレてきた? → 違います。
僕がつまんなくなった? → 違います。(たぶん)

答えは、PCなら12行ほど、スマホなら15行ほど遡ったところにあります。

「その子が考えるオモシロイと会社が考えるオモシロイがちょっと違った」

ここなんです。要は同じ言葉は共有していたものの、そもそもその言葉の受け取り方がズレていたんですよね。

これって怖くないですか?

なんとなく同じ話をしているのに、全然違う方向に向かってる。まるでアンジ〇〇シュのネタみたいに。(〇島さんがんばれー)

ここで一つ例え話を。

皆さん、「世界一変わった国で待ち合わせ」って言われたらどこを想像しますか?

世界の経済をリードするアメリカ?
人口を爆発的に増やしているインド?
謎が多い北朝鮮?

ほら。

この時点でみんな全然違う場所に行っちゃいますよね。

こんなビジョンに意味ありますか?

必要なのは認識の統一 事例「ビジョンマップ」

トゥモローゲートで起こっていたこと、それが“認識のズレ”。当時メンバーは10人でしたが、役員3人“ゾッ”としました。「これ放っておいて20人、50人とかになってったらヤバくね?」みたいな。

そこからソッコウで一泊二日の役員合宿。何をするかも決めないまんま“危機感”だけカバンに詰めこんで合宿にいきました。

その時の議事録がこちら↓

トゥモローゲートのビジョンマップ

うちの池田すごくないですか?

「その日の打ち合わせの議事録見やすくまとめておいて」に対してこのクオリティ。神ってますよね。(そんな池田が書いた秀逸な記事はこちら

こんな形で理念をまとめるって大事やなと。少しでもみんなが迷わないように。
これをウチでは“ビジョンマップ”と呼んでいます。
読んで字のごとくビジョン達成のための地図です。

ビジョンマップに織り込むべき2つの要素

ビジョンマップを作るうえで大事にしていたポイントが二つあります。
一つは、これまでの話にあったこと。

同じ場所を見れるように定義すること

これについては、TOMORROWGATEのオモシロイとは何かを示す方程式、

TOMORROWGATEのオモシロイとは何かを示す方程式

ここで解決しました。これを決めたことである変化が起きました。

とある会議のワンシーン。メンバーそれぞれが企画に対して様々な意見を投げる中、入社2年目の男の子が言いました。

「この企画、“ささる”要素はあるけど、“あがる”要素はないから、ウチがやる“オモシロイ”ではなくないですか?」

これですよ。これ。

会社が本質的に考えていた要素を分解して言語化することで、メンバー自身がそれにのっとって自分で考える。これが大事なんですよね。

これでトゥモローゲートは会社一丸となってビジョンに向けて邁進していきましたとさ。めでたしめでたし。。。

とはならないんです。

これはあくまで“行く先”に対して共通の認識を持てた状態。それだけでは、ビジョンに向かって「邁進~イェーイ!」とはならないんです。

そこでもう一つのポイント。

ゴールを細分化し、今動けるようにすること

もう一つ例え話を。

皆さん、「いまから町一番の繁華街に行って」って言われたらどこに向かいますか?私の場合は心斎橋駅に向かって御堂筋線で梅田へ…って感じで一歩目が出ます。ただ、「いまから北極行って」っていわれたらどうでしょう?

まずは空港?
空港ならどこでもいいの?
そもそも空港なの?

ほら。

こんな様子じゃいつまで経っても北極に着かない。それどころか近づくこともできない。みんな北極自体は知っているのに。

実際の北極ならググればいいです。ちなみに北極へはヨーロッパから行く方法とカナダから行く方法があるらしく、スピッツベルゲンクルーズでロングイヤービーンへの発着が人気だそうです。

https://tokuhain.arukikata.co.jp/poles/2015/12/qa_1.html

ただ、会社が描くビジョンへの道筋はググっても出てこない。だからこそ、考えて細分化することが大事なんです。

まずは向かうべき経由地(中間点)を考えて、そのためにどんなステップを踏む必要があるのかを考える。これを細分化したときに一番近くにあるものが、いまやるべきことになります。

そうやって今日のアクションに落とし込み、中間点に向かっていけば、ビジョンに近づいている実感が湧きます。

ウチでいうところのコレです↓

中期ビジョンと達成要件
定量目標、具体的なアクション

ビジョンマップを作ることで得られる3つの効果

1.同じ場所を見れるように定義すること
2.ゴールを細分化し、今動けるようにすること

この2つをしっかりと定めてビジョンマップを作ることにより、3つの効果が得られます。

①採用が強くなる

なぜかって言うと、求職者の方が来たときに「あ、この会社マジだな」って思ってもらえるからなんです。求人広告で企業がビジョンを語っているのを見ると、どの企業に対しても少なからずそう思います。ただ、それを見て興味を示した求職者が実際に会社に行ってみると「あんなの建前だから」とか「まあ、夢は大きくね。。。」みたいなことを耳にしたらどうでしょう。

「実際は全然違うやん。」

ってなりますよね。逆にみんながビジョンに対してやっていることを本気で語ってたら 「あ、この会社マジだな」 ってなります。

②会社のブランドイメージがパキッとしてくる

みんなが同じ方向に歩いていくということは、ほかの余計な事に目が向いていないということです。それって、やるべきことがハッキリしているんだと思われですが、実は、やらないことがハッキリしているってことなんです。

毎回飲みの誘いを断り続ける友人A君は次第に誘われなくなります。なんでって?「A君、誘っても来ないじゃん」ってイメージが定着するからです。これはA君にとっては願ったり叶ったり。だって、行きたくないんですから。誘われるのも煩わしいA君にとっては、面倒なことを言われないこと自体がうれしいことなんです。※僕は誘いを断らないタイプです。

会社も同じです。全員が一貫した行動をとっていて、やらないことがはっきりしていると、その組織が持つイメージはパキッと定着していきます。すると、価値観が合うお客さんとだけ仕事をすることができたり、さまざまなメリットがあるんです。

③ビジョンに近づく

当たり前といえば当たり前なんですが、大きな目標を達成するためにはいくつもの小さな工程が必要です。その一つを完遂したということは目標達成に近づいたってこと。その小さな工程がビジョンマップに書いてあれば、なおいいです。その工程を踏んでいけば、おのずとビジョンの実現に近づいているということですから。

経営理念の浸透に必要なステップ

かくしてビジョンマップは出来上がったわけですが、作るだけで経営理念を体現できるなら誰も苦労はしません。大切なのは、その後の運用です。

理念浸透のステップ

ビジョンマップを作って社内に共有した時点で達成できるのは、浸透に必要なフェーズでいうところの「認知」までです。そこからしっかりと説明することで「理解」を生み、体現して見せることで「共感」につながります。さらに、策定者、ウチでいうところの経営層が経営理念に則った行動を継続することで伝播し、ゆくゆくは文化となっていきます。

各フェーズごとに何をすべきかは長くなるので、次回以降のブログのテーマにしたいと思います。

経営理念をぶち壊す破滅のことば「とはいえ。。。」

崇高な経営理念を掲げても現実にぶつかることって多々あると思います。そんなときに出てくる悪魔のことばが「とはいえ。。。」です。

「私たちは社会に貢献する。とはいえ、今は売り上げが足りていないから、何が何でも売り上げろ。」

こんなことを言っているとたちまち周りは「そんなものか。。。」と思ってしまいます。やると決めたら覚悟をもって徹底して継続する。本当に、ここに尽きます。

「畳を土足で上がらない」が経営理念の最終形

みなさんは、畳の上に「土足厳禁」と書いているのを見たことがありますか?少なくとも私は見たことがありません。そんなこと書いていなくても、日本に生まれ育った人は当たり前のように靴を脱ぎますよね。

でも、最初からそうだったわけではないと思います。日本で最初に畳を開発した人はおそらく、土足で上がる人を何度も見たと思います。そのたびに口酸っぱく言い続けたのでしょう。「ここは土足で上がる場所じゃない」と。言い続けることで少しずつ浸透していき、それが子や孫の世代に伝わっていき、誰も土足で上がらなくなった。誰も土足で上がらないから、初めて畳を見た人も「上がってはいけないのではないか」と考え、やはり上がらない。ここまでくると完全に文化ですよね。

経営理念も同じです。先輩から後輩へ、それが新入社員へと受け継がれていくうちに文化に育っていきます。そのために継続し、やり続けること。それが、経営理念浸透の最終目的だと思うんです。

その経営理念を浸透させる過程で、課題を感じられている経営者様。いつでもお問い合わせください。

…営業で締めくくることができて、お後がよろしいようなので、今日のブログはこの辺で。
読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

西崎隼平@ブラックな役員
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トゥモローゲート株式会社常務取締役。ブラックな企業の営業企画を統括する最高戦略企画責任者。社員5万人、FORTUNE500に10年連続で選出される企業から、当時社員7人だったトゥモローゲートに入社した。現在は戦略企画部のマネジメントや新規事業の推進を担当している。代表・西崎の実弟。

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