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企業がブランディングで成功するためのKPI設定法

ブランディングは何をもって「成功」と言えるのか

ブランディングは見た目のデザインを整えるもの。数値的な成果は見込めないもの。そういったイメージを持たれているかもしれません。僕たちトゥモローゲートが定義するブランディングは少し違います。「魅せかけだけでなく中身からつくり変え、数値的な成果を手にするまでの一貫した活動」がブランディンディングだと考えています。

【ブログ】ブランディングとは?中小企業がすぐやるべきブランドづくりのやり方

そんなブランディングは何をもって「成功」と言えるのか、というのが今回の本題です。結論から先に言うと設定した数値目標に到達すること=成功です。シンプルです。どれだけインパクトのあるデザインをつくっても、設定した数値を達成できなかれば、僕たちは成功とは言いません。

今回は、ブランディングにおける成功確率をあげるKPI設定について書いていきます。KPIを正しく設定できれば、成功確率は高まります。KPIが不十分なものだと、成功確率どうこうの前に成功の定義が曖昧になり、せっかく労力をかけたブランディングの効果が全くない、もしくは限定的で終わってしまうほど重要なものです。

そもそもブランディングとは

KPIについて書いていく前に、そもそもブランディングとは何なのか?の理解を深めていきます。

僕たちトゥモローゲートはブランディングを「約束」と定義しています。顧客、社員、求職者、それぞれのターゲットに対して「この会社は、こういう価値や体験を提供する会社ですよ」という約束をする。約束を守り続けることで信頼関係を構築し、ファンになってもらう。そのために行う全ての活動がブランディングです。

ターゲットが顧客であれば、企業(事業)ブランディング。社員であれば、インナーブランディング。求職者であれば、採用ブランディング。目指すビジョンや目的によって変わりますが、「約束」という本質は変わりません。トゥモローゲートはこの3つを軸にブランディングを提供しています。

【実績紹介】トゥモローゲートのブランディング実績

企業(事業)ブランディングとは

企業(事業)ブランディングのターゲットは顧客です。商品やサービスを利用してくれている人、もしくはこれから利用してくれる人に対し、自分たちは(自分たちの商品は)、あなたに対して、こういった価値を提供しますと約束をする。その通りの体験を届けることで、顧客との間に信頼関係を築いていきます。

人材紹介サービスを例にあげてみましょう。

あなたは転職先を探しています。とある転職サービスにアクセスすると、「強引な紹介を絶対にしない転職サービス」というキャッチコピーが目に飛び込んできました。期待していざ面談を申し込んでみると、エージェントが、自社の利益だけを考えて強引に転職させようとしてきたら、どうでしょう。

「言っていることとやっていることが違う」とガッカリしますよね。二度とサービスを利用しない!と思う人も少なくないと思います。これは、典型的なブランディングの失敗例です。逆に、キャッチコピーの通り強引さは一切なく、あなたのキャリアを最優先に考えた面談・提案をしてくれたとしたら、そのサービスを好きになるはずです。

極端な例ですが、似たようなミスブランディングを起こしているケースは少なくありません。自社が(自社の事業が)提供できる価値・体験は何なのかを言語化し、Webサイトやパンフレット、SNSや広告を通してターゲットに伝えていく。そして、その通りの価値提供を徹底することで、継続的に商品・サービスを使ってもらうのが企業ブランディングです。

【事業紹介】企業ブランディングについて詳しくはこちら

インナーブランディングとは

インナーブランディングのターゲットは社員です。社員に対して「こういう会社を目指す」「こんな価値を社会に提供する」「この価値観や行動基準を大切にする」などの理念を言語化し、宣言する。その理念に沿って、あらゆる経営判断やチャレンジをし続けることで、会社の一体感を醸成していきます。

言葉にするとシンプルですが、このインナーブランディングの徹底はとても難しいです。

そもそも理念を言語化できていないケースもあれば、言語化できているけど認識が揃っていないケースもあります。言語化も認識もできているけど、社長を含めたメンバーが体現できていないケースもあります。これらが一貫できていないと、組織の一体感や帰属意識は薄れ、組織崩壊など大きなリスクにつながる可能性もあります。

トゥモローゲートはこういった課題のある企業に対し、経営理念を明文化したビジョンマップの作成や、理念を浸透させるさまざまな取り組みを通して、インナーブランディングをサポートしています。

【事業紹介】インナーブランディングについて詳しくはこちら

採用ブランディングとは

採用ブランディングのターゲットは求職者です。

入社したらできること、得られるスキルや実績、目指せるキャリア。さまざまな自社の魅力を、Webサイト、パンフレット、映像、広告などを駆使して就活生や転職志望者に伝えていきます。ただ伝えるだけではなく、中身の伴った発信をすることで、入社後に「思っていたのと違う」とならないようにすることが大切です。

企業(事業)ブランディングで例えたように、実態とは違う魅力をどれだけ伝えても、中長期的な成果は期待できません。一時的なエントリー数や採用人数は増えるかもしれませんが、長く活躍してくれる確率は増えないどころか、ターゲットを失望させてしまい、何もしていなかった頃より状況を悪化させる可能性すらあります。

【事業紹介】採用ブランディングについて

ブランディングを成功に導くKPIの設定法

企業(事業)、インナー、採用、3軸の概要をお伝えしたところで、本題「ブランディングの目標設定(KPI設定)」について書いていきたいと思います。KPI(Key Performance Indicator、主要業績評価指標)とは、事業やプロジェクトの目標達成度を測定するための指標。ブランディングではどのように設定すべきか、見ていきましょう。

企業(事業)ブランディングのKPI設定法

企業(事業)ブランディングで追いかける数値は、売上高、ユーザー数、市場シェアなどに紐づいたものになります。ブランディングは企業(事業)を立ち上げたりビジネスモデルをゼロから考えるものではないため、上記のような数値を達成に導くKPIではなく、達成につながるKPIを設定しましょう。

例えば、自動車販売企業のブランディングとして、企業コンセプトの策定〜企業サイトの制作を行うとします。

2つを実施したからといって、売上があがるとは言えません。どれだけ魅力的なサイトをつくっても、問い合わせがきた後の営業で取りこぼす可能性もありますし、営業で好印象を与えても予算が折り合わなければ売上にはつながりません。ブランディングだけでは売上までは担えないのです。そんな中、どんなKPIを設定すればいいのか。

▼企業ブランディングで設定するKPI例
①重要なページの直帰率(サービスを認知・理解してもらう)
②サイトを訪れた人のうち問い合わせに至る人の確率(サイトコンバージョン)
③問い合わせから商談に至る人の確率(問い合わせの質)
④サイトリニューアル前とリニューアル後のアンケート結果(イメージ調査)

サービスの価値を知ってほしい、見込み顧客を増やしたい、自社にマッチした顧客を増やしたい。それぞれのニーズに合ったKPIを、ブランディングで担える範囲内で設定します。成果が曖昧なイメージのあるブランディングですが、僕たちは必ず“数値で測れるKPI”を設定し、達成に向けて粘り強く施策を打っていきます。

インナーブランディングのKPI設定法

社員に向けて実施するインナーブランディングは、ほか2つと比べてKPIのイメージが湧きにくいかもしれません。企業(事業)や採用と比べて定量的な測定が難しいのは事実です。その中でも僕たちが設定するKPI例はこんな感じ。

▼インナーブランディングで設定するKPI例
①従業員の経営理念に対する「理解度」や「共感度」(アンケートで回収)
②ブランディング実施前後の離職率推移(他の施策も実施する前提)

一部、採用ブランディングも関わる項目がありますが、大枠はこのようなイメージです。経営理念を明文化するビジョンマップ作成とその浸透業務を通して、経営理念への理解・共感を深め、その状況をアンケートで測定する。そこから紐づく離職率や昇格率など、社内に関わる数字を測定するのがインナーブランディングのKPI例です。

ブランディングを実施する前と後で、社内にどのようないい変化が起きたのか。顧客のニーズや実施内容に合わせてKPIを設定し、中身からいい会社づくりをサポートするのが僕たちのインナーブランディングになります。

採用ブランディングのKPI設定法

理想の人材を採用するまでには多くのステップが存在します。ニーズや目的に沿って、そのステップの中で“どの数字をあげていくのか”を選定するのが、採用ブランディングにおけるKPI設定の流れになります。

▼採用ブランディングで設定するKPI例
①エントリー数(母集団形成)
②説明会からの一次面談希望率
③内定承諾者数
④制作した採用サイト経由のエントリー数

トゥモローゲートでは、採用コンセプト設計からはじまり、Webサイト・パンフレット・映像の制作、SNSや広告運用サポート、さらにはコンサルティングまで一貫した採用ブランディングに対応します。一部だけ実施する顧客もいれば、全てを実施する顧客もいますが、いずれにせよ経営課題から逆算したKPI設定は必ず行います。

「とにかくエントリー数を増やしたい」という課題をいただいたとしても、そのままKPIに設定するとは限りません。なぜ、エントリー数を増やしたいのか?問いを繰り返すことで、解決すべき課題や目指すべき数字が当初とは違うものになるケースが多いからです。採用のお悩みだと思っていたが、実は既存社員の課題だった…なんてことも。

これは、採用ブランディングに限った話ではありません。まずは、課題そのものに疑問を投げかける。深掘りして見えてきた本質的な課題に対し、最適なブランディング戦略をご提案する。課題解決にクリティカルなKPIを設定し、KPIに紐づいた戦術を事項する。どのサービスにも共通するブランディングの原理原則です。

ブランディングのKPIを設定する際の3つの注意点

それぞれのブランディングに対して、効果的なKPIを設定する際、注意すべきポイントがいくつかあります。ここからは、その中でも特に注意すべきポイントを3つピックアップしました。

KPIの注意点①YES NO で判断できるKPIであること

KPIを達成できたのか?できなかったのか?誰が見てもわかる項目を設定しましょう。

例えば、採用ブランディングでエントリー数を昨年度の100人から2倍の200人に引き上げるKPIを立てたとします。達成の可否は明らかですよね。では、自社にマッチした人をたくさん採用するというKPIはどうでしょう。マッチとは?たくさんとは?判断するための情報が不足しており、達成可否を測ることができません。

この場合、「マッチ=入社5年以上活躍してくれる」「たくさん=今年度採用する人の5割以上」などと定義することで、効果的なKPIにすることができます。目的に沿った項目をKPIに立ててみて、達成可否を判断できるかどうかの問いを投げかけることで、KPIを磨き上げていきましょう。

KPIの注意点②経営目標や経営状態(KGI)に沿っているか?

エントリー数を2倍に引き上げるKPIを達成したとします。そのKPIは、経営のどんな課題解決につながりましたか?即座に回答できない場合、そのKPIは本質的ではなかったかもしれません。

エントリーが2倍になると、人数も増えることが想像されます(他の施策も実施する前提です)。しかし、仮に例年の2倍の20人が新入社員として入社しても、そんなに案件がなかったり、教育・育成する体制が整っていなかったら、何が起こるでしょうか。

・ワクワク入社したのに仕事がなくてモチベーションが下がる
・新たに仕事をつくりだすために先輩社員や会社のリソースが割かれる
・教育・育成にもリソースを割かれクライアント対応が疎かになる
・そんな状況では給与は払わなければいけないので売上・利益が伸び悩む

KPIは達成した。なのに、経営が良くなっていないつまりKGIが達成できていない。それどころか後退している。KPIが経営目標や経営状況に沿っていない場合に起こりうる現象です。これを避けるために重要なのが「課題の深掘り」と「KPIの精査」です。もし僕がこの会社の担当なら、ざっくり下記のような流れで深掘りと精査をしていきます。

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Q.なぜ、エントリー数を倍にしたいんですか?
A.採用を強化したいからです。

Q.採用を“どのように”強化したいですか?
A.10年以上活躍し続けてくれる社員を増やしたいです。

Q.そのために最適な目標がエントリー数なのかどうか、確認させてください。これまでエントリー数に対して何人が入社に至り、何人が長年活躍してくれているかをまとめたデータはありますか?
A.全てデータをとっているので、後ほど共有します。

Q.ありがとうございます。10年以上活躍する社員を増やした先に、御社が目指す未来をざっくりでもいいので教えてください。
A.このサービスをより多くの人に使ってもらい、業界シェアNo. 1の地位を確立したいです。

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ここから、シェアNo. 1になるために今やるべきことは、本当にエントリー数を増やすことなのか?

こういった疑問を、ヒアリングを通して見極めていきます。まずやるべきことは採用ではなく、既存社員の育成・教育かもしれません。そもそもサービス内容を磨き上げる必要があるかもしれません。

徹底的に深掘りし、たどり着いた課題に沿ってKPIを設定しましょう。それが、KGIにつながるKPIの策定につながっていきます。せっかくの施策が無駄に終わらないよう、ここには徹底的に時間をかけましょう。

KPIの注意点③期限は設定されているか?

3つ目は期限です。“いつまでにKPIを達成するのか”しっかり定めましょう。

エントリーの母集団を2倍にするのは今年なのか、来年なのか。期限によって、今やるべきアクションや計画の立て方はまるで変わります。今年であれば、即効性の高い施策を中心に打っていく必要があります。来年であれば、注目を集める企画の立案にたっぷりと時間をかけるべき、という判断になるかもしれません。

期限は、KPIの解像度を引き上げる重要な要素です。「この日までに達成しなければならない」という危機感を醸成することも、ブランディング成功には必要不可欠。期限が曖昧なKPIを目にしたら、「いつまでにやるの?」と問いかける。徹底的に問い詰めた先に、成果につながる明確なKPIが見えてきます。

【まとめ】本当にそのKPIでいいのか?

僕たちトゥモローゲートが強みだと自負しているのは、「本当にこれでいいのか?」の問いを、徹底的に突き詰める点だと思っています。KPIでも同じです。本当に、このKPIでいいのか。課題設定は正しいのか。もはや嫌になるまで問い続けることで、本質的な課題にたどりつく。そこを起点にブランディング戦略を描き、実行していきます。

Webサイトをつくりたい、採用を強化したい、認知度を広めたい。

企業様からいろんな相談をいただきますが、多くの場合、本質的な課題はもっと奥底に眠っています。その掘り下げからご一緒し、数値で測れる成果まで伴走するブランディングが僕たちは得意です。

この記事を読んでくださった方は、ブランディングに興味のある方がほとんどかと思います。ブランディングは曖昧なもの。成果は数値で測れないもの。と考えていた方にとって、少しでも学びになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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