こんにちは。PRディレクターのmihoです。
私はトゥモローゲートの人事総務部兼広報発信部として、社内制度の設計や働き方改革に取り組んでいます。その中でも特に「働き方改革」について試行錯誤を続けてきました。というか、悩み続けてきました。
弊社のような社員48名ほどの中小企業が、政府の提唱する制度をそのまま導入することは難しい…。
同じ悩みを抱えている中小企業の人事担当者は少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は中小企業の「働き方改革」について書いていきます。政府が提唱する働き方改革とは「どんなものなのか」そして「中小企業が実施するためにはどうしたらいいのか」を、トゥモローゲートの実際の取り組みを交えてお伝えしていきたいと思います。
INDEX
ここ数年メディアでもよく取り上げられるようになった「働き方改革」
ネットでは様々な定義が挙げられていますが、そもそも「働き方改革」ってなんなの?というところからヒモ解いていきたいと思います。
厚生労働省が発表した定義によると「働き方改革」とは、働く人が個人の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革です。
導入に至った背景には「少子高齢化による大幅な人口減少」があげられています。育児や家事との両立など働きたい人のニーズが多様化していてこのままでは労働人口が不足してしまう。それを補うために導入されました。
従来の労働環境では働くことができないひとに対して柔軟な働き方を提示することで、経済的な戦力をふやすのが目的です。内閣府が本格的にのりだした結果2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されています。
国会で成立した「働き方改革関連法」は大きく8つのカテゴリーにわかれています。
なかでも大きくかわったのが「残業時間の上限規制」と「有給休暇の取得を義務化」ではないでしょうか。
有給休暇について企業は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、1年以内に5日の年休を取得させるよう義務付けられました。
社員は自ら時季を指定して取得した日数と計画年休の日数を5日から差し引くことができます。その義務を果たさなかった企業には罰則が課せられるケースもあります。
とくに中小企業は働き方改革による生産性の向上を期待されています。しかし、中小企業は大企業と違って人数が少ない一方、会社を大きくするフェーズにあるからこそ業務の量は多い…というのが現実です。
そんな状況下で政府が提唱する「働き方改革」を完璧に実施するのはなかなか難しいんです。業務量に対して人材が足りていないため有給取得がむずかしかったり、残業時間が増えたり…。中小企業あるあると言えるでしょう。
過去に私が従事していたサービス業はその傾向が顕著でした。有給が取りづらく、連休は取れても3日。退職するときにようやく消化できたくらいで、他の業界に転職した人はみんな「有給は幻だと思ってた…」と口を揃えます。業界に違いはあれど、それが中小企業における労働環境の一般的な現実です。
では、従業員に過酷な労働環境を提供し続けなければいけないのか?休みを取らせてはいけないのか?といわれると、そうではありません。そんななかでも企業としてできることはたくさんあると思っています。
ここからはトゥモローゲートが独自に採用している働き方改革の施策をご紹介します。
弊社トゥモローゲートも、働き方改革の実施が難しい中小企業の1つです。会社を大きくしていくフェーズだからこそ、時期によっては労働時間が長くなることもあります。
しかしその現状を「仕方ない」で片付けることは決してしません。働き方もしくは休み方を改善するためにさまざまな社内制度を独自で導入しています。以下で紹介します。
入社2年目以降の社員は働き方を自由に選択することができます。
・ワークライフバランス
→9:00~18:30勤務。仕事とプライベートを両立できる勤務体系。
・フルフレックス
→出勤時間・退社時間は自由。コアタイムなしのオールフリーな勤務体系。
新卒の入社1年目はワークライフバランス、2年目以降は2つの働き方から選ぶことができます。中途社員は入社後の働く姿勢に問題がなければ順次ワークライフバランスに切り替えとなります。
終業後にプライベートな予定がある人はワークライフバランスを選んだり、お子様のお世話や家事で朝が忙しいひとはフルフレックスを選んだり、本当に自由です。生活スタイルに適した働き方を選択することができます。
入社日より有給休暇+特別休暇を合計20日間付与しています。取得日は自由に設定できるので取得率は100%となっています。たとえば、世間的には祝日の日を出勤日に変えてどこか違うタイミングの平日を休日にするなど、自由に選択することができます。
年に1回、本人及び配偶者の1親等までの誕生日に特別休暇を1日まで取得できます。旦那さん、奥さん、お二人のご両親、誰でもOK。誕生日当日でなくてもOKです。たとえば4月1日が誕生日の親族がいる場合、その日は通常出勤にして、どこかの月曜日にファミリーバースデー休暇を取得して三連休!なんて使い方もできるんです。
結婚初年度は1日。5年・10年・15年の結婚記念日には3日間の特別休暇を取得できます。結婚記念日は忙しくなるとおろそかになりがちです。だからこそ会社として制度を整える必要があると思い、この特別休暇を導入しました。
どのタイミングでも最長1年間の長期休業を取得できます。留学や長期旅行など特別な理由がなくてもかまいません。違った環境で過ごしてみたい。違った世界を見てリフレッシュしたい。そんな気持ちになったときには正式な休業期間を過ごすことができます。
体調不良など働きたくても欠勤がやむを得ない場合、病院の領収書もしくは診断書を提出すれば年間3日までは給与の全額を会社が保障する制度です。体調管理も仕事のうちとはいいますが、やむを得ない場合もありますよね。そんなときに有給を取得することができます。
産休は予定日の3ヵ月前から最長で10年間取得可能です。そして男性、女性どちらでも取得可能です。10年間という長い期間を設けることで誰でも安心して取得してもらうこと、さらに男性でも取得できることで、それぞれの家庭にあった休日を設計することができます。
毎月最終の月曜日は出勤時間を15:00とし、前日や月曜の朝を有効活用してリフレッシュできる制度です。
これは、政府が提唱した「プレミアムフライデー」を参考にしています。金曜日の15:00に退社!といわれても日本人の性格上なかなか難しい…。そこで翌週の月曜日の出勤時間を繰り下げることにしました。社員のブラックマンデー利用率は7割を超えています。
今回紹介するのは以上です。トゥモローゲートが掲げているVALUEの中に「仲間を愛し家族を大切にしよう」という守る価値観があります。そのため、家族に関する制度が今は多くなっています。
ここからは他の企業の活用事例を紹介していきますね。私は普段「トゥモローゲートでもできることはないかなー」なんて思いながら他社の取り組みをチェックしています。その中でも気になったものをいくつかご紹介。
・土曜日祝日振替特別休日
祝日が土曜日にあたった場合、前労働日を振り替えて特別休日となる制度です。おもしろいですよね。必然的に3連休になるということです。
ヤフー株式会社 採用サイト引用(https://about.yahoo.co.jp/hr/)
・週休「3日」。年間休日145日
2021年4月から有休を除いた年間の休日を130日から145日に増やすことが発表されました。週で換算すると「週休2.8日」になったそう。
気になる給与の変化ですが、1日の労働時間を7.5時間から8時間に30分延長することで年間の所定労働時間をキープしており、給与の減少はないそうです。
株式会社 リクルートホールディングス 採用サイト引用(https://www.recruit-jinji.jp/)
・朝方勤務
午後8時から午後10時までの勤務は「原則禁止」、午後10時から翌日午前5時までの勤務を「禁止」としました。逆に午前5時~午前9時は深夜勤務と同じ割増手当が付くようにし、さらに午前8時までに出社した社員には軽食を無料で提供することで夜型の働き方を朝型に切り替えることを促した制度です。
伊藤忠商事株式会社 採用サイト引用(https://career.itochu.co.jp/student/#Top)
・ハッピーウェンズデー
毎週水曜を定時退社の日とする「ハッピーウェンズデー」は、IT人材事業本部独自の制度。早めに退社をし、それぞれリフレッシュの時間として活用されているようです。
ギークス株式会社 採用サイト引用(https://recruit.geechs.com/)
ほかにも中小企業の事例をみたところ、独自のネーミングをつけたリフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇を取り入れている企業が多いです。
従業員の健康を維持することが生産性向上や業務効率化につながり、ひいては企業の成長に繋がるという考えが浸透している証拠でしょう。
ただ、
前述した通り中小企業やベンチャー企業は政府の掲げる働き方改革をそのまま導入するのは難しいというのが正直な現状です。よって、提唱されている制度を自社向けにアレンジして導入することが大事だと考えます。
弊社トゥモローゲートでは今後も働き方改革における新たな取り組みを実施していく予定です。みなさまにお知らせできる日がきたらこのブログで報告させていただきますね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は本記事でも少し紹介したトゥモローゲートの取り組み「ブラックマンデー」について、導入に至った背景や活用事例を書こうと思っています。
お楽しみに!