「リクルート出身のコピーライター兼ディレクターから応募がきています」それが吉本について最初に聞いた情報でした。それまでは新卒・中途ともにマインド面が合う人や伸び代に期待ができる人を主に採用していたため、吉本のキャリアを聞いただけで面白そうだな、と感じたのを覚えています、大きな案件や面白い案件をたくさん手掛けてきただろうから、入社してくれたら即戦力になってくれるだろうなと期待を膨らませていたんです。
その期待はインターン選考でさらに大きくなりました。「御堂筋線淀屋橋駅に掲載する広告のアイデアを考えてください」という課題に対して、ものの数時間でイベントの面白さによって利用料が変わる『世界一高い貸し会議場』という広告案を作ってくれたんです。それを見たときに、今すぐにでもトゥモローゲートに入って意匠制作部を引っ張っていってほしいと思いましたね。ちなみにその広告はほぼそのまま駅広告として出稿しました。
2人で食事をする最終選考で感じたイメージは「トゥモローゲートにはいない知的な雰囲気をまとった人」。当時いたメンバーが知的じゃないという意味ではないのですが、どちらかと言えば感情を表に出す熱い人間が多かった中、吉本はすこし違う冷静な雰囲気をまとっていたんですよね。これは僕の偏見かもしれませんが...。知的な雰囲気があるクリエイターには、クセのある人が多いイメージがありました。でも吉本は全く違いました。企画力や発想力はぶっとんでいるのに、コミュニケーションはものすごく丁寧で、気遣いができる。そんなことを感じた時に「この人とは何が何でも一緒に働きたいな」と思いましたね。
当時の吉本はフリーランスで十分な仕事を受けていて、これから会社に就職するか、自分で会社を立ち上げるか迷っていました。そんな実力があるのになぜトゥモローゲートを受けてくれているんだろうという疑問をぶつけてみると「1人ではできることが限られる。もっと多くのメンバーと、大きくて面白い仕事がしたいんです」と教えてくれました。個人でやっていける実力のある人からそんな事を言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかった。何より次のキャリアにトゥモローゲートを選んでくれたことがものすごく嬉しかったですね。当時のトゥモローゲートでは吉本に対して前職ほどの給与は払えませんでしたが、それをハッキリ伝えた上で3年後までの会社の売上のプランと給与水準のプランを提示して承諾してもらいました。入社2年目の時点でプラン通りに来れているのも吉本の頑張りのおかげです。
吉本が入社してくれてからトゥモローゲートの制作物は格段にレベルアップしたと感じています。見た目のインパクトや企画の尖り具合で勝負していたところに、本質的なメッセージを見つけ出す力や、なぜそのメッセージが必要なのかを定義して伝える力を加えてくれました。おかげで人の心を動かすストーリーが制作物に備わったんです。よく「トゥモローゲートさんの尖った企画、魅力的ですよね」と言われることが多いのですが、尖ることが目的ではありません。お客様の本質的なメッセージが最も伝わる方法を見つけ出すことが目的です。そういう意味で吉本は制作物のクオリティを高めてくれました。吉本自身が携わった案件はもちろんのこと、携わっていない案件でも本質的な企画が増えてきていると感じます。社内に「吉本イズム」が浸透している証拠ですね。
マネジメントにおいても吉本の貢献度は高いと思ってます。吉本の入社前は案件の管理や業務指示、スケジュールの調整などの業務は全て役員の池田が担っていました。それだと池田の負担があまりにも大きいということでマネジメントができる人の採用は急務の課題だったんです。そこにピッタリハマってくれたのが吉本。池田がやってくれていた業務の一部を引き継いでくれたことに加えて、自主的に後輩クリエイターの育成もやってくれています。
そんな吉本にはこれからも制作物のクオリティを高めることに集中してもらいたいと思っています。企画の考え方やノウハウを後輩に伝えることもそうですし、いい企画が生まれる判断基準を作ることもそう。すでに取り組んでくれていると思うので、継続してほしい。その取り組みが会社の付加価値を高めていくことに繋がっていくと思うので。
実は吉本と自分は同い年なんですよね。だからこそ仕事だけではなくプライベートな付き合いも増やしていきたいなと。最近は釣りを始めたと聞いているので、初心者の自分が教わりながら釣りを楽しむのもありですし、普通に飲みにいって仕事の話やお互いの将来について語り合うなんてこともしてみたい。コロナで出来ていないことがたくさんある分、これからの楽しみは多いですね。