HIROYUKI FUKUNARI 福成浩之

あのひ弱な大学生がここまで立派な営業マンになるなんて想像できませんでした。福成は大学4年生の時にトゥモローゲートのインターンに参加してくれていました。当時の印象は、優しそうだけど、大人しくて地味。本人にもよく言いますが「生まれたての小鹿」みたいな大学生でした。そのまま選考を受けてくれたけど、実は一回落としているんです。スキルや資質が合格基準に達していなかった。ただ、インターンや選考を通じて真面目な性格と一生懸命な姿勢を見せてくれていたので、会社としてもう一度チャンスをあげようということになったんです。そこで戦略企画部の役員の隼平が「2週間後にもう一度選考をするから、何か一つ自分で目標を立てて、それをクリアした上で来てほしい」という司令を送りました。当時の福成に足りなかったのは、考えや意見を相手にぶつける姿勢や、相手の懐に飛び込んでいく勇気。それを克服するような経験をしてきてほしいと伝えたんです。

そしたら福成は「2週間で100人ナンパしてきました」という強烈な報告とともに再びオフィスに現れました。証拠を求めたりはしていませんが、話している時やプレゼンをしている時の雰囲気に2週間前にはなかった落ち着きが感じられたんです。もちろん短期間ですから劇的にスキルが上がっているわけではありません。ただ、再び与えられたチャンスをものにするためにはどうすればいいのかを考えて行動に移した事実は評価に値すると思いました。しかもその内容が全く慣れないナンパ。ここまでできる人ってなかなかいないと思うんです。新卒は実績やスキル以上に伸びしろを重視するため、今後の期待も含めて採用することにしました。一度落ちてから“リベンジ”を果たした正社員は福成が初めてでしたね。

そういった経緯で入社しただけに、成果が出るまでには時間がかかるだろうなと思っていました。特に最初は大変でしたね。入社する前の内定者インターンの時期に自分で契約を取り始めて順調かな?と思っていたらある日『労働基準監督署』に駆け込んだという話が入ってきました(笑)。当時はいわゆるドベンチャー企業。業務量が多く、労働時間がどうしても長くなりがちでした。そんな環境に周りの友達がまだ遊んでいる学生時代に放り込まれたことでプチパニックになってしまったらしいです。ちなみに福成は告発したというよりは相談したという感じで、会社が実際に労働基準監督署に注意を受けるなんてことはありませんでした。それでも、福成が大きな壁にぶつかっていたことは間違いありませんね。

その大きな壁を乗り越えたのは入社2年目だったかなと感じてます。トゥモローゲートは与えられた仕事をこなしていればいい会社ではなくて、自分たちで仕事をつくっていかなければいけない会社なんだということを理解したタイミングだと思います。そこからは目まぐるしい成長を遂げてくれました。どんどん成果を上げて3年目には新卒としては最速でリーダーに昇進。嬉しい誤算でしたね。今では営業から企画、進行までほぼ1人でプロジェクトを完結させられるまでになってくれました。さらには部下のサポート・育成という役割まで担ってくれています。何の心配もしていないどころか、頼もしさすら感じています。

急激に成長できた理由は大きく2つあると思っています。1つは自分の能力以上の環境に身を置いてきたから。3年目でリーダーの役職に就き、5年目からサブマネージャーに就きましたが、昇進時点ではその役職を完璧に担える実力はありませんでした。それでもその役職に就いてから言動がふさわしくなっていき、ふさわしい実力がついてきたんです。実は自分にも似たような経験があります。新卒2年目で支社長になって、3年目で執行役員になりましたが、昇進当時は実力が足りなかった。それでも徐々にその立場にふさわしい実力をつけることができたんです。福成を見ていると当時の自分を思い出しましたね。もう1つの理由は、他でもない本人のストイックな性格です。自分で定めた目標を達成するまで努力を続けることができる。言葉にすると簡単に聞こえますが、実際にやり切れる人はなかなかいません。

仕事の成果だけではなくて、人間としても成長したと感じます。魅力的な人間になったなと。学生の頃は真面目でいい子だったけど、人を惹きつける魅力があるかと言われればまだまだ足りなかったと思う。それが入社してからプライベートも含めたいろんな経験を積んでどんどん備わっていきました。どんな話題にも付いてこれるし、エピソードトークもめちゃくちゃ面白い。それってビジネスにおいてすごく大事な部分で。人として話が面白いかどうか、魅力的かどうかが結果を左右することって結構あるんです。最近で言えばいい時計を買っていたし、今度はいい車を買おうとしているし、よく遊んでいるという話も聞きます。なので、そうですね。スキャンダルだけは注意してほしい(笑)。モテるから、余計に心配です(笑)。健全な経験をどんどん積んでいってほしいと思います。

そんな福成にあえて課題を伝えるとすれば、経営者さんともっと濃い関係を築いていってほしいということ。業務のやりとりだけではなく、プライベートな相談をし合えるほどの関係になってほしいと思います。それができればもっと大きな成果を上げることができるし、もし将来自分でビジネスを始めた時にも大きな力になってくれるから。そんな関係をどんどん築いていってほしい。もちろん、健全な関係を。スキャンダルには気をつけて(笑)

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