おはようございます。池田リョウです。
2025年までに「大阪で一番オモシロイ会社」を目指すトゥモローゲート株式会社の役員です。
社内の二大部署のひとつ「意匠制作部」のゼネラルマネージャー(以下GM)をしています。
2023年もはじまり(今年初投稿です)トゥモローゲート気づけば14期。
前回の約4ヶ月の記事から、トゥモローゲートも小さくですが日々移り変わっています。
今回は2022年10月に中途入社したとあるデザイナーのストーリー。
どんな経歴でどんなきっかけでなにを考えトゥモローゲートに入社したのか。
今回はそんな中途(キャリア)デザイナー採用までの一部始終を、デザイナーの知りたい目線に合わせて書き連ねていこうと思います。いつもより少し真面目にね。
INDEX
平野 亜矢美(ヒラノアヤミ)
通称:やみー。2022年10月入社。
筋トレとひとりキャンプが好きなポケモン女子。
文字面では強そうな女子に見えるが線も声も相当に細い。
姿・カタチはこんな感じ。
やみー執筆のブログ「Web制作会社からブランディングデザインをする会社に転職して感じていること。」でもかんたんには触れられているが、やみーは元々別の制作会社でwebデザイナーとして働いていた。
イベント系、ナイトレジャー系のサイトやバナーの制作が多かったやみーは、短納期で動き続けるサイト制作に明け暮れていた。
WEB(デザイナー)を目指したきっかけは、大学時代の学祭実行委員をやっていたときに、そこでのモノづくりが楽しかったこと。操作が分からないながらもイラストレーターに触れ、どんなことを伝えようかとみんなでひとつのものをつくることが好きで、こんな楽しいことを仕事にできればいいなとうっすらと思っていた。
大学を卒業し、ガソリンスタンドに就職した20代のやみーは、メディアでウワサされる「自動車業界の縮小」の未来に横目を向けながら、毎日長時間の立ち仕事で疲弊していた。 20代だからなんとかやれているが、30代でも続けられるかを考えると“カラダがもたない”と思ったし、上司の体調がいつも悪そうで、こうはなりたくないと漠然と考えていた。
このまま仕事をしていては、ただ忙殺され続ける毎日だ。
思い立ったやみーは、ガソリンスタンドを辞めて半年のニート期間をWEBデザインの通信学校に費やした。当時では相当な金額となる60万ちょいの出費だった。
通信学校を卒業したやみーだが、もちろんWEBデザイナーとしての実績なんてなにもない。しかし人一倍強い意志が伝わったのか、なんといきなり制作会社にデザイナーとして雇ってもらうことができた。当時、その会社のデザイナー採用枠は1人でもうすでに決まっていたらしいが、もう一枠を特別に増やしてもらったという。
その会社でやみーを面談し、プラス一枠を用意してくれた最終面接官が、なんといまTGでもデザイナーをしている川﨑だった。
実はやみーは、その制作会社から先にトゥモローゲートに転職した川崎から、リファラルでTGを紹介されて入社した。トゥモローゲートをよく知った川崎は、やみーならここで働ける、と判断したのだった。
<こぼれ話>
トゥモローゲートオフィスの近くのレストランで川﨑からトゥモローゲートがどんな会社なのか聞く機会があった。ちょうどその日、代表の西崎もたまたま会食帰りで同席した。西崎は翌日、開口一番で「あの子いいやん」「で、実績あるの?(そんな気にしてないけど)」と僕に言い放った。それからも選考は数回続いたが、実はすでに合格はほぼ決まっていたことはここだけの話だ。
やみーは幼少期から英会話に触れていた。
母親は元看護師で、父親は墓石職人。英語には全然関係のない家庭環境だった。
中学時代も英語が5教科の中で得意だった。でも スポーツに関してはかなり苦手分野。中学生の頃はバトミントン部に所属し、持ち前の運動音痴を発揮して、学年下の子にも負けることがあったり。
しかし3年間、バトミントンは辞めずに諦めずにしっかりと続けた。
高校では英語が得意だったことから英語進学コースに進み、オーストラリアにホームステイした経験もある。他教科よりもまだできる科目が英語だったからたまたま向き合っていたという。
やみーに高校時代の思い出はなにか?と聞くと「友だちとポケモンで遊んでいたこと」と出てくるくらいユルい高校時代。
私立校だったため、学校では厳しい校則があったというが、授業中には電子辞書と見せかけDSで遊ぶ生徒もいたという。やみーは取材中「私はしてません!」としきりに僕に言う。正直どっちでもいい。真面目だなと思ったエピソードである。
高校での成績はクラスでは大体上位5位圏内。学年では180人中20番くらいに位置していたいわゆる“優等生キャラ”だろうか。しかし、ここには高校生ながらに戦略があったと言う。
第一志望の公立高校には学力が届かず、それならと戦略的に学力レベルの低い高校に進むことにし、そこでTOPレベルの成績をとり続けることで大学進学をラクにしようと考えていた。そして、その大学進学では関西外大で引き続き英語を専攻することとなる。
しかし、これだけ英語にフィットしてきている人生なのに、やみーは英語はまったく話せないと言い切る。ここまでくるとこれは謙遜か?出会った人は一度英語で話しかけてみてほしい。
そして、大学も卒業間近に差し掛かった就活時。
やみーは「仕事するってなんやろう?」と日々考えていた。
やりたいことがやれるといいなと思っていたけど「でも、やりたいことってなんやろう?」と考えたとき、実はそこには何もない空虚。外国語大学だけに、周囲の友人をみるとCAや教師を目指す子もたくさんいたが、やみーはそうしたいとまでは全然思えなかった。
やみーはふと立ち止まる。
小さな頃から、大きく興味を持っていたことは特になかった。
高校ではいい成績をとり続けることに注力した。
でも実は夢がなかった。やりたいことも特になかった。
そのときどきで触れたもの、目の前にあることにただ一生懸命注力していた。
将来を見越して、物ごとに正面から向き合い続けることは“一貫”してなかったと言える。
まるでRPGのように、目の前に現れた敵と真剣に勝負し続ける人生だった。
大学時代も毎日英語に明け暮れたというわけではない。
がしかし、学園祭の実行委員では、みんなで何かをつくることが多かった。
そんなときになんとなくやりがいを感じていた。
人生なんてそんなもんだ。どこで何が引っかかるかなんてわからない。
ここでの小さな体験がデザイナー人生につながったというわけだ。
そしてやみーは大学を卒業する。
しかし、社会とつながった最初の会社はガソリンスタンドだった。
洗車、タイヤ、オイル、ガソリン交換などをし、3年半の激務を勤めた。
ガソリンスタンド入社の理由。それは単に「縁」でしかなかった。
合同説明会でたまたま見かけた会社で、たまたま話が進んだ。
ちゃんと話をしてくれたから入社した。それ以上ない。
当時はあまり深く考えていなかったが「なんであそこにいたんだろう」という気持ちも、今となればあると言っていい。
就活当時のやみーは「一度は社会人にならんとあかん」という固定観念で、とりあえず社会人になることがゴール。だからこそ、やりたいことはまた後で見つければいいや、という感じで適当に就職してしまった。
現代っぽくて僕はキライな思考ではない。
なんでもそうだ。やってみないとわからない。
僕はふと今のトゥモローゲートでのやみーの立ち振る舞いや意思決定を思い返す。
たしかに普段の仕事を見ていても、やみーは意外とそんな思考が強いと感じる。
なんとなく肝が据わっている。
土壇場で強いひとって、こういう感じだ。
やみーが制作会社(デザイナー)で仕事に勤めたのは25歳から。
トゥモローゲートは二社目となる(トゥモローゲートは制作会社ではないが)。
これまでの話でも、なんとなく奥手に見える彼女だが意外とこの見解は外れているかもしれない(僕もまだわからない)。
やみーは多分、人とのコミュニケーションが好きだ。休みの日には妙なイベントに足を運んだり、
ライブハウスにひとり足を運んだり。
この先にやりたいことのひとつとして、
「WEBデザインのおもしろいイベント」をトゥモローゲートで企画したいという。
イベントを企画する目的は、コミュニティを増やしたい、利益を出したい、自分がものごとをつくり動かすことにやりがいを感じる、主役になってみんなから視線を浴びたい、など人によって様々だ。
僕は彼女に「なんでそれがやりたいの?」と聞いてみた。
結論をいうと、やみーの目的は「特にない・・」だ。
答えるまでは5分程度の時間が掛かったが、明確な言葉は出てこなかった。
もちろん変わったイベントを催行することでトゥモローゲートの名前が上がればいいとかはあるかもしれないが、どうやらそれも少しニュアンスが違うようだ。解答に迷っている。
迷うやみーを横目に僕はこう考えていた。
やみーがこのイベントをする理由、それは、
「熱中できること、短期の“熱中目標”を常においておきたい」
きっとこれに尽きるんだろうなあと。
やみーは与えられたことに対して、ただ思考停止で向き合うわけではなく、
自分で自分のルールやゴールを作ってものごとに熱中する。
きっとその熱中期間が楽しいのだ。
中学時代のバトミントンは、下手ではあったが
「筋トレの数」だけはリーダーにも勝てるように熱中した。
熱中したバンド(見る専)では、聞いてるだけではまだまだ面白くないと感じ、
ひとりライブハウスに通い、自分が出るわけでもないのに好きなバンドを集めてイベントを開催していた。
少し前ではキャンプで「何もしない」ことに熱中し、
今では平日に食べるご飯を週末にすべて作り置きすることに没頭する。
やみーは「影が薄いのに、地味にひとりで楽しんでるやつになりたい」と言う。
決めたことに対して、自分で感度高いスポットを探し、ただひたすらその旨味を楽しむ。 だからこそ、周囲から見ると言葉どおり「やみーは楽しんでいる(楽しそう)」と感じられる。
話は少し逸れるが「チームでのものづくり」というのは、やはりとてもやっかいな作業。 これはスポーツでもレストランでも制作会社でも、複数名で何かをゼロから生み出すことにおいてはすべて同じ。
主張したり、議論したり、誰かのフィードバックを受けたり、人が集まり意見を重ね合うことでこれまでにないものができあがっていく。ゲームメイクするリーダーは、なんだかんだでメンバーにある程度の感情支配もされる。
楽しんで試行錯誤するチームと、作業としてタスク処理し続けるチームでは、でき上がるものが違うのは明確だ。
トゥモローゲートの仕事の中で、誰からも「仕事(デザイン)を楽しそうにしている」と言われるやみーは、これからも影の立役者となりプロジェクトのキーマンとなっていくことが予想できる。
やみーは鼻息を上げこう話す。
「昔から自分が好きなものや好きな人のことを考えて表現することが好きなんです。いいものを心の底からいいと思って第三者に広める・宣伝することが楽しいんですよね。見てほしい、聞いてほしい、知ってほしい。ライブハウスでイベントを主催した時もそうで、自分がそのバンドを一番好きだからこそ、好きなものを好きって伝えるための手段がイベントであり、そのアプローチとして“デザイン”ってなってましたね。」
人が好きだから、デザインがなんだかんだで好きだから話せることなんだろうなあと、興奮してワントーン上がった声を聴きながら、僕はうらやましく感じた。
TGに入社してから一番へこんだことってなに?
僕はおもむろに彼女に聞いてみた。
「実は結構毎日凹んでるんですけど笑、、自分が進めていた仕事を巻き取られることがやはりくやしいです。自分で形にはしたけど、そこからのディティールがどうしても汲み取れていないことで時間がかかる時がある。結果的に先輩の手に渡っていいデザインに仕上がることはいいことだと思うけど、本当はそこまでが自分の仕事だし、先輩の手を動かさせてしまっていることに不甲斐なさを感じて悔しさを感じます。」
「デザイナーとして誰かに仕事を巻き取られるのは屈辱でしょ?といつも先輩に聞いてるからこそ、、この流れを減らしたいなと日々感じます。なのでデザイン修正が続くときはいつも先輩が助けに来ないか…と怖い時間です笑」
やみーはデザイナーとしてはまだまだこれからだ。
スピードもまだ低速だし、需要の汲み取りもまだ浅い。
しかし、課題感(向き合う対象)はハッキリしている。
つい先日5月の面談で僕がそう話した時、やみーのクッキリ深めの左目から涙がこぼれ落ちた。
そして3秒後、両目から大きく溢れだす。
涙の本当の真相まではわからないが、普段あっけらかんとタフに仕事に向き合う彼女をみている僕からすると、その反応がかなり意外だったことを鮮明に覚えている。
やみーは自分の課題とは正面から向き合うタイプだ。
僕がこれからどうなりたい?と聞くと、また来月には変わってるかもしれませんが・・と前置きをおいた後にこう話した。
「何かを相談される人になりたいなと感じてます。これまで自分は人の前に立つような人間じゃないと思っていて。もうなんか逆にそれが才能なんじゃないかって思うぐらい人前に経つのが苦手なんです。だから自分から人前に立って何かをするということは生涯避けてきました笑」
「人の目をとても気にしすぎるので、もしここで自分が何かミスをしたら、、と考えると怖い。って感じなんです。」
そうか…でも、数年前はバンドを率いたイベントを自分で開催してたとかって言ってなかった??
僕はイベント主催の話を聞いて、アグレッシブな人だなと感じていたのだ。
僕自身も音楽をしていたから、イベントを立ち上げる側の気持ちはよくわかる。
「そうですね。。まさにイベントを開催したときも、当日に出演する6バンドを集めてリハーサルのはじめにイベントの企画趣旨を説明する時間があったんです。大人数を前に緊張しすぎてめちゃくちゃ声が震えていました。顔見知りのバンドしか呼んでなくて、普段みんなとそれぞれは普通にお話しするのに、そういう場ではガチガチに緊張しまくるくらい、人前に立つのは向いていないと感じます。」
そしてこう続いた。
「ただ、課題感もトゥモローゲートに入ってからしっかり感じていて。私、最終選考で西崎社長と会食してもらって、最後に長文の合格メールをいただいたんです。そして、そのメール内に書かれていた【平野の2つの課題】を自分のTwitterのヘッダーにしてるんです。」
「そこに書かれていたのは、 ①目的を意識しながら課題解決に繋げる企画設計力 ②緊張せず、恥ずかしがらずに自分からどん欲に攻める積極性 でした。特に二つ目はあの短時間の面談で、完璧に見透かされたなーと感じています。」
「入社後も声の大きさはよく注意されてきました。チーム会でも、小さな部屋なのにリーダーから『平野もっと声張って』って言われてたくらいだったんですけど、最近は意識できてきていて、昔は1くらいだったボリュームが、いまは2,3,4くらいまでは上げられるようになってきました笑」
「社内の企画提案の時もですが、声が小さいとやっぱり自信ない人と見られるのがよくわかってて。とりあえず声だけでも張ると周囲はしっかり聞いてくれていたり、それで少し安心して自分も自信がついたりします。トゥモローゲートに入ってから自分に自信をもって話すことが重要ということは何度も目の当たりにしていますね。それができるのはちゃんと考え抜いているからこそだとは思いますけどね。」
やみーはちゃんと成長している。きっとこれまでになかった努力を続けているからこその、あの悔しい涙だったんだろうと今では思える。
最後に、ここまで読んでくれた求職者のためにも、トゥモローゲートってどんな会社だと思う?裏表なくちゃんと話して?と聞いてみた。
「トゥモローゲートはクオリティの高いアウトプットをかなり求められもするけど、でもここには仕事に真剣な人しかいないし、なにか起こったときはやっぱり助けてくれるというかみんな良い人っていうか。なんか絶対に貢献したい、尽くしたくなるっていうか、そういう感じですかね。」
「例えばもし曲がったような意見や、何か納得できないような意見が発生したとして、そこにはやっぱり疑問を持つ人っていますよね。私もそういう機会はこれまでの会社でもたくさんあって。」
「で、その人は自分がラクしたいから言ってる意見なのか、それとも会社やお客さんのことを考えて言ってる意見なのか。トゥモローゲートでは後者の人しかいないと思っていて。前者の方になると、私は一気に冷めてやる気がなくなるので、そういう意味で重たいお願い事をされたとしても、『この人は別の仕事にも注力しないといけないから大変だろうし、私にできることなら全然やります!!』って感じですね!笑」
時間は掛かったが、正直で素直なやみーの声を聞けた。
いま彼女が好きなこと・熱量は、なんとなく会社に向いているんだろうな、と取材を通し実感した1日でした。
僕は先日の面談泣きのあとの、このツイートが好きだ。
トゥモローゲートでは現在もまだまだ採用に力を入れています。
14期もどうぞよろしくお願いします。