こんにちは。トゥモローゲート代表の西崎です。
突然なんですが、みなさんの会社ではいい人材を採用できていますか?うちの会社でもいい人材を採用するために全職種で募集をしています。ただ応募は沢山いただくのですが、お互いにマッチする人材にはそう簡単に出会えない、というのが現状です。
そんな中、先日Twitterである求人募集をしました。それがTwitterいいね採用(1ツイートで1万5000人の応募者を獲得)です。これほど多くの応募をいただけると思ってなかったので正直驚いたんですが、実はここに今後の採用や就活のヒントが詰まっていたなと感じたためそのまま記事にしてみました。
今回のTwitteいいね採用がどれだけのひとに見られて、スカウトは何名できて、どういうところを見ていたのか?という数字や事例を交えてできるだけ詳しく説明していくので、SNS採用やSNS就活に興味のあるひとはぜひ最後まで読んでください。
INDEX
みなさんは「Twitterいいね採用」を聞いたことがあるでしょうか?
恐らくないでしょう。それもそのはず、なぜならうちの人事の浦下が勝手にはじめた企画だからです。「これは会社で戦略的に仕組んだ企画だ」と言いたいところですが、全然そんなことはなく多分浦下が面白そうと思って何気なく呟いた内容だと僕は思ってます。(めっちゃ戦略的に狙ってやってたらごめん!)
このツイートを見て「めちゃくちゃオモシロイなあ」と感じた僕は、「うちの社員だしパクッてもいいか」という軽い気持ちでツイートしました。二番煎じだし、まあちょっとでも応募が来たらいいなあ、という軽い気持ちです。そしたらなんと、、
注目して欲しいのがプロフィールへのアクセス数9万9591名(インプレションからのクリック率3.7%)です。通常僕の1ツイート当たりのプロフィールクリック率が0.3%ほどなんで、いつもの10倍くらいの割合でプロフィールを見てもらってます。この1ツイートで2000名ほどフォロワーが増えました。
加えてうちの役員と人事担当者も同時に募集し+3500名の応募があったので結果18500名の応募となりました。
はい、もちろん興味本位で押していただいたひとも多いと思います。いやむしろ圧倒的多数のひとがそうかと。ただこの1万8500人にスカウトを送っても文句を言われないという権利は非常にデカいです。ここぞとばかりにアカウントをチェックし、これまでだったら絶対に声を掛けられないひとも含めて読み漁りました。
どれだけバズったとしても採用企画なんで採用に繋がらないと意味がない。すべてのアカウントをチェックするのに要した時間は約9時間です。途中でTwitterアプリが落ちてしまい、どこまでチェックしたからわからなくなりしまった時は半泣きになりました。
それでは今回のTwitterいいね採用でスカウトした人数を発表します。
今回のTwitterいいね採用でスカウトした人数、、、
54名 応募数1万8500人からのスカウト率0.29%
「少なっ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。たしかに応募者数からすると少ないかもしれません。実際にやってみての感想なんですが、それだけTwitterでスカウトするのは容易ではないということです。僕自身、いいねを付けてくれてるひとから選ぶスカウトは初めての体験だったので手探りの状態でした。
正直ここが一番難しいところです。そもそもTwitterいいね採用の選考基準をどこに据えるのか?何も決めていなかったのでめちゃくちゃ苦戦しました。これからTwitterで就活を考えている新卒や中途の求職者の方や、採用活動をされる人事担当のみなさんに参考になるかなとトゥモローゲートで実施した選考基準についてもまとめてみます。
結論、すべてのアカウントを一つずつ開き、全ツイートをチェックして人柄を判断するというのは僕一人でやるのは物理的に無理があります。ではどうやってアカウントをチェックしていったのか?
それはいいねを押してくれたひとを一覧表示し、アイコンとアカウント名とプロフィールで見極めるというやり方です。当該ツイートのいいねを押してくれてるひとを一覧表示すると下記のような画面が表示されます。この一覧を見ながら、
①プロフィール
②アイコン写真
③アカウント名
を見て興味を持ったひとのアカウントを開き、
④ツイート内容
を見てスカウトするかどうかを判断しました。経営者アカウントについては転職可能性が低いため、当該ツイートにリプライをいただくかご本人のツイート内容を見て可能性があるひとに限定してスカウトしています。
そもそもなんですが、この①~③を通過しツイート内容を確認するという④まで進むのが最大の難関だったと思います。500名のサンプル集計をした結果、①~③をクリアするひとの割合は104名。つまり①~③の通過率は20.8%とかなり絞らせていただきました。
逆に言うと、今後のSNS採用のカギを握るのはこのプロフィールにあると言っても過言ではないのかなと。ここからは①~④それぞれの項目で「どうすればスカウトされるのか?」という点についてお話ししていきます。
さきほど①プロフィール、②アイコン、③アカウント名が最初の絞り込みのポイントだと伝えました。その中でも特に重視した部分がこの①プロフィールです。ウェイトが10あるとして8くらいはこのプロフィールで選抜していた感覚です。
プロフィールでチェックしていたポイント
・どこで働いているのか?
・どんな仕事をしているのか?
・どんな実績があるのか?
・役職やマネジメント経験などあるのか?
やはり、会社名から生まれる信用力は強いなと感じました。トゥモローゲートは人物本位の選考なんですが、それでも限られた情報の中から選抜しなければいけないとなると、採用基準の高い会社に所属している、という実績は大きかったです。
例えば、勤務先名にGoogleとかAppleとか入っていれば確実に手を止めましたし、僕らの業態と近しい経営コンサルや人事コンサルの会社、名前の通ったデザイン会社などの社名があればアカウントの中身を細かくチェックしていました。もしも会社名を出して発信できるひとでスカウト率を高めたい場合はプロフィールの最初に会社名を持ってくることをオススメします。
さらにそこからどんな仕事をしているのかという具体的な仕事内容が書かれていることで入社後のイメージがし易いですし、スキルを見極めるバロメーターとして数字による業務実績(社内表彰や目標達成数値、アワード受賞歴など)を、リーダーやマネージャーなどといった役職も大きなPRポイントだと感じました。
抽象的な表現ではなく、具体的にビジネス経歴が書かれている方がスカウトしやすいということですね。つまりTwitterのプロフィールは採用という観点から見れば履歴書・職務経歴書と同じ役割だということです。すべてをオープンにできる環境で働いているひとは少ないとは思いますが、自分の出来る範囲でお伝えしたポイントを意識しプロフィールを作成するとスカウトされる割合が高まると思いました。
アイコン写真からは本人の印象を伝えることができます。ここはTwitterの運用方法や所属している会社により難しいところもあると思うのですが、もし可能であるならというレベルで読んでください。
アイコン写真でチェックしていたポイント
・実写真の方が有利(カメラマン撮影など)
・表情がわかる写真(笑顔などいい顔の写真)
アイコン写真では雰囲気や人となりを写真から見ていたという感じです。実写真が難しいひとは、自分の雰囲気を伝えるイラストなどで代用するのもいいかと思います。SNS採用という観点からだけ見れば、空の写真とか車の写真とかはなかなか加点要素にはなりずらいです。趣味で運用されていたり、SNS採用を考えていないなどであればどんな写真でもOKです。
今回スカウトをしたひとのなかで実写真の割合は約65%(顔写真なし割合が35%)でした。ただこの数値は実写真で発信しているひとはプロフィールも充実している割合が強かったという傾向もあるなかでの複合的要素もあっての結果だと感じます。
この「わかりやすいアカウント名」もそこまで重要度が高いというよりも+アルファの加点要素くらいの感覚です。さきほどの添付画像の通り、プロフィール一覧で見える情報にはプロフィール、アイコン、アカウント名しかありません。なので、このアカウント名にもわかりやすいキャッチコピーが入っていると多少なりとも引きが強くなるなと思います。
アカウント名でチェックしていたポイント
・あなたの業種や役職を一言で伝えるキャッチコピー
よく「実名で運用した方がいいですか?」と聞かれることがありますが、実名かどうかを確認する術はないのでどちらでもいいですよというのが答えになるのですが、こちらも実写真掲載と同じで結果的に実名アカウントの方がプロフィールが具体的に書き込まれ、アカウントを積極的に運用している割合も高かったので、結果的には実名の方のスカウトが60%程度で割合としては多かったです。
ツイート内容については選考基準①~③を見て興味を持ったひとの確認の意味が強かったです。うちのような小さな会社には仕事の愚痴や文句ばかり(愚痴を言うなと言う話ではなく”ばかり”)ツイートしているひとは合わないですし、前向きに仕事に対して吸収しよう、成長しようとする姿勢が不可欠です。
ツイート内容で見ていたポイント
・自分たちと近しい価値観のツイートの有無(ネガティブよりもポジティブ)
・自分たちにはない気づきや学びがツイートにある
・弊社社員との相互いいねや相互リプライなどのコミュニケーションの有無
当然ながら、今回のTwitterいいね採用以前からTwitterを通じて弊社と絡みがあるひとなどは、より興味度や理解度が高い確率が高まるのでスカウトする姿勢にも影響しました。興味がある会社とは積極的にコミュニケーションしておくと相手もそれを認知しスカウトしてくれる確率が高まるかもしれません。
ここまでTwitter採用におけるスカウトの基準についてお話ししました。これだけ多くのアカウントを見たのも初めてですし、スカウトという形でこちらから声をかけさせていただいたのも初めてです。わからないながらに進めてきた結果、従来型の求人広告や人材紹介の採用ではできないであろう新たな採用の可能性を感じました。
以下は僕がTwitter採用で感じた今後の可能性です。
・会社の理念や思想に惹かれた人材が集まる
・いいねやリツイートで雪だるま式に拡散していく
・未来の採用候補に対して早期に訴求することができる
・コストを使わずに自社の採用経路を確立できる
フォロワーと中長期的な関係構築をすることで会社のファンを採用母集団として集めることができ、類は友を呼ぶ形式で同じ価値観に近いひとにいいねやリツイートという形で拡散させることが可能です。また現在就職や転職を考えていなかったとしても、SNSを通じて会社を知ってもらうことでベストなタイミングでいきなり働きたい会社の候補となります。これらをコストを使わずに実現できるというはとても魅力的なことだと思います。
一方で、課題感もあります。Twitterを運用開始して3年半、ここまで多くのひとと繋がるまでの道のりは簡単なことではありませんでした。実際にやってみて大変だったことを知ることも今後の運用に役立つのではないかと思うのでまとめてみます。
僕が感じたTwitter採用の課題は、
・見極める情報に限りがある
・結局は会ってみないとわからない
・運用から成果までに労力と時間がかかる
・情報漏洩や炎上リスクなどがつきまとう
沢山応募をいただいてもSNSを介したコミュニケーションがなければそのひとがどんな人なのかを見極める情報としては不十分ですし、「今日からTwitter採用やろう!」と思ってもすぐに採用できるというわけではありません。短期的な採用活動には不向きですし、中長期的に継続して発信しながら育てることが必要です。そこには労力も時間もかかります。炎上リスクなども避けては通れない課題だと思います。
ここまで色々なことをお話ししてきましたが、あくまで弊社が今回のTwitterいいね企画を通じて得た実体験や数字データや感想となります。恐らくもっと上手いやり方は沢山あるだろうし、今回の企画から学べたことも多くありました。SNS運用にはメリットもデメリットも両方ありますが、それを踏まえた上でも企業やそこで働く社員が生の声として情報発信していくことはメリットの方が大きいと感じてますし、実際に売上や採用面でも大きく寄与してくれています。今回の記事を通じてSNS就職・SNS採用をはじめるきっかけになれば嬉しいです。
最後になりましたが今回のTwitterいいね採用、スカウトだけでは確実に取りこぼしがあるなと感じています。プロフィールを詳しく書いていない方のなかにもトゥモローゲートにフィットするひとはいるだろうし、ツイートをせず閲覧専用で使っている方でも一緒に働きたいと思えるひとは沢山いるはずです。
そこで最後に説明会の応募フォームを添付しておきます。もし今回いいねをしたのにスカウトされなかった!という人や、そうでなくてもトゥモローゲートに興味を持っていただけた方がいればぜひチェックしてみてください。
僕も直接参加して、みなさんとお話ししながらトゥモローゲートのことをより詳しく知っていただきたいと思っています。ぜひ気軽に参加してみてください。それではまたお会いできること楽しみにしております。